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親友との再会

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「おっと、休み時間って十分だよね。そろそろ終わる感じ?」
 一通りしゃべったあと、留依は時計を見上げて言った。美久も釣られて時計を見る。確かにもうそろそろ次の授業の準備をしなくてはだ。
「う、うん。二時限目と三時限目の間は二十分なんだけど、今は」
「そうなんだ! じゃ、そのときもっと話を……あ、でもクラスのひとたちとも話したほうがいいよねぇ。これから一緒のクラスなんだし」
 もっと時間があると知って留依の顔は輝いたのだけど、すぐになにかに気付いたという顔になった。留依が言うのももっともである。
 たとえ昔からの友達がいるからといっても、その子とばかり話しているわけにはいかないだろう。クラスでこれからうまくやっていくためには。
 留依ならあっさりクラスに溶け込めるだろうけど。そういう性質だ。
 明るくて、積極的で、おまけにひとに優しい。美久と仲良くしてくれたのだって、そういう性格があったからこそだろう。
「うん……そうかも」
「じゃ、次はそうしようかな。放課後は時間ある?」
 もう少しだけ話して、今日は一緒に帰ろうという話になった。留依の新しい家がどっちのほうなのかはわからないけれど、少なくとも学校の最寄り駅までは一緒だろうと思ったのだ。
 それで留依は席へ戻ってしまう。休み時間が終わる、そのわずかな間なのに、近くの席の子と少しだけ話しているのが見えた。
「うん、小学校の頃、仲良かったの」
「久しぶりに会えてびっくりしたよー」
 自分が話題になっているらしい。この状況では当然だろうけど。
 美久はくすぐったいやら、ちょっともじもじしてしまうやらだった。
 逆に、美久のほうに「前に友達だったの?」と聞いてくる子はいなかった。
 別におかしなことではない。いつもこうなのだ。
 美久が引っ込み思案なのはクラスでもう知られているのだから。
 それに聞かなくても、さっきの会話をする様子でわかられただろうから。
 だからこちらから言うことでもないし、と美久はそれでいいことにしてしまった。
 ちょっとずるいのかな、と思いはしたけれど。普段ならそれで別にいいと気にもしないのに、明るく話している留依に久しぶりに接したら、なぜか思ってしまったのだ。
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