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夏休みと陸上大会
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練習に打ちこんでいる間に七月は終わりに近づいて夏休みに入った。
莉瀬はもちろん嬉しくなった。
遊べるのも当たり前のように嬉しい。
でも大好きなバレエのことをもっともっと考えたり、練習をしたりするのに時間を使えるのだ。
書道部は夏休みの活動がなかった。
それほど熱心な活動の部活ではないからだろう。
莉瀬にとってはそれはむしろありがたいことだった。
それにバレエをやるばかりでなく友だちと昼間からあそんだり夏休みの宿題をやったり……そういう特別なこともある。
暑いけれど楽しい季節である夏だ。
ある土曜日。
莉瀬にとっては自主練習の日。
いってきます、と家を出て、いつもどおり電車に乗って教室のある駅へおりた。
そこで莉瀬は、知った顔を見つけてつい顔をほころばせてしまった。
そこには乙津くんがいたのだから。
たぶん誰かを待っているのだろう。
そんな様子で駅のベンチに座っていた。
「こんにちは」
莉瀬は近づいてあいさつをした。
乙津くんは顔を上げて、声をかけてきたのが莉瀬であることを知って、笑ってくれた。
「白鳥さんじゃん。こんちは」
笑ってあいさつをしてくれる、それだけのことがこんなに嬉しい。
莉瀬はもちろん嬉しくなった。
遊べるのも当たり前のように嬉しい。
でも大好きなバレエのことをもっともっと考えたり、練習をしたりするのに時間を使えるのだ。
書道部は夏休みの活動がなかった。
それほど熱心な活動の部活ではないからだろう。
莉瀬にとってはそれはむしろありがたいことだった。
それにバレエをやるばかりでなく友だちと昼間からあそんだり夏休みの宿題をやったり……そういう特別なこともある。
暑いけれど楽しい季節である夏だ。
ある土曜日。
莉瀬にとっては自主練習の日。
いってきます、と家を出て、いつもどおり電車に乗って教室のある駅へおりた。
そこで莉瀬は、知った顔を見つけてつい顔をほころばせてしまった。
そこには乙津くんがいたのだから。
たぶん誰かを待っているのだろう。
そんな様子で駅のベンチに座っていた。
「こんにちは」
莉瀬は近づいてあいさつをした。
乙津くんは顔を上げて、声をかけてきたのが莉瀬であることを知って、笑ってくれた。
「白鳥さんじゃん。こんちは」
笑ってあいさつをしてくれる、それだけのことがこんなに嬉しい。
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