1 / 1
くだらない願い
しおりを挟む
今日は妹の誕生日。久々に家族で盛大にやろうって話をして、
大きいホールのケーキも買ったし、チキンも買った。
妹も、上機嫌で友達を誘ったらしい。
だけど夕方、時間になっても誰も来ない。1時間、2時間と経ち、
妹も悲しそうにしている。
俺はこっそり2階の自分の部屋に行って、布団に戻る。
流石にこのまま夜を迎えてしまうのはあまりにも不憫だ。
居るのなら誰でもいい、神様、どうかお願いだから、
妹の友達の誰か一人でいい。うちに呼んでください。
俺の誕生日には誰も来なくていいから。そう強く願った。
こんなに本気で念じて願ったことは今までないと思う。
暫くすると、妹の友達が1人、訪ねてきた。お誕生日おめでとうって。
1階の玄関と居間から、楽しそうな声が聞こえる。
もしかしたら、神様が叶えてくれたんだろうか。
ちょっとだけ安心したら眠くなったので、そのまま布団で寝る事にする。
他の人からしたら、こんなのくだらない願いだって言うかもしれない。
けれど当時の俺からしたら自分の事よりとっても大事な願いだったんだ。
今となっては恥ずかしいし、なんだって思うところはあるけれど。
それから何十年も経って、妹も俺も独り立ちした。
もう一緒に住んでないし、あの時の家も、もう無いらしい。
あまり連絡もお互いに取らなくなったけれど、
当時は異様と言われても仕方ないくらい仲が良かった。
今度また、食事くらいには誘ってみようか。当時を思い出しながらでも。
大きいホールのケーキも買ったし、チキンも買った。
妹も、上機嫌で友達を誘ったらしい。
だけど夕方、時間になっても誰も来ない。1時間、2時間と経ち、
妹も悲しそうにしている。
俺はこっそり2階の自分の部屋に行って、布団に戻る。
流石にこのまま夜を迎えてしまうのはあまりにも不憫だ。
居るのなら誰でもいい、神様、どうかお願いだから、
妹の友達の誰か一人でいい。うちに呼んでください。
俺の誕生日には誰も来なくていいから。そう強く願った。
こんなに本気で念じて願ったことは今までないと思う。
暫くすると、妹の友達が1人、訪ねてきた。お誕生日おめでとうって。
1階の玄関と居間から、楽しそうな声が聞こえる。
もしかしたら、神様が叶えてくれたんだろうか。
ちょっとだけ安心したら眠くなったので、そのまま布団で寝る事にする。
他の人からしたら、こんなのくだらない願いだって言うかもしれない。
けれど当時の俺からしたら自分の事よりとっても大事な願いだったんだ。
今となっては恥ずかしいし、なんだって思うところはあるけれど。
それから何十年も経って、妹も俺も独り立ちした。
もう一緒に住んでないし、あの時の家も、もう無いらしい。
あまり連絡もお互いに取らなくなったけれど、
当時は異様と言われても仕方ないくらい仲が良かった。
今度また、食事くらいには誘ってみようか。当時を思い出しながらでも。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
真実の愛ならこれくらいできますわよね?
かぜかおる
ファンタジー
フレデリクなら最後は正しい判断をすると信じていたの
でもそれは裏切られてしまったわ・・・
夜会でフレデリク第一王子は男爵令嬢サラとの真実の愛を見つけたとそう言ってわたくしとの婚約解消を宣言したの。
ねえ、真実の愛で結ばれたお二人、覚悟があるというのなら、これくらいできますわよね?
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
【完結】狡い人
ジュレヌク
恋愛
双子のライラは、言う。
レイラは、狡い。
レイラの功績を盗み、賞を受賞し、母の愛も全て自分のものにしたくせに、事あるごとに、レイラを責める。
双子のライラに狡いと責められ、レイラは、黙る。
口に出して言いたいことは山ほどあるのに、おし黙る。
そこには、人それぞれの『狡さ』があった。
そんな二人の関係が、ある一つの出来事で大きく変わっていく。
恋を知り、大きく羽ばたくレイラと、地に落ちていくライラ。
2人の違いは、一体なんだったのか?
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
女神に頼まれましたけど
実川えむ
ファンタジー
雷が光る中、催される、卒業パーティー。
その主役の一人である王太子が、肩までのストレートの金髪をかきあげながら、鼻を鳴らして見下ろす。
「リザベーテ、私、オーガスタス・グリフィン・ロウセルは、貴様との婚約を破棄すっ……!?」
ドンガラガッシャーン!
「ひぃぃっ!?」
情けない叫びとともに、婚約破棄劇場は始まった。
※王道の『婚約破棄』モノが書きたかった……
※ざまぁ要素は後日談にする予定……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる