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デートは冷たいアイスクリーム

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「サッカーかぁ。小学校のとき、授業でちょっとやったよ」

「そっか。どこの学校もそう変わらないんだな」

「たしかにつまんなくはないよね」

 そんなやりとりのあと、本題に入った。

「それより体育の授業の短距離走とかがおもしろかったから、五年生になるときなんとなく陸上クラブに入った。そこでもっと『おもしろい』って思えたんだよな」


 おもしろいと思えること。


 それは部活や莉瀬にとってのバレエであるようなことに、とても必要なものだ。

 おもしろいと思えなければ、そもそも続かない。

 莉瀬がいくらレッスンが大変でもがんばれているのは当たり前のように、踊ることがとても楽しいからだ。

「走るのはもともと好きだったけど、フォームを直してもらってタイムが縮まったときすごく嬉しかった。今まで感じたことないくらい」

「あ、わかる。できないことができるようになるってすごく嬉しい」

 莉瀬は初めて回転をする動き……ピルエットに挑戦したときのことを思い出した。

 もうだいぶ前のことだ。
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