菜の花は五分咲き

白妙スイ@1/9新刊発売

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ほかほか焼きうどん

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 結局、買えたのはビールとスルメとナッツだけになってしまった。
 お腹が空いていたのに、腹の足しには到底ならない。
 よって、菜月の作ってくれる『美味しいご飯』。
 それを期待するしかなくなってしまった。
 一体どうしてこんなことに。
 茂はしょんぼりへこんでいるエコバッグを持って、帰路を辿っていた。
 うしろからは菜月が、こちらはたっぷり膨らんだエコバッグをお供に、にこにこ着いてきている。
 自転車で来ていたらしい。前カゴにエコバッグを入れて、本人は自転車を引いている。
「意外と近くに住んでたなんて、嬉しいですね」
「俺はそんなに嬉しくないがな……」
 茂の塩っぽい返答にも、菜月はめげない。
 ゴールデンウィーク中だから、今夜は凝った料理を作って楽しむつもりだった、なんて話している。
 凝った料理なんて作るのか。
 いや、男子高校生がスーパーに自ら買い物に来るあたりで、料理が多少は好きなんだろうけど。
 でもこの様子では、かなり自信がありそうに見える。
 そうこうしているうちに、茂のマンションに着いた。
 マンションとはいえ、あまり上等なものではない。
 オートロックもないし、かろうじてついているエレベーターも乗るとガタガタ振動する始末。
「へー、結構古……年季が入ってるんですね」
 茂の自室の前へ着き、鍵もカードキーなどではなく、ごく普通の金属のものだったからだろう、菜月は思わず口に出してしまった、という様子で言い、すぐに言い直した。
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