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魔王の果実Ⅱ朽ちてゆく者【第9話】
しおりを挟む「こりゃ!メヒスト!そんなへっぴり腰でどうする!魔法陣が安定しとろらんだろうが!」
「ひぃいい~ベル様厳しい~!」
裏山で自らとメヒストに特訓を開始するベルル。
「“ボン”ふぇ~もう、無理ッス。」
「だらしないのぅ~。だが変化の時間がかなり伸びたのは成果ありじゃな。このまま続ければなんとかなりそうじゃな。」
ベルルのやる気とは裏腹に既にグロッキーのメヒスト。
「ふにゃ~。杖みたいな無機質な物に化けるのって、魔力つかうんスよ…動物なら暫くは大丈夫なんスけど…。」
「馬鹿タレ、動物でどうやって魔法陣を書くんじゃ!」
「あはは…。ですよね。って…もう疲れて動けないっスよ~ベル様~お腹もすいたっスよ~。」
「じゃな…。ほれ、黒ヤモリの姿干しじゃ。魔力が回復するぞ。」
「うぇ~他にないんスか~?」
ベルルのバックに手を差し伸べるメヒスト。
”ガサッ、ゴソッ。”
「馬鹿もん!何を勝手に人のバックを!」
「ジャーン!干し肉ゲット~♪」
「それはわしのじゃ!」
「モグモグ…ベルざま…ぐるいッス…ゴックン。ごちそうさま~。」
「まったくお前は…。一休みしたらまた始めるぞ。」
「ほーい!」
ベルルの脳裏にはマドリア討伐の鍵を握るのはこのメヒスト次第だと感じていた。
“赤の…魔法陣を完璧に仕上げられれば、あの馬鹿女の魔力には絶対負けん。”
そして1週間が過ぎた―
朝から新聞の束を拡げて記事を読み漁るベルル。
「あの後、ホームの様な不審火はあったのか?1ヶ所だけでは、デロッサの場所は特定出来ん…。ん?この記事…。」
”某国の港の海岸で陥没した穴が発見された。前日までは普通に車両が通っていたが、翌朝港湾の関係者が見たところ、2mにもおよぶ陥没箇所が見つかった。”
「間違いない…。あやつの魔術じゃ…この場所とあのホームを線で結ぶと…。くっ…これでは特定出来ん…。残りのピスコリングの場所さえ分かればなんとかなるんだが…。」
すると店先から知らぬ声が。
「分かるよ、でもあと2つだけだ。」
店が開かないのに、何故声がするのか驚いて店へ。
「な、なんじゃ?どうやって入って来た。おぬしは…。もしや魔界の者か?」
少年が口を開く。
「あんたがベルルだね。質問は一つずつ答えるよ。壁を抜けて来た。そう、魔界から来た。」
無愛想な少年で見た目こそ幼い感じだったが魔力の感じがただ者ではないと瞬時に感じたベルルだった。
「なんじゃ?こやつ…。名はなんと言う?誰からここを聞いてきた?ここに来た目的はなんじゃ?」
面倒くさそうに答える少年。
「名前はラナリュ。ミハエル様から。マドリアっていう魔女を倒す手助けをしろってさ…。もういい?おばさん。俺、質問されるの嫌なんだ、これミハエル様から。」
手に水晶玉を渡される。
「お、おばさんって…くっ…。間違いないか…。愛想のない可愛くない坊主よのう…。これをミハエルが?」
水晶に触れると、ミハエルが映像で現れた。
“ベルルよ、これを見ている頃にはピスコリングのありかももうわずかになっているはずだ、マドリアは禁術庫パンドラからもいくつか書籍を盗んでいて、ピスコリングの位置も大体把握して、動いているようなのだ…。ベルルに討伐を任せたのに、魔界指令から急がないと、先にマドリアが壺の封印を解いてしまうと…。で、魔界指令からマドリア討伐をそのラナリュと一緒に頼むと…。すまない…。“
第10話へ続く
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