窓の外には黄色の月が

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和解と告白

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 照れもせずに言ってのけられるのでノアのほうが恥ずかしくなってしまう。
 だって、コリンの『好き』は明らかに。
「なにがいけないの」
 しかしやはり本人はまるでわかっていないようで、疑問符がもっと増えたという顔をする。子供そのものの顔で言う。
「……お前はやっぱり子供だな」
 ノアはそう言うしかなかった。
 当たり前のようにコリンには膨れられる。
「ひっど! あんな男、撃退できるほどには大人……」
 確かに年齢と体つき、力と行動力についてはその通りなのだが。
 肝心の『心』『思考』がまだ子供である。
「そうじゃない。まぁ、……ありがとう。気持ちは嬉しい。これ、肉かなにかなのか」
 またノアが話題をぶった切ったのには、一瞬不満げな顔がされた。
 が、質問には素直に応えてくれる。
 ノアが示した、テーブルに置いていたコリンからのもらいもの。
 狼男が持ってくるなら肉だろう。
 持った感触と合わせてそう訊いたのだが、コリンは嬉しそうに頷いた。
「うん! ウサギ肉なんだ。たまにウサギのシチューなんか作ってるから、ノアも好きかなって思って」
 開けていいか、とことわってノアは包みを開けた。
 中を見て、おや、と思う。
 狼男が狩ったものなのだ。グロテスクな見た目をしているかと思ったのだが、見た目は普段、ノアが街や行商人から手に入れているものとほとんど変わらなかった。きちんと処理されている。
 狼男なんて野蛮だと思っていた、そんな考えは変えなくてはいけないな。
 ノアは思った。
「ありがとう。美味しいよな。オレからのお礼にこれでなにか作ろう。なにがいい」
 コリンの顔が、ぱっと輝く。即答した。
「ほんと! じゃあパイ包み」
 つられてノアも笑ってしまう。
「それ、好きなのか」
「うん! ノアが作ってくれるの美味しいから」
 無邪気な笑みと言葉だった。
 自分の作ったものを褒めてくれる。
 おまけに自分に対する好意の言葉までくれた。
 純粋すぎる、コリン。
 彼の気持ちや優しい行動は、ノアの心に強く響いたのだった。
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