レディ・クローンズ

蟹虎 夜光

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Say goodbye to the past

第21話 最古 始まりの魔法使い

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 二人の戦士は並ぶ。一人はロボットのような見た目をした戦士、もう一人は巫女のような見た目をした戦士であり魔法少女。
「カヌーレさん、もう止めないでくれよ。」
「……分かってるよ、しっかり戦ってこい。」
 カヌーレさんは思いを受け止める、ファスタは止めれたらと後悔をする。
「私が……止めれたら……」
「……アンタらの始祖を信じな。彼女は命をかけてまでこの世界が好きなんだ、そんな彼女の背中をしっかりと見るんだよ。」
「はい……」
 泣きながらもファスタは見つめる。将軍のような見た目をした鬼そのものに挑む彼女達を。
「……ははっ、サドさんも悪い人だ。」
 しかし彼女たちを見つめるように立ち上がる男がいた。ゼブラだ。
「もうあんたは出る幕ないんだ……そうだろ?」
 後ろからセカンダに刺されたゼブラは血反吐を吐いたまま、その場で固まる。セカンダの後ろには他のクローンが共に歩いてきた。
「……んで、アイツらどうすればいい?」
 セカンダが指を指した方向には大量のゼブラがいた。
「ど、どういうこと……?」
「分からないわ……でもやる事はただ一つでしょう?」
「始末するだけよ……」
「始末します」
 ファスタの困惑に後ろの3人が対応する。
「そうね……起動!」
 戦いというのは終わらないのかもしれない。ふとそう思うようになるほど戦というのは続いていくのだ。
「……」
 そんな彼らを瀕死のゼブラはただ見ていた。
「エグい殺られ方したね……ゼブラ……だっけか。」
「何とかまだ生きてるさ……」
 カヌーレに対して笑顔でそう返すゼブラ。
「……なんだね、あれは僕のクローン?」
「恐らくね……」
「……クローンと戦おうとしたら僕のクローンが作られてた……なんてね。」
「あんたも愛されてなかったってことじゃないか……?」
「そっか……そういう事か……」
 ゼブラは倒れ、そう言った。しかし、ゼブラの倒れ方は人というよりも機械のような倒れ方だった。
「あんたもクローンかい……」
 思わずカヌーレはそう呟き、みんなを見つめる。

「オラァ!」
 センキシの拳は、兜に向けて放たれる。
「ぐおおおお!!!!!」
 将軍は苦しそうな声を出すが、それを気にしないほど無傷であると言わんばかりに余裕を見せる。
「くっ……なんだコイツは!無敵かよ!」
「……」
 小町はとある事を考えていた。

「……もう魔力なんてないんであろう?」
「君のステータスは自分で作られた魔力さ……。野生と違って人工物というのは壊れる運命。」
「そうか……では使い切ったらどうなる?」
「……君そのものが滅ぶ。」
「そうか……」
 サドとの会話にてふとそう話した。
「……でも別に君、そんな事起こすことないでしょ。」
「……?」
「だって君、そんな事起こせるようなキャラじゃないしというかそもそもそんなメンタルもなけりゃただの弱い子じゃ……」

「黙れ!今がその時なんじゃ!」

 怒りに身を任せ、小町は覚醒する。
「未来の者よ、伝言を残そうぞ!」
 大声を出し、叫び続ける小町。
「今から私は使用者が死ぬほどの魔法を放つ!いや、使わなくても結果は変わらんか。」
「待ってよ!助かる方法があるかもしれないでしょ!」
「……いいんじゃファスタ殿。それに……人は死ぬ時格好悪いと後味悪いじゃろ。」
 そういうと巨大な魔力を己に集中させる。
「……お前も道連れにしてこの戦に終止符をつけてやる!」
 今までの思い出、これからあったかもしれない有り得ない未来、脳裏を過ぎるがそんなのもう関係ない。目の前のコイツを倒すことだけが……今の自分の目標。倒せたことが自分の生涯の名誉。小町はそう思いながら放つ。
「究極の舞!」
 その技は光のように物凄いスピードで、炎のように凄まじい威力ではあるがまるで癒しのような雰囲気を漂わし氷のように冷たい悲しさすら表す……。
「これでいい……これでいいのだ……」
 彼女は戦いの中で自分にそう呟いた。

 ……周りに敵はいなくなった。それどころかこの街全体が平和であると思えるばかりに辺り一面まっさらだ。
「……助かったのか?」
「……えぇ」
 俺の問いかけにファスタはそう言った。辺り一面にはみんながいる……。セカンダもサーディ、フォーサー、オリジンにカヌーレさん……みんな無事だ。でも何故だろうか、小町の姿が見当たらない。
「みんないるな……あれ、小町は?」
 ファスタは暗い顔をしながら、俺の目線に分かりやすく指を指す。その指の先にはまもなく消えるのではないかと言うくらいボロボロの彼女がいた。
「小町!」
 俺は思わず走り出す。
「と、殿……いや、一之輔殿。本当は貴方が殿じゃないってわかってたのじゃ。それでもあのお方と瓜二つな顔を見ると殿って言いたくなる。」
「……」
「今まで迷惑だとは思っていた。己のわがままに付き合わせて悪かった。」
「……面白かったからいいさ!また絡んでくれよ!」
「そうか……。でももう無理じゃ。だから最期に私の魔力を貴方に……。」
「……最期?おい!最期ってなんだよ!」
「いいから素直に黙って受け取れ、お主は子孫かもしれんからな。」
「……」
「……上で見ておるぞ。」
 小町は白い光になって、塵へと化して消えていった。
 俺はアプリを開いてみる。先祖である小町に託された力により、センキシのアプリにある変身ボタンは赤い光に輝き出した。モードの切り替えで使用出来る新たな力を俺は手に入れたらしい。
「……」
 でも嬉しさよりも、何よりも込み上げてくる感情は辛いものばかりだ。
「将軍ちゃん……なんで立ち上がってくれないの?コハナちゃんの言う事聞けないの?」
 怒りがふつふつと湧き上がるようなそんな感情をすぐに与えてくれる彼女の声だ。明神コハナ。俺はきっと彼女を一生許そうとは思えないのだろう……。
「……」
「ふざけんじゃないわよ!将軍ちゃんは私の最高傑作!それがオンボロ魔法少女達に負けるわけ」
 俺は思わず、彼女にビンタした。
「やめろ。これ以上お前の声を聞きたくない。」
「……」
「それに……お前は戦って勝っても後味悪いしそもそも女と殴り合いや殺し合いをするつもりもない。」
「……」
「分かったらとっとと消えろ。」
 俺は彼女が去るまでここを動く気は無い。それを理解したのかあっかんべーと負け惜しみのような事をして彼女はその場を去った。
「……あそこまで恋愛対象にもならん女っているんだな。」
 俺はそうボソッと言いながら何事も終わったのだと平和な顔をする。そのタイミングだった。
「危ない!」
 オリジンが俺を抱えて攻撃を避ける。しかしオリジンの背中に切り傷がつけられる。
「オリジン!」
「いえ、私は平気です。ですが……」
 オリジンの視線の先には、将軍の力を奪ったかのように見せつけるゼブラがいた。
「ジョーカーは一枚では無い。君たちはこの戦いでそんなことも知らなかったの?」
「お前、さっき倒れたんじゃ……」
「いや、あれはクローンだった。つまりアイツが本物の……」
 牛雲ゼブラ……オリジナル。
「クローンに出来なくて僕達人間が出来るもの……それはズバリ進化。進化論とはまさにこの事。」
 一理あるが……いや、そんな事は。
「今から進化を見せてやる……分かったかぁ!?」
 進化した彼を倒すことになるのだろうか。ふと嫌な事が起きると予言して目の前の存在が何するかを判断することに精一杯だ。でも……こっちにも進化はある。
「……センキシ・装甲!起動!」
 俺はいつものセンキシとは違う赤い光を身にまとった剣士に姿を変えた。

 さぁ、始まるぞ……戦だ。

つづく
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