1 / 52
第1話 エピローグ ~会いたい~
しおりを挟む
窓辺に座り、
揺れるカーテンの隙間からそっと外を眺めた。
暑かった夏もようやく終わり、
此処にも秋が来ようとしている。
緑から紅葉になり始めた木々からは、
早くも秋の気配がしている。
テーブルの上に置いたコーヒーカップからは
ゆっくりと湯気が立ち上がっていく。
カップをそっと取り、
立ち上がる湯気に向けてフ~っと息を吹きかけた。
その時急に突風が吹いてカーテンが少し開いた。
外は紅葉になり始めたばかりだというのに、
桜の花びらが窓の外を舞っているような錯覚に陥った。
“なんだ……風で葉が舞い落ちたのか……”
その時僕はハッとして手に取ったカップをまたテーブルに戻すと、
スッとテーブルを立った。
その足でベッドルームに歩いて行くと、
サイドテーブルに置いてある写真立てに目を落とした。
“○○君……”
僕はそう呟くと、
その写真立てを手に取った。
写真には屈託もなく笑っている少年達が
桜の木の下で仲良さそうに肩を組んで、
満面の笑みで写っている。
僕は指で彼の姿をなぞった。
僕はずっと、微笑む彼の隣で
仲良さそうに微笑むもう一人の彼が羨ましかった。
何の約束も無い……
話した事も無い……
会った事も無い……
きっと君は……僕の事を知らない。
でも、好きになったんだ……
会いたい……
一目だけでも良いから、君に会いたい……
君はどんな大人になったんだろう?
どんな顔をして笑うんだろう?
どんな声をしているんだろう?
ねぇ、知ってた?
僕、君の事、ずっと、ずっと好きなんだよ。
会いたい……、会いたい!
このセピア色の写真の中でだけ知っている君……
今どこに住んでるの?
今何をしているの?
僕の事を知らない君は、
きっとそこで沢山の人に出会い、
沢山の恋をしてきたんだろうね。
どうしたら君と会えるんだろう?
会いたい! 会いたい! 君に会いたい!
そう呟いて僕は、
セピア色の写真を握りしめた。
揺れるカーテンの隙間からそっと外を眺めた。
暑かった夏もようやく終わり、
此処にも秋が来ようとしている。
緑から紅葉になり始めた木々からは、
早くも秋の気配がしている。
テーブルの上に置いたコーヒーカップからは
ゆっくりと湯気が立ち上がっていく。
カップをそっと取り、
立ち上がる湯気に向けてフ~っと息を吹きかけた。
その時急に突風が吹いてカーテンが少し開いた。
外は紅葉になり始めたばかりだというのに、
桜の花びらが窓の外を舞っているような錯覚に陥った。
“なんだ……風で葉が舞い落ちたのか……”
その時僕はハッとして手に取ったカップをまたテーブルに戻すと、
スッとテーブルを立った。
その足でベッドルームに歩いて行くと、
サイドテーブルに置いてある写真立てに目を落とした。
“○○君……”
僕はそう呟くと、
その写真立てを手に取った。
写真には屈託もなく笑っている少年達が
桜の木の下で仲良さそうに肩を組んで、
満面の笑みで写っている。
僕は指で彼の姿をなぞった。
僕はずっと、微笑む彼の隣で
仲良さそうに微笑むもう一人の彼が羨ましかった。
何の約束も無い……
話した事も無い……
会った事も無い……
きっと君は……僕の事を知らない。
でも、好きになったんだ……
会いたい……
一目だけでも良いから、君に会いたい……
君はどんな大人になったんだろう?
どんな顔をして笑うんだろう?
どんな声をしているんだろう?
ねぇ、知ってた?
僕、君の事、ずっと、ずっと好きなんだよ。
会いたい……、会いたい!
このセピア色の写真の中でだけ知っている君……
今どこに住んでるの?
今何をしているの?
僕の事を知らない君は、
きっとそこで沢山の人に出会い、
沢山の恋をしてきたんだろうね。
どうしたら君と会えるんだろう?
会いたい! 会いたい! 君に会いたい!
そう呟いて僕は、
セピア色の写真を握りしめた。
0
あなたにおすすめの小説
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
天啓によると殿下の婚約者ではなくなります
ふゆきまゆ
BL
この国に生きる者は必ず受けなければいけない「天啓の儀」。それはその者が未来で最も大きく人生が動く時を見せる。
フィルニース国の貴族令息、アレンシカ・リリーベルは天啓の儀で未来を見た。きっと殿下との結婚式が映されると信じて。しかし悲しくも映ったのは殿下から婚約破棄される未来だった。腕の中に別の人を抱きながら。自分には冷たい殿下がそんなに愛している人ならば、自分は穏便に身を引いて二人を祝福しましょう。そうして一年後、学園に入学後に出会った友人になった将来の殿下の想い人をそれとなく応援しようと思ったら…。
●婚約破棄ものですが主人公に悪役令息、転生転移、回帰の要素はありません。
性表現は一切出てきません。
36.8℃
月波結
BL
高校2年生、音寧は繊細なΩ。幼馴染の秀一郎は文武両道のα。
ふたりは「番候補」として婚約を控えながら、音寧のフェロモンの影響で距離を保たなければならない。
近づけば香りが溢れ、ふたりの感情が揺れる。音寧のフェロモンは、バニラビーンズの甘い香りに例えられ、『運命の番』と言われる秀一郎の身体はそれに強く反応してしまう。
制度、家族、将来——すべてがふたりを結びつけようとする一方で、薬で抑えた想いは、触れられない手の間をすり抜けていく。
転校生の肇くんとの友情、婚約者候補としての葛藤、そして「待ってる」の一言が、ふたりの未来を静かに照らす。
36.8℃の微熱が続く日々の中で、ふたりは“運命”を選び取ることができるのか。
香りと距離、運命、そして選択の物語。
奇跡に祝福を
善奈美
BL
家族に爪弾きにされていた僕。高等部三学年に進級してすぐ、四神の一つ、西條家の後継者である彼が記憶喪失になった。運命であると僕は知っていたけど、ずっと避けていた。でも、記憶がなくなったことで僕は彼と過ごすことになった。でも、記憶が戻ったら終わり、そんな関係だった。
※不定期更新になります。
愛しい番に愛されたいオメガなボクの奮闘記
天田れおぽん
BL
ボク、アイリス・ロックハートは愛しい番であるオズワルドと出会った。
だけどオズワルドには初恋の人がいる。
でもボクは負けない。
ボクは愛しいオズワルドの唯一になるため、番のオメガであることに甘えることなく頑張るんだっ!
※「可愛いあの子は番にされて、もうオレの手は届かない」のオズワルド君の番の物語です。
※他サイトでも連載中
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる