夜海

古川ゆう

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第九夜

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階段を降りるとお昼ご飯の良い匂いがしてきた。

食卓の入り口付近に近づくと僕はいつもと違う異変に気づく。

「うん?」なんだろう。

「あははは」と笑い声が聞こえてくる。 

人がいつもより多い?

昼ご飯はいつもお客さんがいる時は僕から先に食べているけど今日はいつもと違う。

「優斗~やっとおりてきた、はよ食べて」

「今日は昼ご飯優愛ちゃんとこと一緒に食べさいや~」「お客さんがどうせなら優斗君もって言ってきたんよ。」

「まじか…」心の中で思う。

とりあえず空いてる優愛の隣に座る。

落ち着かない、落ち着く訳がない。

ご飯が並べられているテーブルを囲む優愛の家族三人と僕。 

お腹は空いている筈なのにもうお腹が満たされた気分になった。

優愛のお母さんが言ってくる。
「優斗君ありがとうね、優愛がすごい喜んでたよ~」

「優愛ねぇ、あんまり友達いる方じゃないからねこんな性格だし…」

「もっ!お母さん!いらん事言わんとってや!」優愛は必死に抵抗する。

それを見て僕はクスッと笑ってしまった。

隣に座っている優愛に肩を叩かれた。

「優斗~??」
すごい圧で僕は睨みつけられる。

「すいません…でした…」

「ま、ほんとやけんいいけど⁉︎」

「ほんとかよ。」と心の中で思った。

「お昼からは何しようねえ~」
優愛のお母さんは呟く。

「まあ、この島も結構見て回ったしお昼からはのんびりするかあ~」
とお父さんは言う。

「うーん、私も海で泳いで疲れたし昼寝でもしよっかなあ~」 

「あ、優斗、自分の部屋あるんやろ?後で行っていい?」

と優愛が僕を見て言ってくる。

自分の部屋を見られる嫌な気持ちもあったが渋々承諾し「いいけど…」と伝えた。

その後、4人で談笑しご飯を食べ終わり自室に戻る。 

自室に戻ると言っても2人で。

優愛が後ろに着いて歩いてきている。

ご飯を食べた後そのまま着いてきたのだ。

2階にある僕の部屋まで階段を上がり部屋に着く。

「へ~男の子の部屋ってこんな感じなんやね!」

「まぁ、なんもないけどゲームくらいしか」

「優斗、ゲームして遊ぼ!」

「私ゲームできるし普通に強いよ?」
ドヤ顔で言ってくるのだ。

優愛には申し訳ないが島で唯一のプロゲーマーと言われているこの僕には勝てない。
勝てるわけないのだ。

外で遊ばせてもプロ 
ゲームをさせてもプロなのだ。
負けるわけがない。

「いいよ~」と涼しい顔で言う僕。

テレビゲームを付け2人用の格闘ゲームをする。

結果は…………………負けた。

最初は手加減したらいいだろうと思ってやっていたが優愛のコントロール捌きに焦りを見せあれよあれよと3カウント取られ完敗した。

正直泣きそうだった。

所詮島だけのプロゲーマーだった。上には上がいたのだ。

「あ、ごめん優斗(笑)」
「勝っちゃった(笑)」 
「あれ?泣いてる?」

気づいたら僕は涙目になっていた。

「ごめんごめん!!泣くなよ~!男だろう?」
と男前な言葉を僕にかける優愛。

「もっかいやろ!」

リベンジするもまた負けた…。

「も~だめ!勝てんもん!」とコントローラーを置く。

「強くなって出直してきな。」そう言い僕にドヤ顔をする。

白熱したバトルが終わった後はお昼番組を付けたまま2人、部屋でくつろいでいた。

よくよく考えると自分の部屋に女の子を入れたのはこれが初めてだった。

ゲームをしていた時は気にはならなかったがゲームをやめ2人きりというこの現場を理解した時には既に緊張してきていた。

僕は自分のベッドに座り優愛は床に座ってテーブルの前でお菓子を食べながらテレビを見ている。

その姿を僕は必然的にも後ろから眺めていた。

「なぁに?」気づくと優愛が僕の方を振り返っていた。

僕は目を逸らし
「ううん、なんも~」

優愛の方を見ていた何か口が裂けても言えない。

「ふ~ん」

「眠くなってきたんやけど横になっていい?」

現在お昼の3時前

「い、いいけど…ここで寝るん?」

「そうやけど、床硬いし…優斗のベッドで寝ていい?別に私気にならんし」

「え??」僕は気になる事しかない。

思春期の僕だ。もう来年には中学生になるのだ。

「まあ~優斗が嫌って言っても寝るけどねえ~」
と言いながら僕が座っているベッドに優愛が上がってきた。

狭い部屋に2人 ベッドに座る僕と優愛。

「横になりたいけん、優斗下降りるか寝るかどっちかにして」と言われた。

僕のベッドの筈なのに。

どうしたらいいかわからず「僕も寝る。」と言いながら1人用のベッドを2人が寝る事となった。

当然の事だが中2の女の子と小6の男の子が寝たら狭い。

そして普通に近い。僕は困惑してきた。
気がつくと女の子のいい匂いがしてくる。

優愛は左を向いてスースーと寝息を立てており僕は右を向いて寝ていたが自分の心臓がドクドクと脈打つのが聞こえてくる。

もしかしたらこの心音が優愛にも聞こえているんではないかと心配になりどうしたらいいかわからずベッドから降りようとした。

すると僕の肩を優しく掴んできた。

優愛だ。

「まだ寝れんの?ふぁぁ~私今寝てたわ。」

「優斗いるの?こっちきて」

寝ぼけているのだろうか。

優愛は両手を広げ僕を誘う。もうどうにかなりそうだった。

心臓が爆発しそうなくらい自らの鼓動がきこえる聞こえる。

「きて。」

優愛はこの時何を思ってたのだろうか。
ただ寝ぼけていた?

ただ寂しかった?

この時の僕には到底分からなかった。分からなくても良いのかなとも思った。

「うん」

僕は声にもならないくらいに小さくそう言った。

そして僕は優愛に包まれそのまま眠った。
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感想 2

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みんなの感想(2件)

mock
2021.09.03 mock

続きが気になります(^^)
お気に入りに登録させていただきますね。
良かったら私の作品も読んで頂けたら嬉しいです。
宜しくお願いします

2021.09.03 古川ゆう

読んで頂きありがとうございます!
是非読まさせて頂きます。
こちらこそお願いします。

解除
スパークノークス

おもしろい!
お気に入りに登録しました~

2021.09.03 古川ゆう

ほんとですか!!
ありがとうございます🙇‍♂️
初めて書くので最後まで温かい目で見て頂けたら幸いです!

解除

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