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一章
5話
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「ねぇ、栄子。」
「栄子はさ何で彼氏作んないの?」
「美人でスタイルも良くて性格も良くて悪いとこひとつもないのに。職場の男達も密かに栄子のこと狙ってる奴結構いるんだよ。何回も栄子の連絡先聞かれたことあるし。全部無視したけど。」
「美人でスタイルも良くて性格も良くてって褒め過ぎだよ。そんな私の事褒めても何もあげないよ。」
「本当のことだもん。」
「栄子、前に言ってたじゃんもう10年以上彼氏いないって。」
「なんか理由があるの?」
「うーん。何でだろうねぇ。」
「もしかして彼氏いるの?」
「どうだろ。」
「え、私聞いてないよ?」
「うそうそ、そんなのじゃないけど。」
「じゃあ何?」
「今は秘密かな。」
「ねぇ、栄子は私となんで仲良くしてくれたの?」
「美波と一緒に居て楽しいからだよ。」
「後ね、私のこと大好きかって思うくらい美波は私のこと心配してくれるところあるから。」
「それは…まあねぇ?」
「なに?照れてんの?」
「もう、からかわないでよね。」
「私、入社して初日に美波からよろしくお願いします仲良くして下さいって言われたじゃん?」
「そんな事あったね。」
「私から声掛けようと思ったけどそんな勇気出なくて美波から声掛けられてすごい嬉しかったんだ。」
「栄子は最初見た時から凛としてたって言うか近寄り難い存在みたいなオーラ出してたけど、絶対優しい人だろうなあって思って声掛けたんだよ。仲良くなりたいって思ったから。」
「友達になれて良かった。」
「仲良くなれて良かった。」
「ねえ栄子、聞いて。」
「とうとう彼氏できた。」
「え、ほんとに?おめでとう。」
「ありがとう。」
「最近付き合い悪いなあって思ってたよ。」
「え、ほんとに。それはごめん。」
「冗談、冗談。」
「薄々は気づいてたけど美波から言われるまで気づかない振りしてただけ。」
「何だ、良かった。」
「で、彼氏さんは良い人そうなの?」
「それがさ、すごい良い人でね性格も優しいくて今度栄子にも紹介するね。」
「まぁ、美波が好きになるくらいだから悪い人ではないか。楽しみだなぁ。」
「もしさ、このまま結婚したらどうしよう。」
「絶対、絶対、呼ぶからね。」
「まだ付き合ったばっかりでしょ。気が早いって。」
「そんなの分かんないよ?」
「それより、栄子はどうなの?」
「私は…どうだろうね。」
「私だけ幸せになるのは何かずるくない?」
「いいの。美波の幸せな顔見てたら私も幸せになるし。」
「もったいないよ、栄子ならすぐできるのに。」
「私はまだ…。」
「ねぇ、美波。」
「うん?」
「今日家で鍋しようと思うんだけど来ない?」
「いいねぇ。行く行く。」
「栄子の家初めて来たけどめっちゃお洒落じゃん。」
「はいはい、褒めるの上手ね。」
「栄子、昔のアルバムとかないの?」
「そこの引き出しの中かな。」
「あったあった。」
「ねぇ、栄子。」
「うん?」
「この栄子と一緒に映ってる男の子って…。」
息を荒げ瞼を開くと視界には見たこともない白い天井が広がる。
仰向けになっており視界を下の方へ向けると腕には点滴が打たれ今居るのは病室のベッドだと栄子は認識した。
病室の窓を覗くと長い間、闇を見ていたせいか室内に差し込む陽の光が眩く感じた。
現在、早朝だと分かった栄子はあの悪夢の様な時間からかなり時間が経ったんだと判断することができた。
「さっき見てたのは夢…か…。」
「美波…。」
栄子は美波の悲惨なまでの姿を再び思いだし下唇を噛み締め点滴が流れる右手を額に当て涙を溢した。
暫くすると若手の1人の看護婦が栄子の様子を伺いに来た。
「柳さん、初めまして。伊藤栞里と言います。体調はどうですか。」
そう挨拶をし爽やかに声を掛けてきたのは透き通る程に白い肌が特徴的で20代前半であろうか黒髪のショートヘアの看護婦だった。
すると続けて伊藤は言いづらそうに重い口を開いた。
「あの、ごめんなさい。話しはちょっと聞きました。」
栄子は昨日の事だろうと直ぐに悟る。
「辛かったですよね。」
栄子はその言葉に対し無意識の内に伊藤を鋭い目つきで睨みつけていた。
「ごめんなさい。」焦った様子で栄子に深々と頭を下げる。
だが、下げた頭を戻そうとした際伊藤の頬には一筋の涙が流れていた。
「どうしたの。」
栄子はその伊藤の涙に戸惑いを隠せず問うた。
「実は美波とは友達だったんです。」
「高校の時からの。」
「昨日連絡があって。」
「それで、柳さんがこの病院にいるって話しを聞いて。」
息を詰まらせながらも栄子に続けて話した。
「たまに連絡取り合ってたんです。」
「職場ですごい美人な人と友達になれたって。しかもめちゃくちゃ優しいんだよって。」
「電話する度いつも嬉しそうに柳さんの話しばかりしてました。」
「私にも紹介するねって。」
「なのに…。」
伊藤は俯き肩を震わせた。
「そうだったの。」
「ごめんなさい。」
伊藤は頭を左右に振り栄子に訴えた。
「あの…。」
「それで話しがあるんです。」
「美波の彼氏の事なんですけど…。」
絞り出す様に口を開き放った伊藤の言葉に栄子は耳を疑う。
「栄子はさ何で彼氏作んないの?」
「美人でスタイルも良くて性格も良くて悪いとこひとつもないのに。職場の男達も密かに栄子のこと狙ってる奴結構いるんだよ。何回も栄子の連絡先聞かれたことあるし。全部無視したけど。」
「美人でスタイルも良くて性格も良くてって褒め過ぎだよ。そんな私の事褒めても何もあげないよ。」
「本当のことだもん。」
「栄子、前に言ってたじゃんもう10年以上彼氏いないって。」
「なんか理由があるの?」
「うーん。何でだろうねぇ。」
「もしかして彼氏いるの?」
「どうだろ。」
「え、私聞いてないよ?」
「うそうそ、そんなのじゃないけど。」
「じゃあ何?」
「今は秘密かな。」
「ねぇ、栄子は私となんで仲良くしてくれたの?」
「美波と一緒に居て楽しいからだよ。」
「後ね、私のこと大好きかって思うくらい美波は私のこと心配してくれるところあるから。」
「それは…まあねぇ?」
「なに?照れてんの?」
「もう、からかわないでよね。」
「私、入社して初日に美波からよろしくお願いします仲良くして下さいって言われたじゃん?」
「そんな事あったね。」
「私から声掛けようと思ったけどそんな勇気出なくて美波から声掛けられてすごい嬉しかったんだ。」
「栄子は最初見た時から凛としてたって言うか近寄り難い存在みたいなオーラ出してたけど、絶対優しい人だろうなあって思って声掛けたんだよ。仲良くなりたいって思ったから。」
「友達になれて良かった。」
「仲良くなれて良かった。」
「ねえ栄子、聞いて。」
「とうとう彼氏できた。」
「え、ほんとに?おめでとう。」
「ありがとう。」
「最近付き合い悪いなあって思ってたよ。」
「え、ほんとに。それはごめん。」
「冗談、冗談。」
「薄々は気づいてたけど美波から言われるまで気づかない振りしてただけ。」
「何だ、良かった。」
「で、彼氏さんは良い人そうなの?」
「それがさ、すごい良い人でね性格も優しいくて今度栄子にも紹介するね。」
「まぁ、美波が好きになるくらいだから悪い人ではないか。楽しみだなぁ。」
「もしさ、このまま結婚したらどうしよう。」
「絶対、絶対、呼ぶからね。」
「まだ付き合ったばっかりでしょ。気が早いって。」
「そんなの分かんないよ?」
「それより、栄子はどうなの?」
「私は…どうだろうね。」
「私だけ幸せになるのは何かずるくない?」
「いいの。美波の幸せな顔見てたら私も幸せになるし。」
「もったいないよ、栄子ならすぐできるのに。」
「私はまだ…。」
「ねぇ、美波。」
「うん?」
「今日家で鍋しようと思うんだけど来ない?」
「いいねぇ。行く行く。」
「栄子の家初めて来たけどめっちゃお洒落じゃん。」
「はいはい、褒めるの上手ね。」
「栄子、昔のアルバムとかないの?」
「そこの引き出しの中かな。」
「あったあった。」
「ねぇ、栄子。」
「うん?」
「この栄子と一緒に映ってる男の子って…。」
息を荒げ瞼を開くと視界には見たこともない白い天井が広がる。
仰向けになっており視界を下の方へ向けると腕には点滴が打たれ今居るのは病室のベッドだと栄子は認識した。
病室の窓を覗くと長い間、闇を見ていたせいか室内に差し込む陽の光が眩く感じた。
現在、早朝だと分かった栄子はあの悪夢の様な時間からかなり時間が経ったんだと判断することができた。
「さっき見てたのは夢…か…。」
「美波…。」
栄子は美波の悲惨なまでの姿を再び思いだし下唇を噛み締め点滴が流れる右手を額に当て涙を溢した。
暫くすると若手の1人の看護婦が栄子の様子を伺いに来た。
「柳さん、初めまして。伊藤栞里と言います。体調はどうですか。」
そう挨拶をし爽やかに声を掛けてきたのは透き通る程に白い肌が特徴的で20代前半であろうか黒髪のショートヘアの看護婦だった。
すると続けて伊藤は言いづらそうに重い口を開いた。
「あの、ごめんなさい。話しはちょっと聞きました。」
栄子は昨日の事だろうと直ぐに悟る。
「辛かったですよね。」
栄子はその言葉に対し無意識の内に伊藤を鋭い目つきで睨みつけていた。
「ごめんなさい。」焦った様子で栄子に深々と頭を下げる。
だが、下げた頭を戻そうとした際伊藤の頬には一筋の涙が流れていた。
「どうしたの。」
栄子はその伊藤の涙に戸惑いを隠せず問うた。
「実は美波とは友達だったんです。」
「高校の時からの。」
「昨日連絡があって。」
「それで、柳さんがこの病院にいるって話しを聞いて。」
息を詰まらせながらも栄子に続けて話した。
「たまに連絡取り合ってたんです。」
「職場ですごい美人な人と友達になれたって。しかもめちゃくちゃ優しいんだよって。」
「電話する度いつも嬉しそうに柳さんの話しばかりしてました。」
「私にも紹介するねって。」
「なのに…。」
伊藤は俯き肩を震わせた。
「そうだったの。」
「ごめんなさい。」
伊藤は頭を左右に振り栄子に訴えた。
「あの…。」
「それで話しがあるんです。」
「美波の彼氏の事なんですけど…。」
絞り出す様に口を開き放った伊藤の言葉に栄子は耳を疑う。
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