68 / 201
第68話 矢野先輩炸裂
しおりを挟む
ドキン・ドキン
ドクン・ドクン
僕の緊張は極限まで達していた。
「あの……先輩……
それは……」
僕が言い淀んでいると、
「あれ? そこに居るのは浩二に要か?」
僕達が振り向くと、
そこに、さっきまで校舎入り口に居た、
佐々木先輩と、長瀬先輩が立っていた。
僕は佐々木先輩の顔を見て、
少しホッとした。
矢野先輩は僕のそんな表情を読み取ってか、
「何か用?」
と投げやりに佐々木先輩に聞いた。
「いや、用って言うか、
只お前ららしい姿が見えたから……
そうなのかな?って」
「僕は今ちょっと要君と
大切な話の途中だから」
そう言って矢野先輩は
僕の方をチラッと見やった。
どうしよう……
僕のハッキリとしない態度の所為で
二人の間にまで
ピりピりとした雰囲気が出てきている……
矢野先輩はあんなに僕の事を守ってくれたのに
これではきっと僕は嫌な子になってしまう。
それに矢野先輩は恐らく気付いている……
ここはもう堪忍して
本当の事を伝える時が来たんだ……
僕はそう思った。
「浩二、実はな、
俺からお前に大切な話があるんだ」
佐々木先輩がそう切り出した。
恐らく先輩は僕が居る状況を理解したんだろう。
横では長瀬先輩がイライラしたように
佐々木先輩を待っているのに、
先輩はそのまま会話を続けた。
僕は少しハラハラとし出した。
おそらく、僕のそんな態度に気付いたのか、
矢野先輩が折れてくれた。
「分ったよ。
で、何時その“大切”とやらな話をするんだい?
それには要君も入るの?」
矢野先輩がそう言った途端、
「そんな子があなた達の会話に
必要なわけないでしょう?
どこの馬の骨とも分からないような子、
裕也に近ずけないで!」
長瀬先輩がピシャリと言いやった。
「優香は関係ないから黙ってて。
君は裕也に相手にされないからって
裕也に関わる子、全てに牽制するのは
間違ってるでしょう?
要君にあれやこれや言う前に、
少しはそのわがままな性格を直したら?
僕達の行動まで
君に強制される言われは無いから!」
矢野先輩も容赦ない。
長瀬先輩はムッとして、
「裕也も何か言ってよ!
何故浩二って何時も私の事いじめるの?
少しは裕也を見習って
幼馴染を労わるくらいはしなさいよ!」
と佐々木先輩に怒鳴りつけた。
佐々木先輩は何も言わず、ただ
矢野先輩と長瀬先輩の会話を見守っていた。
矢野先輩は続けて、
「生憎僕は、僕が良いと思った様に行動するから、
いくら幼馴染といっても、
間違った事をしていたらそれを黙って
見てたりはしないから!」
そう長瀬先輩に言い切った。
「裕也!」
そう言って長瀬先輩は佐々木先輩の腕に抱き着いた。
長瀬先輩は櫛田君とは違い、
佐々木先輩に媚びたような行動ではない。
でも、佐々木先輩の事が好きすぎて、
他の人を近ずけたくないんだろうな、
と言う事は分かった。
「裕也もさ、何か言ったら?
君がそう言って優香を甘やかしているから
君に関わった子が酷い目に合うんでしょう?
僕はこれまでの事は、君自身の問題だったから
何も言わずに見逃してきたけど、
その敵意が要君に向くんだったら、
僕は黙ってはいないから!
優香も覚えておいて!」
そう言い切って矢野先輩は僕の手を取った。
佐々木先輩は恐らく長瀬先輩の居る手前、
僕の事が庇えなくて何も言えないんだろうと思った。
佐々木先輩も、矢野先輩とは違った形で
僕を守ってくれている。
僕にはどちらが正しいとは言えないけど、
でも、矢野先輩にはそれが感に触ったらしい。
矢野先輩は僕の手を取ったまま、
「体育祭の後携帯に連絡して」
そう言い残して、僕の手を引いて
その場を後にした。
ドクン・ドクン
僕の緊張は極限まで達していた。
「あの……先輩……
それは……」
僕が言い淀んでいると、
「あれ? そこに居るのは浩二に要か?」
僕達が振り向くと、
そこに、さっきまで校舎入り口に居た、
佐々木先輩と、長瀬先輩が立っていた。
僕は佐々木先輩の顔を見て、
少しホッとした。
矢野先輩は僕のそんな表情を読み取ってか、
「何か用?」
と投げやりに佐々木先輩に聞いた。
「いや、用って言うか、
只お前ららしい姿が見えたから……
そうなのかな?って」
「僕は今ちょっと要君と
大切な話の途中だから」
そう言って矢野先輩は
僕の方をチラッと見やった。
どうしよう……
僕のハッキリとしない態度の所為で
二人の間にまで
ピりピりとした雰囲気が出てきている……
矢野先輩はあんなに僕の事を守ってくれたのに
これではきっと僕は嫌な子になってしまう。
それに矢野先輩は恐らく気付いている……
ここはもう堪忍して
本当の事を伝える時が来たんだ……
僕はそう思った。
「浩二、実はな、
俺からお前に大切な話があるんだ」
佐々木先輩がそう切り出した。
恐らく先輩は僕が居る状況を理解したんだろう。
横では長瀬先輩がイライラしたように
佐々木先輩を待っているのに、
先輩はそのまま会話を続けた。
僕は少しハラハラとし出した。
おそらく、僕のそんな態度に気付いたのか、
矢野先輩が折れてくれた。
「分ったよ。
で、何時その“大切”とやらな話をするんだい?
それには要君も入るの?」
矢野先輩がそう言った途端、
「そんな子があなた達の会話に
必要なわけないでしょう?
どこの馬の骨とも分からないような子、
裕也に近ずけないで!」
長瀬先輩がピシャリと言いやった。
「優香は関係ないから黙ってて。
君は裕也に相手にされないからって
裕也に関わる子、全てに牽制するのは
間違ってるでしょう?
要君にあれやこれや言う前に、
少しはそのわがままな性格を直したら?
僕達の行動まで
君に強制される言われは無いから!」
矢野先輩も容赦ない。
長瀬先輩はムッとして、
「裕也も何か言ってよ!
何故浩二って何時も私の事いじめるの?
少しは裕也を見習って
幼馴染を労わるくらいはしなさいよ!」
と佐々木先輩に怒鳴りつけた。
佐々木先輩は何も言わず、ただ
矢野先輩と長瀬先輩の会話を見守っていた。
矢野先輩は続けて、
「生憎僕は、僕が良いと思った様に行動するから、
いくら幼馴染といっても、
間違った事をしていたらそれを黙って
見てたりはしないから!」
そう長瀬先輩に言い切った。
「裕也!」
そう言って長瀬先輩は佐々木先輩の腕に抱き着いた。
長瀬先輩は櫛田君とは違い、
佐々木先輩に媚びたような行動ではない。
でも、佐々木先輩の事が好きすぎて、
他の人を近ずけたくないんだろうな、
と言う事は分かった。
「裕也もさ、何か言ったら?
君がそう言って優香を甘やかしているから
君に関わった子が酷い目に合うんでしょう?
僕はこれまでの事は、君自身の問題だったから
何も言わずに見逃してきたけど、
その敵意が要君に向くんだったら、
僕は黙ってはいないから!
優香も覚えておいて!」
そう言い切って矢野先輩は僕の手を取った。
佐々木先輩は恐らく長瀬先輩の居る手前、
僕の事が庇えなくて何も言えないんだろうと思った。
佐々木先輩も、矢野先輩とは違った形で
僕を守ってくれている。
僕にはどちらが正しいとは言えないけど、
でも、矢野先輩にはそれが感に触ったらしい。
矢野先輩は僕の手を取ったまま、
「体育祭の後携帯に連絡して」
そう言い残して、僕の手を引いて
その場を後にした。
10
あなたにおすすめの小説
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
【完結】この契約に愛なんてないはずだった
なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。
そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。
数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。
身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。
生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。
これはただの契約のはずだった。
愛なんて、最初からあるわけがなかった。
けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。
ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。
これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる