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ルーの転生疑惑
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龍輝との好きな人の話にドギマギとしている最中に
湧いて出て来たルーの不意を付いた様な質問、
“生まれ変わりって信じる?”
に度肝を抜かれたけど、
僕は龍輝の耳が僅かにピクッと動いた事を見逃さなかった。
“生まれ変わりという言葉に反応した?!
やっぱり龍輝がダリルの生まれ変わり……?!
もしかして彼はもう何か思い出し始めている?!”
そう思って龍輝を見たのに、
僕の期待とは裏腹に彼の表情はいつもと変わらず、
“生まれ変わりとは?”
と言う様な感じで首を傾げた様にしてルーを見た。
少しがっかりしながらも、
龍輝の少しの表情の変化も逃さない様に、
チラチラと彼の方を伺いながら
「生まれ変わりがどうかしたの?」
そう平静を装ってルーに尋ねた。
実際には僕の心臓はバクバクで、
悪い事をしたわけでは無いのに龍輝の事も掛け合わせて
何だか緊張して背中から冷や汗が滴り落ちた。
“転生について尋ねるなんて、
ルーは何か感じ始めてるんだ?!
これは僕が回答しても良い質問なのか?!”
少し戸惑って考え込んでいると、
向こうで楽しそうに話をしていたセシル達が仲間に入って来た。
「何? 何?
生まれ変わりって聞こえたけど、
ルーはどうしてそんな質問をするの?
生まれ変わりなんて滅多に聞く事ではないけどって言うか、
誰かが言ってる事を聞いたこともないんだけど、
ルーは誰かが前世の記憶があるとか……そんな事を言ってるの聞いたことがあるの?
それとも……貴方自身が……?」
そう言って意味深な様子でセシルがルーを覗き込んできた。
僕はセシルが来てくれた事に少しホッとして胸を撫で下ろしていたけど、
ルーはそんな感じで距離を詰めて来たセシルに
ビックリして後ろにひっくり返った様にすると、
それをシャムアが受け止めて、
「ルーは未だそんな世迷い事を言っているのですか?
そんな不確かな事を吹聴して回ると、
ルーの皇子としての品が落ちるって何度も言ってるでしょう?
翠達を見て下さい。
ルーの突拍子もない問いにビックリして固まってるではないですか!
ま~何処の誰かは言いませんが、
そちらの令嬢は興味津々で目を光らせているようではありますがね?」
そう言ってルーを押し戻すと、
手をぱんぱんと払ってルーの隣に腰掛けた。
僕がシャムアの方をホケーっとしてみると、
シャムは目をキランと光らせた様にして、
「翠、ルーの話は冗談半分で聞いていた方が良いですよ?
それは貴方もですよ? セシル?」
そう言ってすまし顔をした。
僕は何が起きてるのかよく分からす益々呆けた顔をすると、
シャムアがルーが話し始める前に、
「良いですか?
私はルーが幼少の頃よりお支えしておりますが、
ルーは幼少の頃から変な事ばかりおっしゃっていてですね、
やれ、探しに行かなければいけない人がいるやら、
助けにいかなければいけない人がいるやら、
訳のわからない事ばかり繰り返していてですね、
極め付けは何でしたっけ?
最近では無くなったのですが、
幼少の頃はよく叫んでいたことがありましたよね?」
シャムアがルーを見ながらそう言うと、
ルーは小さな声で
「………」
と言った。
僕はその瞬間、全身の血が逆流した様な気分になった。
“え? 今確かあのセリフを言った?!”
心臓をバクバクさせながらルーの方を見ると、
ルーは真っ赤になりながら未だ口をモゴモゴとさせていた。
シャムアはルーを横目で見ると、
「ほら、そんな小さな声では誰にも聞こえませんよ?
確か殿下がいつもの様に叫んでいたのは…」
そうシャムアが言いかけると、
「そうだよ! 悪いかよ!
僕がいつも叫んでいたのは
『世界一強いデューデュー様!
僕を助けて!』
だよ!
その何が悪い!」
そう言って不貞腐れた様な顔をすると、
シャムアが
「ね? まるで殿下はそのデューデューと言う方を
神のように崇めておられましたよね?
それも人では無く、龍ですよ?
確かに龍はフジワラ殿も崇めておられますが、
ルーが崇拝してたのは……」
そこまでシャムアが話した時セシルが
「灰色の龍」
そう言ってシャムアを指差して横から投げ槍を入れた。
瞬間ルーの顔がパーッと明るくなって、
「やっぱり居るんだよね?!
君も知ってるの?!
灰色の龍を見た事があるの?!
ずっと灰色の龍のことを話す事はシャムアに止められていたんだけど、
君も灰色の龍を見たことがあるの?!
そう言えば、
前に君もデューデューがどうのって言ってたよね?!
もしかして、
君の言ってたデューデューって僕のデューデューと同じ龍の事?!」
そう言ってセシルの手を掴んでルーが迫り始めると、
珍しくセシルがタジタジとし始めた。
すると横で龍星が、
「何でお前がデューデューを知ってるのか?」
そう言い始めた。
それにすぐに反応したルーが、
「え?!
龍星もデューデューの事を知ってるの?!
ねえ、デューデューって実在するんだよね?!
デューデューって灰色の龍だよね?!
そうだよね?!
君の家は龍に詳しいから、
灰色の龍についてもちゃんと知ってるよね?!」
そう言って龍星に迫り出した。
今度は横から龍輝が、
「おい! デューデューの事は!」
そう言って龍星を止めに入った。
僕は頭がこんがらがってこのカオスな状況に目が回りそうだった。
最初は何気なく龍輝とエルフの話をしていたのに、
何故か皆して父さんのことを巡って言い争いのようになってしまった。
横からはルーが
「龍星と龍輝はデューデューの事について知ってたのか?!
それなのに僕に教えてくれなかったのか?!」
そう文句を言い始めた。
龍星は龍星で、
「教えてくれなかったって、
お前だって聞いた事無かっただろ?!」
そう言うと、
「だってシャムアが灰色の龍なんてこの世には存在しないって!
そんこと言ったら皆んなに笑われるし、
こんなバカな事フジワラ家に尋ねると
龍を崇めるフジワラ家の皆んなは無知な僕を敬遠して、
これからは龍輝も龍星も一緒に遊んでくれないって!」
そう言って俯いた。
そんなことを繰り返しているうちに
セシルが業を煮やしていきなり、
「デューデュー早く来なさいよ!」
そう叫んだと同時に皆んなが一斉に静かになった。
僕もビクッとして固まったように硬直すると、
静かになった辺りを目だけを動かしてキョロキョロと見渡した。
おかしな事に皆もお同じように硬直したようにして、
目だけを動かして辺りを見回していた。
それが当たりだっったのか、
皆んな一斉に笑い出た中龍星がいきなり、
「お前、スゲーな
俺の嫁になるか?!」
そう言ってセシルに迫り出した。
僕がハッとしてルーを見ると、
ルーは真っ青になって少しオロオロとしたように二人を見ていたけど、
セシルはバッサリと、
「嫌よ!」
そう言って龍星を押し退けていた。
そんなセシルをさらに気に入ったのか、
「俺が欲しいと思った女は必ず落とすから!」
そう言うとニコニコとしてセシルの隣に座った。
「ちょっと! 何でわざわざ隣に座り直すの!」
そう言ってセシルは龍星を押しやって居たけど、
ルーの表情を見ていると、僕は気が気では無かった。
またオロオロとしていると、
それに気付いた龍輝が僕の背中を摩りながら、
「あの……それで殿下の生まれ変わりという話は……」
と話題を逸らしてくれたので、
セシルも、
「そう、そう、その話よ!」
そう言って手をパーンと叩くと立ち上がって、
ルーの隣に移ると、
そこに座り込んだ。
龍星は不貞腐れたようにして居たけど龍輝は
“セシル様はやり手ですね”
そう言って僕に耳打ちして来た。
何気ないセリフなのに、
龍輝の生暖かい息が僕の耳に掛かって
一瞬僕の脳がジュッっと焼けたような音を立てた。
僕は自分が耳元まで真っ赤になってるのも気付かすに、
“うん、そうだね”
とドキドキする心臓を隠すかのように俯いて囁いた。
相変わらず龍輝の大きな手のひらは僕の背中を支えて居たけど、
何故かそれがいつの間にか当たり前のような感覚に陥っていた。
「はーヤダヤダ、
全く色恋沙汰は他所でやってくれって感じだよな」
そう言って来たローティに苦笑いしていると、
「そう言えばお前と龍輝も仲良いよな?
いつの間にそんなに仲が良くなったのか?」
そう尋ねて来たローティに少し狼狽えたようにしていると、
急に馬車が止まった。
途端に皆がまたその場で静止した。
「盗賊か魔獣か?!」
龍星がそう言うと、
「いや、父上が居てそれはあり得ない」
そう言う龍輝に、
「じゃあ……」
と僕が答えると、
「大丈夫ですよ、私が必ず守りますから翠はここに居て下さい。
外まで行って父上に状況を伺って来ます」
そう言うと龍星がニヤニヤしたようにして、
「お前翠って……
ここはまず皇族であるルーを守るのが第一だろ」
そう言って揶揄ったようにして言うと続けて、
「俺も一緒に行くよ。
シャムア、ルーを頼む。
それから……」
そう言って見回すとセシルに投げキスをして、
「お前は俺が守るから安心してここに居ろ」
そう言うと幌から出て行った。
横ではブツブツとルーが負け惜しみの様に、
“僕だって守れる!”
そう言って龍星が去って行った方をきっと睨んだ。
でもルーの前にはシャムアが憚ってルーの身動きが取れない様にしていた。
僕はセシルの側に寄り耳を澄まして居たけど、
争う様な音や声は全く聞こえず、
どちらかと言うと聞き覚えのある様な話し声が聞こえて来た。
“あれ? この声は?”
そう思っているのと同時に龍星と龍輝が幌に戻って来た。
「はー別に奇襲とか何でも無かったよ。
唯……」
と来たところで、
「全く私も忙しいのにお前らと来たら」
そう言って父さんが龍星と龍輝に続いて顔を覗かせた。
「父さん?!」
僕がビクッりして叫ぶと、
「あれ? 貴方は小さい時にお会いしたことがある……」
そう言ってルーが顔を覗かせた。
僕が
“は?”
とした様に二人を交互に眺めると、
「リュシアンか。
大きくなったな」
そう言って父さんがルーを見た。
僕とセシルが、
「えー?!
二人とも知り合い?!」
そう大声を出すとルーが
「うん、小さい頃一度だけ会ったって言うか、
見かけたっていうか、
龍星や龍輝と一緒にいた所を」
そう言って父さんに近付いて行った。
そして父さんの顔をまじまじと見ると、
「貴方は翠のお父上という事で合っているのでしょうか?」
そう言ってルーは僕をチラッと見た。
父さんがルーの肩にポンと手を置くとシャムアがいつの間にか父さんの後ろ手に周り
父さんの首に短剣を突きつけて居た。
”ヒッ!“
僕が喉を惹きつけた様に固まると、
父さんはシャムアの短剣の刃に人差し指を付けると、
ヒョイっとそれを押し下げ
「お前には忍びのスキルがあるのだな。
それはどこで学んだ?」
そう言ってシャムアの方を振り向くと、
「忍びだと?
何のことを言っているのだ?!
私は忍びと言うスキルなど知らない。
私の属性はローグだ!」
そう言うとまた父さんの喉仏に刃を向けた。
父さんがフッと笑うとルーが、
「シャムア、止めないか!」
そう言ってシャムアを諌めた。
シャムアは、
「ですが殿下!
殿下をお守りするのが私の役目です!」
そう言うと、
「お前は何者だ?!
何故急に現れ馬車を止めた!
翠の父と言っていたがそれは本当か?!
まさか翠の父に化けていると言う事ではあるまいな?!
それにフジワラ氏は無事なのか?!
龍輝?! 龍星?!」
そう言って父さんを離そうとしなかった。
すると後ろから、
「おいおい、シャムアの殿下への忠誠も見上げたものだが、
デューデュー様に剣を向けて、お前、死ぬよ?」
そう言ってショウが姿を現した。
「フジワラ殿! ご無事でしたか!」
シャムアがそう言って後ろを振り返った瞬間、
父さんがスルスルと本来の姿に戻った。
“クックック”
と声を殺して笑うショウの横でシャムアは何かに気づいた様に後ろを振り返ると、
龍の姿になった父さんを見て
「うわー!!」
っと叫んで尻餅を付くと、
そのままその短剣を父さんに突きつけた格好のまま馬車の後方まで後退りした。
ローティ達は以前父さんの龍になった姿を見たことはあったけど、
場所が場所なだけに小さな姿だったので、
本来の大きな姿を間近で見て、
シャムアほどではないにしても少なからず驚いていた。
そんな彼らを後にセシルは
「デューデュー!」
やっぱり来てくれたのね!
会いたかったわ!」
そう言って龍の姿になった父さんの足に抱きつきに行った。
「お前は本当に人使いが荒いな!」
そう言う父さんを横に
ワナワナとしながら呆気に囚われるシャムアを前に
セシルはニヤッと笑うと、
「ルー! 貴方が言って居たデューデュー様はこの龍でしょ!」
そう言ってルーに顔を近づけた。
ルーは耳まで真っ赤になると、
コクコクと頷いて、
そっと父さんに近付いて行った。
そして恐る恐る父さんに震える手を伸ばすと、
「やっぱり貴方は居たんだ……
僕の中にはずっと
“世界一強いデューデュー様”
って言う言葉があって……
ずっと貴方に会いたいと思っていました……
貴方に会えたら私の探している人が誰かわかる様な気がして……
貴方に触れても構いませんか?」
ルーがそう尋ねると、
父さんがルーに向かって頭を下げた。
ルーは震える手を伸ばしながら
「デューデュー、ずっと貴方に会いたかった……」
そう言って父さんに触れた途端
“あっ……マ…グノリア……”
そう呟いてバタンと倒れ込んだ。
シューっと人の姿になった父さんが
「矢張り来たな」
そう言いながら倒れたルーをヒョイっと抱き上げると、
「上がるぞ」
そう言って幌の中へルーを運んで床に横たえた。
あまりにも一瞬の事だったけど、
いち早く我に返ったシャムアがバタバタと幌の中へ駆け込んできた。
ルーを囲んで立って居た父さんを始め
僕やセシルがシャムアの方を向くとシャムアはルーに駆け寄って来て、
床に寝かされたルーの前にひざまづくと僕達の方を振り返って
「お前達、ルーに何をした!
矢張りこの旅に連れてくるべきでは無かった!
俺はあんなに反対したのに!」
そう言って僕達に歯向かって来た。
そこでショウがトコトコとシャムアの前に出てくると、
シャムアの肩に手を置いて、
「シャムアよ、君の驚きは分かる!
私も初めてデューデュー様を見た時は驚いた物だ!
この世に、こんなにも美しい生き物が居るのかと魂が震えて堪らなかった!
デューデュー様はご自身の気高さを隠しておられるのだろうが、
隠しきれないこの後光の輝き!
私はデューデュー様の為であれば!」
そう叫んでいると、セシルがショウを押し退けて、
「シャムア、これがルーの尋ねて居た前世の記憶よ。
ルーは大丈夫。
ちょっと前世を思い出す旅に出てるの。
心配しなくても時期目覚めるわ」
そう言って床にひざまづき、
シャムアの目線に自分の目線を落とした。
「貴様、何を訳のわからない事を言っている!」
そう言うシャムアに、
「ちょっと待って、
ここでグダグダとしていても埒が空かないわ。
先も急ぐし、道中貴方には説明をするわ」
そう言うとショウの方を向いて、
「ショウ、馬車を出して。
シャムアには私が説明するわ」
そう言うとショウは、
「それではデューデュー様は私と一緒に旅の道中のお話でも?!」
と父さんを御者席へと誘っていたけど、
「ダメよ! デューデューはシャムアに
前世について説明する重要人物だから!」
そうセシルにバッサリ切り込まれ、
渋々と一人で御者席へと返って行った。
僕達も又幌の中に落ち着くと
ルーを囲んで座った。
でも皆んな父さんを遠巻きに座り込んだ。
シャムはいまだにイキリがって、
「この事についてはきっちりと説明してもらうからな!
全く人に姿を変える龍なんて今まで見た事も聞いた事もないぞ!
それも人と話まで出来るなんて……」
そう言うと、人の姿に変わった父さんをきっと睨んだ。
僕はハラハラとしていたけど、セシルはふふんとした様にしてシャムアを見上げた。
龍星と龍輝は相変わらずで、
ローティ達は事の行方を見守る様に少し離れて此方をチラチラと見ていた。
少し間があったけど、父さんがゆっくりと皆を見上げると、
また馬車がゆっくりと動き始めた。
湧いて出て来たルーの不意を付いた様な質問、
“生まれ変わりって信じる?”
に度肝を抜かれたけど、
僕は龍輝の耳が僅かにピクッと動いた事を見逃さなかった。
“生まれ変わりという言葉に反応した?!
やっぱり龍輝がダリルの生まれ変わり……?!
もしかして彼はもう何か思い出し始めている?!”
そう思って龍輝を見たのに、
僕の期待とは裏腹に彼の表情はいつもと変わらず、
“生まれ変わりとは?”
と言う様な感じで首を傾げた様にしてルーを見た。
少しがっかりしながらも、
龍輝の少しの表情の変化も逃さない様に、
チラチラと彼の方を伺いながら
「生まれ変わりがどうかしたの?」
そう平静を装ってルーに尋ねた。
実際には僕の心臓はバクバクで、
悪い事をしたわけでは無いのに龍輝の事も掛け合わせて
何だか緊張して背中から冷や汗が滴り落ちた。
“転生について尋ねるなんて、
ルーは何か感じ始めてるんだ?!
これは僕が回答しても良い質問なのか?!”
少し戸惑って考え込んでいると、
向こうで楽しそうに話をしていたセシル達が仲間に入って来た。
「何? 何?
生まれ変わりって聞こえたけど、
ルーはどうしてそんな質問をするの?
生まれ変わりなんて滅多に聞く事ではないけどって言うか、
誰かが言ってる事を聞いたこともないんだけど、
ルーは誰かが前世の記憶があるとか……そんな事を言ってるの聞いたことがあるの?
それとも……貴方自身が……?」
そう言って意味深な様子でセシルがルーを覗き込んできた。
僕はセシルが来てくれた事に少しホッとして胸を撫で下ろしていたけど、
ルーはそんな感じで距離を詰めて来たセシルに
ビックリして後ろにひっくり返った様にすると、
それをシャムアが受け止めて、
「ルーは未だそんな世迷い事を言っているのですか?
そんな不確かな事を吹聴して回ると、
ルーの皇子としての品が落ちるって何度も言ってるでしょう?
翠達を見て下さい。
ルーの突拍子もない問いにビックリして固まってるではないですか!
ま~何処の誰かは言いませんが、
そちらの令嬢は興味津々で目を光らせているようではありますがね?」
そう言ってルーを押し戻すと、
手をぱんぱんと払ってルーの隣に腰掛けた。
僕がシャムアの方をホケーっとしてみると、
シャムは目をキランと光らせた様にして、
「翠、ルーの話は冗談半分で聞いていた方が良いですよ?
それは貴方もですよ? セシル?」
そう言ってすまし顔をした。
僕は何が起きてるのかよく分からす益々呆けた顔をすると、
シャムアがルーが話し始める前に、
「良いですか?
私はルーが幼少の頃よりお支えしておりますが、
ルーは幼少の頃から変な事ばかりおっしゃっていてですね、
やれ、探しに行かなければいけない人がいるやら、
助けにいかなければいけない人がいるやら、
訳のわからない事ばかり繰り返していてですね、
極め付けは何でしたっけ?
最近では無くなったのですが、
幼少の頃はよく叫んでいたことがありましたよね?」
シャムアがルーを見ながらそう言うと、
ルーは小さな声で
「………」
と言った。
僕はその瞬間、全身の血が逆流した様な気分になった。
“え? 今確かあのセリフを言った?!”
心臓をバクバクさせながらルーの方を見ると、
ルーは真っ赤になりながら未だ口をモゴモゴとさせていた。
シャムアはルーを横目で見ると、
「ほら、そんな小さな声では誰にも聞こえませんよ?
確か殿下がいつもの様に叫んでいたのは…」
そうシャムアが言いかけると、
「そうだよ! 悪いかよ!
僕がいつも叫んでいたのは
『世界一強いデューデュー様!
僕を助けて!』
だよ!
その何が悪い!」
そう言って不貞腐れた様な顔をすると、
シャムアが
「ね? まるで殿下はそのデューデューと言う方を
神のように崇めておられましたよね?
それも人では無く、龍ですよ?
確かに龍はフジワラ殿も崇めておられますが、
ルーが崇拝してたのは……」
そこまでシャムアが話した時セシルが
「灰色の龍」
そう言ってシャムアを指差して横から投げ槍を入れた。
瞬間ルーの顔がパーッと明るくなって、
「やっぱり居るんだよね?!
君も知ってるの?!
灰色の龍を見た事があるの?!
ずっと灰色の龍のことを話す事はシャムアに止められていたんだけど、
君も灰色の龍を見たことがあるの?!
そう言えば、
前に君もデューデューがどうのって言ってたよね?!
もしかして、
君の言ってたデューデューって僕のデューデューと同じ龍の事?!」
そう言ってセシルの手を掴んでルーが迫り始めると、
珍しくセシルがタジタジとし始めた。
すると横で龍星が、
「何でお前がデューデューを知ってるのか?」
そう言い始めた。
それにすぐに反応したルーが、
「え?!
龍星もデューデューの事を知ってるの?!
ねえ、デューデューって実在するんだよね?!
デューデューって灰色の龍だよね?!
そうだよね?!
君の家は龍に詳しいから、
灰色の龍についてもちゃんと知ってるよね?!」
そう言って龍星に迫り出した。
今度は横から龍輝が、
「おい! デューデューの事は!」
そう言って龍星を止めに入った。
僕は頭がこんがらがってこのカオスな状況に目が回りそうだった。
最初は何気なく龍輝とエルフの話をしていたのに、
何故か皆して父さんのことを巡って言い争いのようになってしまった。
横からはルーが
「龍星と龍輝はデューデューの事について知ってたのか?!
それなのに僕に教えてくれなかったのか?!」
そう文句を言い始めた。
龍星は龍星で、
「教えてくれなかったって、
お前だって聞いた事無かっただろ?!」
そう言うと、
「だってシャムアが灰色の龍なんてこの世には存在しないって!
そんこと言ったら皆んなに笑われるし、
こんなバカな事フジワラ家に尋ねると
龍を崇めるフジワラ家の皆んなは無知な僕を敬遠して、
これからは龍輝も龍星も一緒に遊んでくれないって!」
そう言って俯いた。
そんなことを繰り返しているうちに
セシルが業を煮やしていきなり、
「デューデュー早く来なさいよ!」
そう叫んだと同時に皆んなが一斉に静かになった。
僕もビクッとして固まったように硬直すると、
静かになった辺りを目だけを動かしてキョロキョロと見渡した。
おかしな事に皆もお同じように硬直したようにして、
目だけを動かして辺りを見回していた。
それが当たりだっったのか、
皆んな一斉に笑い出た中龍星がいきなり、
「お前、スゲーな
俺の嫁になるか?!」
そう言ってセシルに迫り出した。
僕がハッとしてルーを見ると、
ルーは真っ青になって少しオロオロとしたように二人を見ていたけど、
セシルはバッサリと、
「嫌よ!」
そう言って龍星を押し退けていた。
そんなセシルをさらに気に入ったのか、
「俺が欲しいと思った女は必ず落とすから!」
そう言うとニコニコとしてセシルの隣に座った。
「ちょっと! 何でわざわざ隣に座り直すの!」
そう言ってセシルは龍星を押しやって居たけど、
ルーの表情を見ていると、僕は気が気では無かった。
またオロオロとしていると、
それに気付いた龍輝が僕の背中を摩りながら、
「あの……それで殿下の生まれ変わりという話は……」
と話題を逸らしてくれたので、
セシルも、
「そう、そう、その話よ!」
そう言って手をパーンと叩くと立ち上がって、
ルーの隣に移ると、
そこに座り込んだ。
龍星は不貞腐れたようにして居たけど龍輝は
“セシル様はやり手ですね”
そう言って僕に耳打ちして来た。
何気ないセリフなのに、
龍輝の生暖かい息が僕の耳に掛かって
一瞬僕の脳がジュッっと焼けたような音を立てた。
僕は自分が耳元まで真っ赤になってるのも気付かすに、
“うん、そうだね”
とドキドキする心臓を隠すかのように俯いて囁いた。
相変わらず龍輝の大きな手のひらは僕の背中を支えて居たけど、
何故かそれがいつの間にか当たり前のような感覚に陥っていた。
「はーヤダヤダ、
全く色恋沙汰は他所でやってくれって感じだよな」
そう言って来たローティに苦笑いしていると、
「そう言えばお前と龍輝も仲良いよな?
いつの間にそんなに仲が良くなったのか?」
そう尋ねて来たローティに少し狼狽えたようにしていると、
急に馬車が止まった。
途端に皆がまたその場で静止した。
「盗賊か魔獣か?!」
龍星がそう言うと、
「いや、父上が居てそれはあり得ない」
そう言う龍輝に、
「じゃあ……」
と僕が答えると、
「大丈夫ですよ、私が必ず守りますから翠はここに居て下さい。
外まで行って父上に状況を伺って来ます」
そう言うと龍星がニヤニヤしたようにして、
「お前翠って……
ここはまず皇族であるルーを守るのが第一だろ」
そう言って揶揄ったようにして言うと続けて、
「俺も一緒に行くよ。
シャムア、ルーを頼む。
それから……」
そう言って見回すとセシルに投げキスをして、
「お前は俺が守るから安心してここに居ろ」
そう言うと幌から出て行った。
横ではブツブツとルーが負け惜しみの様に、
“僕だって守れる!”
そう言って龍星が去って行った方をきっと睨んだ。
でもルーの前にはシャムアが憚ってルーの身動きが取れない様にしていた。
僕はセシルの側に寄り耳を澄まして居たけど、
争う様な音や声は全く聞こえず、
どちらかと言うと聞き覚えのある様な話し声が聞こえて来た。
“あれ? この声は?”
そう思っているのと同時に龍星と龍輝が幌に戻って来た。
「はー別に奇襲とか何でも無かったよ。
唯……」
と来たところで、
「全く私も忙しいのにお前らと来たら」
そう言って父さんが龍星と龍輝に続いて顔を覗かせた。
「父さん?!」
僕がビクッりして叫ぶと、
「あれ? 貴方は小さい時にお会いしたことがある……」
そう言ってルーが顔を覗かせた。
僕が
“は?”
とした様に二人を交互に眺めると、
「リュシアンか。
大きくなったな」
そう言って父さんがルーを見た。
僕とセシルが、
「えー?!
二人とも知り合い?!」
そう大声を出すとルーが
「うん、小さい頃一度だけ会ったって言うか、
見かけたっていうか、
龍星や龍輝と一緒にいた所を」
そう言って父さんに近付いて行った。
そして父さんの顔をまじまじと見ると、
「貴方は翠のお父上という事で合っているのでしょうか?」
そう言ってルーは僕をチラッと見た。
父さんがルーの肩にポンと手を置くとシャムアがいつの間にか父さんの後ろ手に周り
父さんの首に短剣を突きつけて居た。
”ヒッ!“
僕が喉を惹きつけた様に固まると、
父さんはシャムアの短剣の刃に人差し指を付けると、
ヒョイっとそれを押し下げ
「お前には忍びのスキルがあるのだな。
それはどこで学んだ?」
そう言ってシャムアの方を振り向くと、
「忍びだと?
何のことを言っているのだ?!
私は忍びと言うスキルなど知らない。
私の属性はローグだ!」
そう言うとまた父さんの喉仏に刃を向けた。
父さんがフッと笑うとルーが、
「シャムア、止めないか!」
そう言ってシャムアを諌めた。
シャムアは、
「ですが殿下!
殿下をお守りするのが私の役目です!」
そう言うと、
「お前は何者だ?!
何故急に現れ馬車を止めた!
翠の父と言っていたがそれは本当か?!
まさか翠の父に化けていると言う事ではあるまいな?!
それにフジワラ氏は無事なのか?!
龍輝?! 龍星?!」
そう言って父さんを離そうとしなかった。
すると後ろから、
「おいおい、シャムアの殿下への忠誠も見上げたものだが、
デューデュー様に剣を向けて、お前、死ぬよ?」
そう言ってショウが姿を現した。
「フジワラ殿! ご無事でしたか!」
シャムアがそう言って後ろを振り返った瞬間、
父さんがスルスルと本来の姿に戻った。
“クックック”
と声を殺して笑うショウの横でシャムアは何かに気づいた様に後ろを振り返ると、
龍の姿になった父さんを見て
「うわー!!」
っと叫んで尻餅を付くと、
そのままその短剣を父さんに突きつけた格好のまま馬車の後方まで後退りした。
ローティ達は以前父さんの龍になった姿を見たことはあったけど、
場所が場所なだけに小さな姿だったので、
本来の大きな姿を間近で見て、
シャムアほどではないにしても少なからず驚いていた。
そんな彼らを後にセシルは
「デューデュー!」
やっぱり来てくれたのね!
会いたかったわ!」
そう言って龍の姿になった父さんの足に抱きつきに行った。
「お前は本当に人使いが荒いな!」
そう言う父さんを横に
ワナワナとしながら呆気に囚われるシャムアを前に
セシルはニヤッと笑うと、
「ルー! 貴方が言って居たデューデュー様はこの龍でしょ!」
そう言ってルーに顔を近づけた。
ルーは耳まで真っ赤になると、
コクコクと頷いて、
そっと父さんに近付いて行った。
そして恐る恐る父さんに震える手を伸ばすと、
「やっぱり貴方は居たんだ……
僕の中にはずっと
“世界一強いデューデュー様”
って言う言葉があって……
ずっと貴方に会いたいと思っていました……
貴方に会えたら私の探している人が誰かわかる様な気がして……
貴方に触れても構いませんか?」
ルーがそう尋ねると、
父さんがルーに向かって頭を下げた。
ルーは震える手を伸ばしながら
「デューデュー、ずっと貴方に会いたかった……」
そう言って父さんに触れた途端
“あっ……マ…グノリア……”
そう呟いてバタンと倒れ込んだ。
シューっと人の姿になった父さんが
「矢張り来たな」
そう言いながら倒れたルーをヒョイっと抱き上げると、
「上がるぞ」
そう言って幌の中へルーを運んで床に横たえた。
あまりにも一瞬の事だったけど、
いち早く我に返ったシャムアがバタバタと幌の中へ駆け込んできた。
ルーを囲んで立って居た父さんを始め
僕やセシルがシャムアの方を向くとシャムアはルーに駆け寄って来て、
床に寝かされたルーの前にひざまづくと僕達の方を振り返って
「お前達、ルーに何をした!
矢張りこの旅に連れてくるべきでは無かった!
俺はあんなに反対したのに!」
そう言って僕達に歯向かって来た。
そこでショウがトコトコとシャムアの前に出てくると、
シャムアの肩に手を置いて、
「シャムアよ、君の驚きは分かる!
私も初めてデューデュー様を見た時は驚いた物だ!
この世に、こんなにも美しい生き物が居るのかと魂が震えて堪らなかった!
デューデュー様はご自身の気高さを隠しておられるのだろうが、
隠しきれないこの後光の輝き!
私はデューデュー様の為であれば!」
そう叫んでいると、セシルがショウを押し退けて、
「シャムア、これがルーの尋ねて居た前世の記憶よ。
ルーは大丈夫。
ちょっと前世を思い出す旅に出てるの。
心配しなくても時期目覚めるわ」
そう言って床にひざまづき、
シャムアの目線に自分の目線を落とした。
「貴様、何を訳のわからない事を言っている!」
そう言うシャムアに、
「ちょっと待って、
ここでグダグダとしていても埒が空かないわ。
先も急ぐし、道中貴方には説明をするわ」
そう言うとショウの方を向いて、
「ショウ、馬車を出して。
シャムアには私が説明するわ」
そう言うとショウは、
「それではデューデュー様は私と一緒に旅の道中のお話でも?!」
と父さんを御者席へと誘っていたけど、
「ダメよ! デューデューはシャムアに
前世について説明する重要人物だから!」
そうセシルにバッサリ切り込まれ、
渋々と一人で御者席へと返って行った。
僕達も又幌の中に落ち着くと
ルーを囲んで座った。
でも皆んな父さんを遠巻きに座り込んだ。
シャムはいまだにイキリがって、
「この事についてはきっちりと説明してもらうからな!
全く人に姿を変える龍なんて今まで見た事も聞いた事もないぞ!
それも人と話まで出来るなんて……」
そう言うと、人の姿に変わった父さんをきっと睨んだ。
僕はハラハラとしていたけど、セシルはふふんとした様にしてシャムアを見上げた。
龍星と龍輝は相変わらずで、
ローティ達は事の行方を見守る様に少し離れて此方をチラチラと見ていた。
少し間があったけど、父さんがゆっくりと皆を見上げると、
また馬車がゆっくりと動き始めた。
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