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良くないにおい
④
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しかしそちらを見たとき何故か少しの安心を覚えた。
不思議だ。彼のことは警戒していたはずなのに。
そこに居たのは街への道とは逆側。
森のほうからやってきたであろう、コリンだった。
「あのひと、誰」
いつもにこにこしているコリンらしくなかった。なんだか目が硬い。
ノアはコリンを見て、ほっとした自分を不思議に思いつつも端的に言った。
「街で会ったひとだ。前に怪我を診てやった」
「……ふーん」
コリンは納得しきれない、という眼でそれだけ言って、なにか言い淀むような様子を見せた。
そしてためらったようだったが言われたことにノアは驚いた。
「ねぇ、あのひと良くないにおいがするよ」
「は? なんて失礼なことを言うんだ」
コリンがひとに対してこんなことを言うのは初めてだ。
良くないにおい?
臭いにおいなんかしなかった、とノアは思ったがそういう意味ではない、とすぐに思い当たる。
嗅覚というか、狼男ゆえの強い本能からの『良くないにおい』と評される雰囲気かなにかか。
不思議だ。彼のことは警戒していたはずなのに。
そこに居たのは街への道とは逆側。
森のほうからやってきたであろう、コリンだった。
「あのひと、誰」
いつもにこにこしているコリンらしくなかった。なんだか目が硬い。
ノアはコリンを見て、ほっとした自分を不思議に思いつつも端的に言った。
「街で会ったひとだ。前に怪我を診てやった」
「……ふーん」
コリンは納得しきれない、という眼でそれだけ言って、なにか言い淀むような様子を見せた。
そしてためらったようだったが言われたことにノアは驚いた。
「ねぇ、あのひと良くないにおいがするよ」
「は? なんて失礼なことを言うんだ」
コリンがひとに対してこんなことを言うのは初めてだ。
良くないにおい?
臭いにおいなんかしなかった、とノアは思ったがそういう意味ではない、とすぐに思い当たる。
嗅覚というか、狼男ゆえの強い本能からの『良くないにおい』と評される雰囲気かなにかか。
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