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魔王の果実Ⅱ朽ちてゆく者【第10話】
しおりを挟む「何がすまんじゃ!お前は上役人の言いなりか!このたわけ者、こんな坊主をよこしおって、人を馬鹿にするのもいい加減にしろ!」
そんなベルルの発言に、ムッとするラナリュ。
「おばさん、あんまり坊主、坊主言わないでほしいな…。これでも俺、おばさんと同じ魔導師なんだけどさ…。ふーん…。ミハエル様から聞いてたより、おばさんの…魔力大したことないね。」
何を感じとったかベルルの頭からつま先までを撫でる様に見つめるラナリュ。
「ま、魔導師?おぬしが?そんな年ではないじゃろうが、あまり大人をからかう…。”ヒュン”…。な?どこへ消えた?」
「なんだおばさんち、あんまり良いもの食べてないね…。飲み物ないの?俺コーラがいいな。」
一瞬のうちにベルルの元から台所へ移動し冷蔵庫を覗くラナリュ。
「ば、馬鹿な…。今確かに目の前にいたはずなのに…。おぬしどうやって…?」
「新しい魔術だよ、おばさんが魔界にいた時には無かったでしょ?空間移動術って言うんだ。アハハ…なんて顔してるの?おばさんには刺激強すぎたかい?」
「空間移動…。まさか?次元再生魔法が…完成されたのか?…。」
「へぇ…。さすがに知ってるんだ…まあ、当たり前だよね、随分前におばさんが魔導師だった頃、書いた論文だものね…。ちょっとショックだったかな?」
「…。その年で魔導師の資格を持ったとすれば、おぬしが…再生魔法を解いたのか?わしが半世紀もかけて解けなかったものを…」
「ま、詳しい話はいずれね…。それにしても遅いね、おばさんの相棒。いつも朝食時に現れるんでしょ?なんか買ってきてくれないかな…。」
ベルルの胸の内は穏やかではなかった。
“なんという魔導センスじゃ…魔力も王族クラス…年の頃は人間なら12、3か…しかし…一長一短で解けるものではないぞ…あの次元再生魔法は…。ミハエルもミハエルじゃ…よりによってわしより優れた…ましてや年下の魔導師を送りおって。”
その頃メヒストは裏山で隠れて、赤の魔法陣の練習をひたすらしていた。
「ヘックシッ!あれ?風邪ひいたかな?それともまたベル様…僕の悪口を言ってるんじゃ…。」
すると茂みから人影が現れる。
「くらえ…。バストラ!!」
“ズバーン!!”
メヒストの身体が爆風とともに弾けとぶ。
「グハッ!…。“バタッ”」
倒れるメヒスト…。その微かな目に映った人物は。
「あ…れ…は…?マド…リア…なん…で…?ぐふっ。」
第11話へ続く
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