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第31話 崩壊 アライブグランプリ
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第31話 崩壊 アライブグランプリ
グウェンは戻って現場を確認する。
「皆様、アライブグランプリはこれにて終焉とさせていただきます。」
「おいちょっと待て!誰だ君は!」
グウェンは必死に止めようとする。
「僕はこの大会の主催者だ!君にそれを止める権利は……!」
「止める?違うね……終焉、終わらせるの間違いだろう?。」
「は……?」
「それに君、我々の組織『素晴らしき終焉世界』の一員のはずだ?まさか肉体と共に……記憶まで落ちたのかぁなぁ?」
「……素晴らしき……終焉世界……はっ」
グウェンはかつて所属していた……いや今も所属しているこの悪質な宗教らしき組織について思い出した。
「ダメだ……思い出しては……あの時と……」
「何も君から入ろうとしたんだ。この世界を変えるために。君が……入ったんだよ……」
「嘘だ……嘘だ……!」
グウェンは精神が崩壊へと入りそうになった。
「さぁ喚け……それがお前の『終焉』……。」
グウェンの過去の記憶。
「……。」
姉を殺されたグウェンは周りを睨み、何かを聞かれても否定から始まるようになった。
「ねぇグウェンちゃん、何か買っていかない?」
「いや僕はいらない……」
「よぉグウェン、お前これとか似合うんじゃないか?」
「いや、そんなの僕には似合わないね。」
周りの声はいつしか聞かなくなった。
いや、誰も声をかけなくなった。
そんな時だった。彼が現れたのは。
「やぁやぁやぁやぁ……珍しいではないか。子供が一人……。」
ある大雨の日、外に出ていつも通りダンボールを敷いて寝ていた時の話。
この男は話しかけてきた。
「なんだい?君……僕に話しかけるなんて。」
「私はここを観光で訪れたつもりなんだが……君みたいな子を見るとついつい仕事にしちゃうのさ。」
「いや……そんなの仕事じゃないだろう。強者の余裕とかじゃないのかい?」
「いかにも終焉を迎えそうだね。昔の私もそんな感じだったよ。……だからこそ私は君を救いたい。」
「いやそんなの嘘だね。」
「嘘なら……そう思っていたらいいさ。僕が君を助けたいってのは……君の予想と違って本当だよ。」
彼は優しい声でそう言った。
そんな彼に興味を持ってグウェンは組織に入った。
「なんで組織に入ろうと?」
「分からない……けど、入ってみたいって思った。」
「同士が増えて嬉しいよ」
グウェンはこうして彼の仲間へとなることにした。
一方、その頃……一の方は。
「なぁ……どうするつもりなんだよ。」
「増井……いや、増井さん。」
「なんか逆に気持ち悪いなその言い方。」
「はは……けど未来の俺が原因ならそれは俺のせいなんだ、こんな時代を作ってしまったのは。」
「けど……相手は未来のお前だ。勝てる可能性はひとつもねえ。それどころか今のお前が経験することであいつ側からしたら有利になるようなもんだ。」
「……」
「気持ちだけでありがてぇ……やめとけ。」
「じゃあ増井……さんならどうする?」
「俺か?……今のお前と同じ立場ならお前と同じようになってるかもしれねえが……少なからず頭で考えて……諦めて……最悪、この若いタイミングで自害する。」
「……」
「あーやるなよ?今はこんなんだが仮にもおめぇは俺のダチなんだ。俺のせいで死んだらそれこそ終わりだし過去の俺がそれこそ俺を殴りに行くだろう。……やめておけ。」
「……そうか。」
増井はタバコを吸い始める。
「策はあるのか?仮にあっても……相手が絶対に読めない策にした方がいいが。」
「……なら、ひとつ思いついた。」
「……ほう?」
「……ちょっとこの時代に銃はあるかな?」
一は何かを企んでいる。
「跳ね返る的も。」
「僕はあの頃に戻りたいな……。」
同刻、グウェンは過去を思い出しながら、一人余韻に浸っていた。
「おいおい……過去に浸る余裕があるのかい?それに君に残された選択肢は二つだ……この場で倒されて己の終焉を迎えるか……」
「……いやだ」
「それともこの場でアライブグランプリを終わらせるか……」
「……いやだ」
「選べよ、お前にはこの二択しか求められてねえ……」
「なんで……君は……僕の企画を……終わらせたいんだい?」
声がかすれ始めるグウェンに男は脅しをかけつつ、出された疑問に対してこう答えた。
「元々は俺の利益だ……それをあたかも自分の物のように扱い自分が主役であるかのような顔をしてスポンサーをつけて挙句の果てぼろ儲け……俺への利益はせめて30%くらい入れる約束だよなぁ!?なぁ!?」
「そうか……」
グウェンは涙を流しながら、こういった。
「アライブグランプリ……終焉。」
参加者達は元の世界へと戻り始めた。
「……未来の俺への決着は運でつけさせて貰う。」
その頃、未来の一を相手に倒そうと奮闘した一は銃を突きつける。
「なるほど……的を使って跳ね返らせて、攻撃を当てるという魂胆だろうが、無意味だ。」
「何!?」
「……君は私を倒せない。なぜならお互いが勝者であるからだ。」
「な、何を言って……」
大きく地面が揺れて、一の周りは光に包まれた。
「……過去の自分に、消える前にひとつ言っておこう。」
「な、なんだ……」
「戦うだけがお前のやり方ではない。その剣を振るわなくていい時がきっとあるはずだ……。」
光の中、そのアドバイスだけを聞いてゆっくりと初めは戻ってきた。
「これにて物語は終わりだ……」
グウェンは戻ってきた人達にそう言った。
「お忙しいところ……付き合ってくれてありがとう。もうプレイヤーとしても一般人としても……彼と会うことも何も無い。自由に過ごさせてもらって構わない……。」
男はそれに便乗してそう言い、グウェンにとどめを刺そうとする。
「もし君達に見届ける程の度胸があるなら是非見てくれ」
「……なよ。」
「ん?なんだいそこのプレイヤー。」
一は怒りをみせた。
「ふざけんなよ……って言ったんだよ。せっかく頭脳戦の戦いがやれると思っていまウキウキしてたのに唐突にグウェンを殺してアライブグランプリそのものを無いものに?作者は何を考えてるんだ?」
「……君も終焉を迎えるか?」
「終焉はお前行きだ」
雷の一撃が大きく男の首目掛けて飛んだ。
「おいおい……こんなすぐに俺が退場ってあるのかよ。もっと強者感のあるキャラになると思ったのに。作者……は…何を……考え……ているん……だ……」
そう言うと、グウェンの隣で男は息絶えた。
それから数分後。
「なぁグウェン……今の結果を見てどう思った?」
ゆっくりとグウェンに近づいたのはかつての部下、J。
「今までの2,000回の大会は終わって、選手もみんな、君を詐欺師だと思って去った。だが、君の上司だった人は死んで君は開放された……でも君は笑顔じゃない。」
「……。」
「シナリオでは違う誰かが死んだり、何か違う物語の可能性も存在したかもしれない……ねぇ、ここでひとつ聞きたいのだけれど……この大会って誰が最終的に喜んだ?」
「……」
「沈黙を続けるのであればそれでも構わない。だが君みたいなガキの遊びのために色んな人が亡くなって……色んな人が戦いあって……最悪だね。」
「いや……なんでもない。」
「いい加減その否定から入るのはやめた方がいい。自分の命を散らそうとしてまで何がしたかったのか知らないが、僕からしたら君は命を弄ぶガキだ。」
「……」
「安心してくれ、プレイヤーの方々にはお詫びの品を渡した。一人だけ、粼一だけ貰ってないから君から渡しておいてくれないか?君からのを希望と言っててね。」
「……はは、やっぱり僕は彼が怖いや。」
つづく
グウェンは戻って現場を確認する。
「皆様、アライブグランプリはこれにて終焉とさせていただきます。」
「おいちょっと待て!誰だ君は!」
グウェンは必死に止めようとする。
「僕はこの大会の主催者だ!君にそれを止める権利は……!」
「止める?違うね……終焉、終わらせるの間違いだろう?。」
「は……?」
「それに君、我々の組織『素晴らしき終焉世界』の一員のはずだ?まさか肉体と共に……記憶まで落ちたのかぁなぁ?」
「……素晴らしき……終焉世界……はっ」
グウェンはかつて所属していた……いや今も所属しているこの悪質な宗教らしき組織について思い出した。
「ダメだ……思い出しては……あの時と……」
「何も君から入ろうとしたんだ。この世界を変えるために。君が……入ったんだよ……」
「嘘だ……嘘だ……!」
グウェンは精神が崩壊へと入りそうになった。
「さぁ喚け……それがお前の『終焉』……。」
グウェンの過去の記憶。
「……。」
姉を殺されたグウェンは周りを睨み、何かを聞かれても否定から始まるようになった。
「ねぇグウェンちゃん、何か買っていかない?」
「いや僕はいらない……」
「よぉグウェン、お前これとか似合うんじゃないか?」
「いや、そんなの僕には似合わないね。」
周りの声はいつしか聞かなくなった。
いや、誰も声をかけなくなった。
そんな時だった。彼が現れたのは。
「やぁやぁやぁやぁ……珍しいではないか。子供が一人……。」
ある大雨の日、外に出ていつも通りダンボールを敷いて寝ていた時の話。
この男は話しかけてきた。
「なんだい?君……僕に話しかけるなんて。」
「私はここを観光で訪れたつもりなんだが……君みたいな子を見るとついつい仕事にしちゃうのさ。」
「いや……そんなの仕事じゃないだろう。強者の余裕とかじゃないのかい?」
「いかにも終焉を迎えそうだね。昔の私もそんな感じだったよ。……だからこそ私は君を救いたい。」
「いやそんなの嘘だね。」
「嘘なら……そう思っていたらいいさ。僕が君を助けたいってのは……君の予想と違って本当だよ。」
彼は優しい声でそう言った。
そんな彼に興味を持ってグウェンは組織に入った。
「なんで組織に入ろうと?」
「分からない……けど、入ってみたいって思った。」
「同士が増えて嬉しいよ」
グウェンはこうして彼の仲間へとなることにした。
一方、その頃……一の方は。
「なぁ……どうするつもりなんだよ。」
「増井……いや、増井さん。」
「なんか逆に気持ち悪いなその言い方。」
「はは……けど未来の俺が原因ならそれは俺のせいなんだ、こんな時代を作ってしまったのは。」
「けど……相手は未来のお前だ。勝てる可能性はひとつもねえ。それどころか今のお前が経験することであいつ側からしたら有利になるようなもんだ。」
「……」
「気持ちだけでありがてぇ……やめとけ。」
「じゃあ増井……さんならどうする?」
「俺か?……今のお前と同じ立場ならお前と同じようになってるかもしれねえが……少なからず頭で考えて……諦めて……最悪、この若いタイミングで自害する。」
「……」
「あーやるなよ?今はこんなんだが仮にもおめぇは俺のダチなんだ。俺のせいで死んだらそれこそ終わりだし過去の俺がそれこそ俺を殴りに行くだろう。……やめておけ。」
「……そうか。」
増井はタバコを吸い始める。
「策はあるのか?仮にあっても……相手が絶対に読めない策にした方がいいが。」
「……なら、ひとつ思いついた。」
「……ほう?」
「……ちょっとこの時代に銃はあるかな?」
一は何かを企んでいる。
「跳ね返る的も。」
「僕はあの頃に戻りたいな……。」
同刻、グウェンは過去を思い出しながら、一人余韻に浸っていた。
「おいおい……過去に浸る余裕があるのかい?それに君に残された選択肢は二つだ……この場で倒されて己の終焉を迎えるか……」
「……いやだ」
「それともこの場でアライブグランプリを終わらせるか……」
「……いやだ」
「選べよ、お前にはこの二択しか求められてねえ……」
「なんで……君は……僕の企画を……終わらせたいんだい?」
声がかすれ始めるグウェンに男は脅しをかけつつ、出された疑問に対してこう答えた。
「元々は俺の利益だ……それをあたかも自分の物のように扱い自分が主役であるかのような顔をしてスポンサーをつけて挙句の果てぼろ儲け……俺への利益はせめて30%くらい入れる約束だよなぁ!?なぁ!?」
「そうか……」
グウェンは涙を流しながら、こういった。
「アライブグランプリ……終焉。」
参加者達は元の世界へと戻り始めた。
「……未来の俺への決着は運でつけさせて貰う。」
その頃、未来の一を相手に倒そうと奮闘した一は銃を突きつける。
「なるほど……的を使って跳ね返らせて、攻撃を当てるという魂胆だろうが、無意味だ。」
「何!?」
「……君は私を倒せない。なぜならお互いが勝者であるからだ。」
「な、何を言って……」
大きく地面が揺れて、一の周りは光に包まれた。
「……過去の自分に、消える前にひとつ言っておこう。」
「な、なんだ……」
「戦うだけがお前のやり方ではない。その剣を振るわなくていい時がきっとあるはずだ……。」
光の中、そのアドバイスだけを聞いてゆっくりと初めは戻ってきた。
「これにて物語は終わりだ……」
グウェンは戻ってきた人達にそう言った。
「お忙しいところ……付き合ってくれてありがとう。もうプレイヤーとしても一般人としても……彼と会うことも何も無い。自由に過ごさせてもらって構わない……。」
男はそれに便乗してそう言い、グウェンにとどめを刺そうとする。
「もし君達に見届ける程の度胸があるなら是非見てくれ」
「……なよ。」
「ん?なんだいそこのプレイヤー。」
一は怒りをみせた。
「ふざけんなよ……って言ったんだよ。せっかく頭脳戦の戦いがやれると思っていまウキウキしてたのに唐突にグウェンを殺してアライブグランプリそのものを無いものに?作者は何を考えてるんだ?」
「……君も終焉を迎えるか?」
「終焉はお前行きだ」
雷の一撃が大きく男の首目掛けて飛んだ。
「おいおい……こんなすぐに俺が退場ってあるのかよ。もっと強者感のあるキャラになると思ったのに。作者……は…何を……考え……ているん……だ……」
そう言うと、グウェンの隣で男は息絶えた。
それから数分後。
「なぁグウェン……今の結果を見てどう思った?」
ゆっくりとグウェンに近づいたのはかつての部下、J。
「今までの2,000回の大会は終わって、選手もみんな、君を詐欺師だと思って去った。だが、君の上司だった人は死んで君は開放された……でも君は笑顔じゃない。」
「……。」
「シナリオでは違う誰かが死んだり、何か違う物語の可能性も存在したかもしれない……ねぇ、ここでひとつ聞きたいのだけれど……この大会って誰が最終的に喜んだ?」
「……」
「沈黙を続けるのであればそれでも構わない。だが君みたいなガキの遊びのために色んな人が亡くなって……色んな人が戦いあって……最悪だね。」
「いや……なんでもない。」
「いい加減その否定から入るのはやめた方がいい。自分の命を散らそうとしてまで何がしたかったのか知らないが、僕からしたら君は命を弄ぶガキだ。」
「……」
「安心してくれ、プレイヤーの方々にはお詫びの品を渡した。一人だけ、粼一だけ貰ってないから君から渡しておいてくれないか?君からのを希望と言っててね。」
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