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第12話 正義のvirus
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第12話 正義のvirus
特殊なタイプの病気ですとしか僕は言われなかったが、それがなにかなんて全く分からない。それどころかわかる気配もない。
『集中能力症』
医者からそう言われて、聞いた事のない病に困惑した。
病院にて。
「医学的には集中能力症と言ってね……特殊な人間だよね。まさに漫画だとかアニメでよくあるいわゆる超能力者ってやつだよね。」
「……なんかかっこいい。」
「確かに君みたいな子でそういう子はよく言うよ……治療法はあるけど、少なからず私は使いたくないんだ。」
「どうしてですか?」
「二年にわたる治療だったりリハビリもあるし……そもそも能力を治そうと思ったって、その途中経過でものを破壊されたら溜まったものじゃない。」
そう言うと営野先生はある少年を指さす。
「あの子なんだけど……手から炎を出すタイプでね。治療の途中で三回うちのカーテン燃やされたよ。もう散々だ。」
「は、はぁ……」
「あの子の発動条件はぼーっとしてる時……何も忙しくない何もすることがない無の時……そこで炎を発動する。」
「……はぁ。」
「まぁ君の場合は大丈夫か……何かを守ろうとするそん時だけ発動するからね……まさに力を間違えなければ正義のヒーローそのものになれるね。」
そんな台詞を聞いてふとはんねの台詞を思い出した。
「ヒーロー……か。」
「まぁ気にしなくていいさ。あぁそれと……あの子たちであれ誰であれあまり病気と公表するのはおすすめ出来ないな。」
「えぇっと……困惑したりするからですか?」
「それもあるけど……世間的にこの病は特殊すぎてね……発症した人こそ多いが、この病院であれ政府が認めた特別な病院じゃないと判断が出来ないんだ。」
「……別に隠さなくてもいいような。」
「わたしもそう思うが……大人というのは最もいい考えであると共に最もずるい考えをする生き物なんだよ。」
「……はぁ。」
どの大人も確かにずるい。あゆみからしたら俺もそうか。
「少し長話になったね。まぁでも……そういうことって認識はしといてね。」
などと言われた。正直スッキリしない。
そして今に至る。
探偵業もバーの方もジャックやジェイソンが来る前のように順調に進んでいるが、事件の方は少しヒントに近づけたくらいだろうか。
強いて言うなら本格的に警察である恵子が仲間になったのが強みだろう。
それに……もう誘拐されないように僕もあいつとはちゃんと向き合わないとな。
「何考えてんのお兄ちゃん。」
「い、いや……なんでもないよあゆみ。」
「また隠し事しようとしてない?」
正確に言えばそうなんだけど……そうじゃない。
「いや……うん、ちょっとした仕事について考えてただけだから気にしないで。」
「ふーん……」
さすがにまずいかな。せめて唯一の肉親である妹には伝えたいような気もするが……こいつの事だから周りに『お兄ちゃん超能力者だよー』とか言いかねん。
「な、なぁあゆみ……」
「ん?」
「超能力って信じるか?」
「え、何言ってんのちょっとお兄ちゃん厨二病は中学生で卒業しないとダメだよ。」
泣きたくなった。
はんねやノアさんに伝えるのもアリかもしれないが、報道するねとかそうか……みたいな対応しか起きないような気もした。それどころか誰にも言っちゃいけないのはそういうことですよねぇ。
とりあえず仕事をすることにした。
でも気になる。気になりすぎて夜しか眠れなくなりそう。
「先生!こうなったら誰かには言いま」
「ダメです。」
「あぁ!!!!!」
思わず病院のデスクを蹴った。
「そもそも……言ってなんになるんだい。気持ちはわかるよ。言いたくなるもんね。でもさぁ……知らない方がいいんだよ彼女たちにとっては。」
「そういうもんですか?」
「なんとなくってのを正当化したらあれだけど……何も解明されてない病気を簡単に言うのはやめてほしいんだ。」
「……は、はぁ。」
「それに……これを受け取ってくれ。」
「これは……?」
「とある研究者の情報をコピーしたものだ。」
葉加瀬実という人物が描いた資料を渡された。
「研究対象者は……たしか又木アンナだったかな。数年前の研究書類でそういう感じだったような気も。」
「ちょ……ちょっと待ってください!又木アンナ!?」
「うん……確かにそう言ったけど……」
又木アンナ……もしかしたら事件に繋がる手がかりかもしれない。
「この資料……なにかに使えるかもしれない。」
僕は思わず全力で走り出した。
「おい!君……!全く……好奇心だけは僕に負けないね。」
走り出す彼の影を見ながら微笑む営野。
事務所に戻って資料に付け足しながら確認する。
だが分かるのは又木アンナ……彼女自身の過去だ。
「……」
だが、アンナという殺し屋を研究できる彼が何者かなんて謎が多すぎるくらいだ。
それに情報がないからこそ、今やるべき事は探すくらいに目標がない。これじゃあステージばっかクリアしてストーリーが中々進まないゲームそのものではないか。
そんななか、一通メールが来る。
『よぉ、久々に飲み行かねえか?』
友達からの誘いだ。
「「かんぱーい!」」
居酒屋で俺らは会うが、こいつは月3ペースで合ってるからこそ久しぶりもクソもない。
彼の名は平 逸郎。恵子と同じ警察ではあるがあいつが警察官としての模範として見るならこいつはただの変態である。なんでなれたんだ。
「それにしてもさぁ見てよ……俺の恵子さんコレクション。」
「うわっ……」
そこには恵子の写真がずらりと並んである。
「こういう時のためにさ小道具ってあるよね。」
「お前本当になんで警察なれたの?」
そして流れはいつも通りになってく……。
「妹さんを僕にください!」
「やらねえよ。」
流れその一、妹をくださいと要求。
「そういやさ、学生時代にあの子の太ももがさ……」
「お前マジでなんで警察になれたの?」
流れその二、あの頃の話。
「そういやさ、この間の囚人のお姉ちゃんがさぁ……」
「お前……まさか……」
流れその三、囚人の皆さん。
「俺さぁ……ちっちゃい頃からイジメとかされてたからその分、同じ巻き込まれてる人たちを助けたくてさぁ……」
「ここだけは立派なんだよなぁ……」
流れその四、自分が警察になった理由。ここははっきり言って賢者の刻だと勝手に名付けて思ってる。
「そういやさぁお前の好きなタイプの女がさぁ……」
「え、まじ!?」
流れその五、僕の好みの女情報。正直かなり嬉しい。
これを5周したくらいで酒が回り、僕のターンになる。
「妹がさぁ……」
「おん、おう……」
ターンその一、身内の愚痴。
「そういえばさ……お前ってさあの子知ってる?」
「あーあいつ?」
ターンその二、最近知った学生時代の知り合いの話。
「それでさ、これがさ、それでー」
「お、おう……」
ターンその三、仕事の愚痴。
そんなこんなで俺らの場は盛り上がる。
が途中から記憶は段々となくなって……。
「おい!……おい酒臭お兄!」
「……なんだよ」
「なんだよじゃないよ……ったく、いつも平さんと帰ってくるとこうなんだから。」
「すまんすまん……」
ゆっくりと目覚め、毎度こうなるため申し訳ない。
「さてと……」
「ん?大丈夫なの?そんなすぐに立ち上がって。」
「大丈夫だって……それにそんなすぐにはやられないから……ほら、明日の学校の準備とかでもしてお兄ちゃんの事は心配せず……」
「本当に大丈夫なの?」
「気にするなよ……だって」
俺はホワイトボードを勢いつけてガラリと変える。
「事件のことだからね。」
こうして僕はまた新しくまとめる。
つづく
特殊なタイプの病気ですとしか僕は言われなかったが、それがなにかなんて全く分からない。それどころかわかる気配もない。
『集中能力症』
医者からそう言われて、聞いた事のない病に困惑した。
病院にて。
「医学的には集中能力症と言ってね……特殊な人間だよね。まさに漫画だとかアニメでよくあるいわゆる超能力者ってやつだよね。」
「……なんかかっこいい。」
「確かに君みたいな子でそういう子はよく言うよ……治療法はあるけど、少なからず私は使いたくないんだ。」
「どうしてですか?」
「二年にわたる治療だったりリハビリもあるし……そもそも能力を治そうと思ったって、その途中経過でものを破壊されたら溜まったものじゃない。」
そう言うと営野先生はある少年を指さす。
「あの子なんだけど……手から炎を出すタイプでね。治療の途中で三回うちのカーテン燃やされたよ。もう散々だ。」
「は、はぁ……」
「あの子の発動条件はぼーっとしてる時……何も忙しくない何もすることがない無の時……そこで炎を発動する。」
「……はぁ。」
「まぁ君の場合は大丈夫か……何かを守ろうとするそん時だけ発動するからね……まさに力を間違えなければ正義のヒーローそのものになれるね。」
そんな台詞を聞いてふとはんねの台詞を思い出した。
「ヒーロー……か。」
「まぁ気にしなくていいさ。あぁそれと……あの子たちであれ誰であれあまり病気と公表するのはおすすめ出来ないな。」
「えぇっと……困惑したりするからですか?」
「それもあるけど……世間的にこの病は特殊すぎてね……発症した人こそ多いが、この病院であれ政府が認めた特別な病院じゃないと判断が出来ないんだ。」
「……別に隠さなくてもいいような。」
「わたしもそう思うが……大人というのは最もいい考えであると共に最もずるい考えをする生き物なんだよ。」
「……はぁ。」
どの大人も確かにずるい。あゆみからしたら俺もそうか。
「少し長話になったね。まぁでも……そういうことって認識はしといてね。」
などと言われた。正直スッキリしない。
そして今に至る。
探偵業もバーの方もジャックやジェイソンが来る前のように順調に進んでいるが、事件の方は少しヒントに近づけたくらいだろうか。
強いて言うなら本格的に警察である恵子が仲間になったのが強みだろう。
それに……もう誘拐されないように僕もあいつとはちゃんと向き合わないとな。
「何考えてんのお兄ちゃん。」
「い、いや……なんでもないよあゆみ。」
「また隠し事しようとしてない?」
正確に言えばそうなんだけど……そうじゃない。
「いや……うん、ちょっとした仕事について考えてただけだから気にしないで。」
「ふーん……」
さすがにまずいかな。せめて唯一の肉親である妹には伝えたいような気もするが……こいつの事だから周りに『お兄ちゃん超能力者だよー』とか言いかねん。
「な、なぁあゆみ……」
「ん?」
「超能力って信じるか?」
「え、何言ってんのちょっとお兄ちゃん厨二病は中学生で卒業しないとダメだよ。」
泣きたくなった。
はんねやノアさんに伝えるのもアリかもしれないが、報道するねとかそうか……みたいな対応しか起きないような気もした。それどころか誰にも言っちゃいけないのはそういうことですよねぇ。
とりあえず仕事をすることにした。
でも気になる。気になりすぎて夜しか眠れなくなりそう。
「先生!こうなったら誰かには言いま」
「ダメです。」
「あぁ!!!!!」
思わず病院のデスクを蹴った。
「そもそも……言ってなんになるんだい。気持ちはわかるよ。言いたくなるもんね。でもさぁ……知らない方がいいんだよ彼女たちにとっては。」
「そういうもんですか?」
「なんとなくってのを正当化したらあれだけど……何も解明されてない病気を簡単に言うのはやめてほしいんだ。」
「……は、はぁ。」
「それに……これを受け取ってくれ。」
「これは……?」
「とある研究者の情報をコピーしたものだ。」
葉加瀬実という人物が描いた資料を渡された。
「研究対象者は……たしか又木アンナだったかな。数年前の研究書類でそういう感じだったような気も。」
「ちょ……ちょっと待ってください!又木アンナ!?」
「うん……確かにそう言ったけど……」
又木アンナ……もしかしたら事件に繋がる手がかりかもしれない。
「この資料……なにかに使えるかもしれない。」
僕は思わず全力で走り出した。
「おい!君……!全く……好奇心だけは僕に負けないね。」
走り出す彼の影を見ながら微笑む営野。
事務所に戻って資料に付け足しながら確認する。
だが分かるのは又木アンナ……彼女自身の過去だ。
「……」
だが、アンナという殺し屋を研究できる彼が何者かなんて謎が多すぎるくらいだ。
それに情報がないからこそ、今やるべき事は探すくらいに目標がない。これじゃあステージばっかクリアしてストーリーが中々進まないゲームそのものではないか。
そんななか、一通メールが来る。
『よぉ、久々に飲み行かねえか?』
友達からの誘いだ。
「「かんぱーい!」」
居酒屋で俺らは会うが、こいつは月3ペースで合ってるからこそ久しぶりもクソもない。
彼の名は平 逸郎。恵子と同じ警察ではあるがあいつが警察官としての模範として見るならこいつはただの変態である。なんでなれたんだ。
「それにしてもさぁ見てよ……俺の恵子さんコレクション。」
「うわっ……」
そこには恵子の写真がずらりと並んである。
「こういう時のためにさ小道具ってあるよね。」
「お前本当になんで警察なれたの?」
そして流れはいつも通りになってく……。
「妹さんを僕にください!」
「やらねえよ。」
流れその一、妹をくださいと要求。
「そういやさ、学生時代にあの子の太ももがさ……」
「お前マジでなんで警察になれたの?」
流れその二、あの頃の話。
「そういやさ、この間の囚人のお姉ちゃんがさぁ……」
「お前……まさか……」
流れその三、囚人の皆さん。
「俺さぁ……ちっちゃい頃からイジメとかされてたからその分、同じ巻き込まれてる人たちを助けたくてさぁ……」
「ここだけは立派なんだよなぁ……」
流れその四、自分が警察になった理由。ここははっきり言って賢者の刻だと勝手に名付けて思ってる。
「そういやさぁお前の好きなタイプの女がさぁ……」
「え、まじ!?」
流れその五、僕の好みの女情報。正直かなり嬉しい。
これを5周したくらいで酒が回り、僕のターンになる。
「妹がさぁ……」
「おん、おう……」
ターンその一、身内の愚痴。
「そういえばさ……お前ってさあの子知ってる?」
「あーあいつ?」
ターンその二、最近知った学生時代の知り合いの話。
「それでさ、これがさ、それでー」
「お、おう……」
ターンその三、仕事の愚痴。
そんなこんなで俺らの場は盛り上がる。
が途中から記憶は段々となくなって……。
「おい!……おい酒臭お兄!」
「……なんだよ」
「なんだよじゃないよ……ったく、いつも平さんと帰ってくるとこうなんだから。」
「すまんすまん……」
ゆっくりと目覚め、毎度こうなるため申し訳ない。
「さてと……」
「ん?大丈夫なの?そんなすぐに立ち上がって。」
「大丈夫だって……それにそんなすぐにはやられないから……ほら、明日の学校の準備とかでもしてお兄ちゃんの事は心配せず……」
「本当に大丈夫なの?」
「気にするなよ……だって」
俺はホワイトボードを勢いつけてガラリと変える。
「事件のことだからね。」
こうして僕はまた新しくまとめる。
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