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序章
翼の男
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中学三年の夏、今年最初の台風が日本に直撃していた。
朝までは晴れていたので雨具を何一つ用意していなかった俺は雨に濡れながら妹の美火のいるアパートに向かっていた。
親が離婚した時にどちらも引き取って貰えなかった兄妹を見かねて祖母から貰えた仕送りを頼りに2人で生活してきた。
家事全般は俺がやるものの体育祭の練習で遅れている俺に変わり慣れない家事をしているのかもしれない。
怪我していないか心配になり走って向かう事にした。
アパートの前まで着いたが、とても奇妙だ。
『………………静かすぎる。』
部屋の奥から音が全く聞こえてこない。
家事をしていないにしても壁の薄いボロアパートでは壁越しに音が聞こえてくるはず。
嫌な予感がしてきた。
『美火ー?』
恐る恐る扉を開けてみると、いつもの部屋だ。
いつもの家具にいつもの臭い。だがその臭いはかすかに違う。
奥に進むと美火がいた。目は開けておらず、壁にもたれながら座り。
胸に1メートルほどの棒が突き刺さり、床を塗りつぶすように血が広がっていた。
『…………!?』
その棒を掴み立っている人物が1人いた。
俺よりも少し大きく高校生ぐらいの体格で背中に翼を生やした男だった。
翼の男は美火から棒を引き抜くと窓を破りベランダに出ていた。
『おい……待てよお前ッ!!!』
我に帰ったように叫び出した俺の声を聞こえなかったかのように翼の男は雷鳴と共に飛び去って行った。
俺がベランダまで走った頃にはもう見えない距離まで飛び去っていた。
『美火は………』
慌てて振り向き美火を抱きかかえる。
冷たい………美火の体は驚くほど冷たく生きた人間の体温ではなかった。
『美火…?美火ッ!!!』
翼の男が飛び去った時には台風は過ぎ、俺の叫び声だけがこのアパートには響いた。
朝までは晴れていたので雨具を何一つ用意していなかった俺は雨に濡れながら妹の美火のいるアパートに向かっていた。
親が離婚した時にどちらも引き取って貰えなかった兄妹を見かねて祖母から貰えた仕送りを頼りに2人で生活してきた。
家事全般は俺がやるものの体育祭の練習で遅れている俺に変わり慣れない家事をしているのかもしれない。
怪我していないか心配になり走って向かう事にした。
アパートの前まで着いたが、とても奇妙だ。
『………………静かすぎる。』
部屋の奥から音が全く聞こえてこない。
家事をしていないにしても壁の薄いボロアパートでは壁越しに音が聞こえてくるはず。
嫌な予感がしてきた。
『美火ー?』
恐る恐る扉を開けてみると、いつもの部屋だ。
いつもの家具にいつもの臭い。だがその臭いはかすかに違う。
奥に進むと美火がいた。目は開けておらず、壁にもたれながら座り。
胸に1メートルほどの棒が突き刺さり、床を塗りつぶすように血が広がっていた。
『…………!?』
その棒を掴み立っている人物が1人いた。
俺よりも少し大きく高校生ぐらいの体格で背中に翼を生やした男だった。
翼の男は美火から棒を引き抜くと窓を破りベランダに出ていた。
『おい……待てよお前ッ!!!』
我に帰ったように叫び出した俺の声を聞こえなかったかのように翼の男は雷鳴と共に飛び去って行った。
俺がベランダまで走った頃にはもう見えない距離まで飛び去っていた。
『美火は………』
慌てて振り向き美火を抱きかかえる。
冷たい………美火の体は驚くほど冷たく生きた人間の体温ではなかった。
『美火…?美火ッ!!!』
翼の男が飛び去った時には台風は過ぎ、俺の叫び声だけがこのアパートには響いた。
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