病弱モブは推しのサポキャラを助ける為に、お金も積むし、ゲームのシナリオも改変します

あやまみりぃ

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情報開示

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「……イ、リューイ」
 肩を揺さぶられて、ハッと顔を上げれば既に会議は終わっていたようで人はまばらになっていた。
「顔色が悪いが大丈夫か?」
 シルバリウスはそう言うと、おでこに手を当て”少し熱いか?”と呟くとリューイを抱き上げた。
 ……きっと熱いのは知恵熱です。
 とは言えず、シルバリウスに運ばれながら考える。
 もし推測が正しければ過去最大級のダンジョンの発生だし、今回の始まりのスタンピートはどうにかなったとしても、次のスタンピートまでにはダンジョンを探さなければならない。
 会議でも言っていたが、何も人の手が入っていないダンジョンはとても見つけにくいのだ。
 洞窟の奥が出入口のダンジョンなんてのは見つかりやすいが、大抵はうっすら積もった土の下にダンジョン入り口があったとか、自然に紛れてしまっているのだ。
 それを二カ国にまたがるほど大きい”漆黒の森”で1年程で見つけないといけないなんて、流石に俺達だけでは無理だ。
 だからと言って、こちらで知っている限りのゲーム情報を開示しようとした所でなんて言えば良いのだろう。
 そもそも信じて貰えなさそうだし、”時属性魔法予知型”を理由にして見つかったら見つかったで、国に縛られるのが目に見えている。
 最悪俺は良いとしても、俺達の世代以降に現れた時属性魔法持ちが国に縛られて生きる事になるのも嫌だ。

 シルバリウスは俺をベッドに置き、ベッドの中に入れようとするが拒否する。
 困った顔をするので、ベッドの端をバシバシ叩くとシルバリウスが俺に並ぶようにベッドの端に座った。
 いそいそと、シルバリウスの膝の上に乗りシルバリウスにもたれかかり、シルバリウスの心臓の音を聞く。
 ……ふぅ。落ち着く。
 最近よく甘えていて子供返りしているのかもという自覚はあるが、やめられないし、シルバリウスも甘えさせてくれるから、余計止まらない。

 もし俺がこの国に縛られるとして、噂の限り今の王はそこまで非人道的では無いと思うので、奴隷のような扱いは無いだろう。
 ただし、この国の風潮的にも結婚はさせられそうだ。
 現に魔力枯渇症発症前迄は婚約者もいたわけだし。
 でも、あの時と今とじゃ状況が全く違うのだ。
 シルバリウスとせっかく、くっついたのに……
「どうした?」
 低い良い声が耳元に響く。
 頭を撫でてくれる大きな手は気持ちが良い。
 気遣いが優しくて、泣きそうだ。
「国に捕まりそうになったら、一緒に逃げてくれる?」
「……? ああ、もし捕まりそうになったら一緒に逃げよう」
 突然脈絡もない質問に不思議そうではあるが、ちゃんと答えてくれるシルバリウス。
「逃亡生活になってもいい?」
「ああ。世界は広いのだ。2人で端から端まで旅しても楽しいかもしれない」
 俺としてはもうシルバリウスを諦めるなんて事は出来ない。
 なら、国も家族も全部捨てての逃亡生活だ。
 この国では時属性魔法に重きが置かれていない。
 俺の未来視とでもいう時属性とシルバリウスの加速の時属性、どちらもバレたら国の監視対象になる事は勿論、最低限国に縛られるだろうし、最悪は良いように利用されるだろう。
 だからと言って、国が沈んでいくのも見たくはない。
 2回目のスタンピートがローワン王国のみで2万だった場合、漆黒の森全体での発生であり、漆黒の森の国への比率がそのままだとするとフォゼッタ王国には6万の魔物が押し寄せる可能性があるのだ。
 これがフォンデルク領に雪崩れ込み、現在の上級ダンジョン攻略にも影響が出れば、そちらのスタンピートも発生し二次災害へ繋がる可能性もある。
 対策をしなければ、この国は無くなってしまう可能性があるのだ。
 見て見ぬ振りをしたら絶対後悔する事は分かっている。
 こうして、シルバリウスにも許可が貰えたのだから、最悪は逃亡生活だ。
「ずっと一緒?」
「ああ。勿論だ」
 頭にキスをくれるシルバリウス。
 ……大好きだなぁ。

 シルバリウスも補給したし、情報は開示する事にするが、まずは直近の”始まりのスタンピート対策”だろう。
 ……エドガーへ話すか。
 ため息を吐く。
「エドガー兄上に始まりのスタンピートの情報開示をしようかなと思うんだけど、国に捕まったらごめんね」
「……リューイのお兄さんなら悪いようにしないのじゃないか?」
「ははは、そうだと良いけど。興味のない家族の事だから、国に売っちゃうんじゃない? 国が守れるだけじゃなくて陛下の覚えもめでたくなるだろうし」
「……どうだろうか。兄上殿はそんな権力を欲するタイプには見えないが」
 まぁ、確かに権力が欲しいかと言われると、エドガーはそんなタイプではない気はするけども。
 結局初日以来話していない。
 同じ屋敷にいる為にすれ違ったり、他の代表者と共に晩餐会などもいたりはするが、個人的な事を喋る機会は無かったのだ。
「一緒に居てくれる?」
「兄上殿との話し合いか?」
「うん」
「ああ。良ければ居よう。今度は冷静にゆっくり話してみるとよいかもな」
「うーん……。そうだねぇ……。ありがと」
 よっぽど嫌そうな顔をしていたのか、シルバリウスは笑っていた。
「まずは熱を下げてからだな」
「はぁーい」
 今度こそ、シルバリウスにベッドの中に入れられた。
 頭フル稼働で知恵熱とか情けないと思いつつ、意識は急速に暗闇に落ちていった。
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