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始まりのティータイム
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ある時、僕は気付いた。
「彼等、友達は僕の事を見ていないのでは?」と。
ある時僕は僕の話をしてみた。
絵本の読み聞かせの様にゆっくりと不思議な日常を。
それを聞いて彼等は笑顔をこぼした。
しかし、それを見た僕はその反対の顔をした。
僕は、気付いたからだ。
僕を知ったからではなく、その話だけのために笑顔をこぼした事を。
まるでその話が僕と彼等を遮る壁でさえ感じ出した。
僕は必死に叫んだ。…届かない。
泣いても、手を伸ばしても届かない。
しかし、どこか違和感を覚えた。
この感じは忘れられないほど感じた事がある事を。
そんな日々は今日も誰かの手によって開かれ始まる…
寒い冬の中、雪の積もった看板には“キャロット”と大きく書いていて、横のニンジンの絵の中には“紅茶のカフェ”と描かれていた。
その中のレトロな雰囲気を漂わせた木の店のぐるぐるとした階段を登って、一番奥の部屋。
その白と青で統一された綺麗に片付いた部屋の中の白いベッドの中で中でうずくまって寝ているのは、初めの文の夢を見てうなされながら寝返りを打つ。
ジリリリリリ…ガチャ!
「んん~、また変な夢を見たな。」
ゆっくりと上半身を起こした彼は大きく伸びをして、綺麗なサファイアの様な瞳を開け、白い髪はその瞳とは正反対の様に横に跳ねまくっている。
彼は大きく伸びをして布団から出て、一直線でキッチンへと向かう。
着いたらすぐにお湯を沸かし、高級感漂う入れ物に入った紅茶の茶葉とティーポットと紅茶に合いそうなティーカップを出し、慣れた手付きでささっと作り上げ、ベランダのテーブルまで運び、テーブルと同じ木で出来た椅子に座り紅茶の香りを楽しむ様にティーカップを持って、少し口に流し込む。
これは、紅茶が大好き…、いや、紅茶オタクの彼、Lumpen、これはルンペンと読む彼の日常である。
しかし、彼はドイツ人ではない。
かといって、何人なのかも、人かもわからない。
彼にかかれば面倒くさいことなので考える時間があるなら紅茶を飲むほうがいいとかと流すのであろう。
ここに来て、彼は21年を過ごしている。
しかし、誰かの腹から出たとか大きくなったとかはない。
だから、人間ではないと彼は考えた。
この世界の人間ではない人ばかりになってしまっているが、ここに来た日が彼達の誕生日になっている。
まっ、そんなことを言い出したら止まらないし、簡単に言うと、あとは人間のこの読者君たちの世界とあまり変わらない。
「起きたのなら、早くそこへ座れ、ルチャー。」
「はーい!」
そういや、さっきまでしゃべっていたのは、僕、ルチャー!
えっ、ルンペンみたいにドイツ語で無いのか?って?
気にしなーい気にしなーい!
あっ、あとはルンペンが僕の兄で、この下の兄さんのカフェを手伝ってるよ~!
あとあと~、見た目はチェシャ猫に似てるってよく言われるんだけど、詳しいことはあとで皆集まるからその時にするけど、見た目は紫から毛先にかけてピンクのグラデーションのかかったウェーブのかかった背中の真ん中までの髪を後ろで束ねてて、前髪は左で目と同じ色の金色のピンでばってんにして止めてるよ~。
よろしくね~!
あー、これから目が覚めてきたからゆるゆる行くよ~!
僕は兄さんの前の椅子に腰掛けて、注いでもらった紅茶に手をかけ、匂いを香る。
「わー、今日はハーブティーなんだね~。」
「ルチャーが朝にちゃんと起きてこないだけで毎日朝はハーブティーだ!」
「えー、そうなのー?」
僕が笑顔で兄さんに尋ねると、とても幸せそうだった顔が、呆れた顔になり、1つため息をこぼした。
そんなこんなで、僕には楽しく、兄さんにはストレスが少しずつ溜まるこの日常を今日も朝のティータイムが終わると共に始まりを迎えようとしていた。
「彼等、友達は僕の事を見ていないのでは?」と。
ある時僕は僕の話をしてみた。
絵本の読み聞かせの様にゆっくりと不思議な日常を。
それを聞いて彼等は笑顔をこぼした。
しかし、それを見た僕はその反対の顔をした。
僕は、気付いたからだ。
僕を知ったからではなく、その話だけのために笑顔をこぼした事を。
まるでその話が僕と彼等を遮る壁でさえ感じ出した。
僕は必死に叫んだ。…届かない。
泣いても、手を伸ばしても届かない。
しかし、どこか違和感を覚えた。
この感じは忘れられないほど感じた事がある事を。
そんな日々は今日も誰かの手によって開かれ始まる…
寒い冬の中、雪の積もった看板には“キャロット”と大きく書いていて、横のニンジンの絵の中には“紅茶のカフェ”と描かれていた。
その中のレトロな雰囲気を漂わせた木の店のぐるぐるとした階段を登って、一番奥の部屋。
その白と青で統一された綺麗に片付いた部屋の中の白いベッドの中で中でうずくまって寝ているのは、初めの文の夢を見てうなされながら寝返りを打つ。
ジリリリリリ…ガチャ!
「んん~、また変な夢を見たな。」
ゆっくりと上半身を起こした彼は大きく伸びをして、綺麗なサファイアの様な瞳を開け、白い髪はその瞳とは正反対の様に横に跳ねまくっている。
彼は大きく伸びをして布団から出て、一直線でキッチンへと向かう。
着いたらすぐにお湯を沸かし、高級感漂う入れ物に入った紅茶の茶葉とティーポットと紅茶に合いそうなティーカップを出し、慣れた手付きでささっと作り上げ、ベランダのテーブルまで運び、テーブルと同じ木で出来た椅子に座り紅茶の香りを楽しむ様にティーカップを持って、少し口に流し込む。
これは、紅茶が大好き…、いや、紅茶オタクの彼、Lumpen、これはルンペンと読む彼の日常である。
しかし、彼はドイツ人ではない。
かといって、何人なのかも、人かもわからない。
彼にかかれば面倒くさいことなので考える時間があるなら紅茶を飲むほうがいいとかと流すのであろう。
ここに来て、彼は21年を過ごしている。
しかし、誰かの腹から出たとか大きくなったとかはない。
だから、人間ではないと彼は考えた。
この世界の人間ではない人ばかりになってしまっているが、ここに来た日が彼達の誕生日になっている。
まっ、そんなことを言い出したら止まらないし、簡単に言うと、あとは人間のこの読者君たちの世界とあまり変わらない。
「起きたのなら、早くそこへ座れ、ルチャー。」
「はーい!」
そういや、さっきまでしゃべっていたのは、僕、ルチャー!
えっ、ルンペンみたいにドイツ語で無いのか?って?
気にしなーい気にしなーい!
あっ、あとはルンペンが僕の兄で、この下の兄さんのカフェを手伝ってるよ~!
あとあと~、見た目はチェシャ猫に似てるってよく言われるんだけど、詳しいことはあとで皆集まるからその時にするけど、見た目は紫から毛先にかけてピンクのグラデーションのかかったウェーブのかかった背中の真ん中までの髪を後ろで束ねてて、前髪は左で目と同じ色の金色のピンでばってんにして止めてるよ~。
よろしくね~!
あー、これから目が覚めてきたからゆるゆる行くよ~!
僕は兄さんの前の椅子に腰掛けて、注いでもらった紅茶に手をかけ、匂いを香る。
「わー、今日はハーブティーなんだね~。」
「ルチャーが朝にちゃんと起きてこないだけで毎日朝はハーブティーだ!」
「えー、そうなのー?」
僕が笑顔で兄さんに尋ねると、とても幸せそうだった顔が、呆れた顔になり、1つため息をこぼした。
そんなこんなで、僕には楽しく、兄さんにはストレスが少しずつ溜まるこの日常を今日も朝のティータイムが終わると共に始まりを迎えようとしていた。
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