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「叔母様、なんでそいつもいるんですか!」
ノアは嫌そうな顔をして、リリスを見た。リリスは上機嫌で笑っていた。
「ノアだってソフィーちゃん好きでしょ?」
「好きじゃないです!」
ノアは大声で反論した。
「あら、違うの?今日のソフィーちゃんは1段とかわいいっていうのに」
今日のソフィーは髪を巻き、リボンを頭の後ろにつけて、可愛らしいドレスを着ていた。そしてうさぎのぬいぐるみにもリボンがついていた。
「ソフィーちゃん以上に可愛い子は居ないわ」
リリスはソフィーの頭を撫でた。
「分かりましたから、行きますよ」とノアは呆れて言い、馬車のドアを開けた。
サーカスが来ていたのは街の真ん中だった。サーカスがある建物の中に入ると、たくさんの人たちが所狭しと座っていた。
「私たちは、特別席よ 」
リリスはソフィーとノアを連れて、人がいないところへ行った。そして3人は高級そうな椅子に座った。
「こんなところいつ予約したんですか」
「私にはたくさんお友達が居るのよ」
リリスは扇を仰ぎながら小さく微笑んだ。
「ほら始まるわよ」
ソフィーは檻や、上の方にある縄などを不思議そうに眺めていた。
ヒゲの濃い豪華な服を着たおじさんが出てきて、その後ろから玉に乗ったり、ライオンに乗ったりした人達が出てきた。綺麗な女性だった。その女性がやっていたのは綱渡りで、綱の上でたくさんの技を披露していた。だが1度だけその女性は足を滑らせてクッションへ落っこちてしまった。
サーカスはあっという間に終わってしまい、ソフィーはその余韻に浸っていた。
「ソフィーちゃんはどれが好きだった?」
「縄の上を歩いてる人、綺麗だった」
ソフィーはその綱をずっと見ていた。
「確かに綺麗だったわね。確かあの子はベティって言ったはずだわ」
「ベティ?」
「裏方へ回ってみましょ、ベティに会えるかも。さ、ノアも行きましょうよ」
リリスはノアとソフィーの手を取って裏方へと向かった。裏方では舞台に出ていた人たちが慌ただしく働いていた。そのとき、少女の甲高い声が聞こえてきた。
「団長!もう失敗なんかしませんから!」
「それが問題じゃぁないんだよ。金がねぇんだから解雇するしかねぇだろ」
あのヒゲの濃い団長が申し訳なさそうに黒髪の女性にそう話していた。
「どうなさったの団長さん」
「あ!これはこれはウィリアム夫人。ご無沙汰しております」
団長は帽子を取り、会釈した。
「何かあったの?」
「…それがですね、この子を解雇しなければいけなくなってしまって」
それはさきの黒髪の女性だった。右目の周りに 火傷のようなあざがあった。
「もしかしてあなた、綱渡りしてた子?」
その女性は「はい」と俯きながら一言言った。その女性はベティだった。
「どうにかここには置けないの?」
「どうにもこうにも最近お客が減ってしまって、解雇なんてしたかないですけど、サーカスを続けるにはやるしかないんです」
ソフィーはリリスの腕をぎゅっと掴んだ。
「ソフィーちゃん?どうしたの?」
「ベティとお家で暮らしたい……」
ソフィーはリリスの腕を掴みながら小声で言った。リリスはベティを見た。
「あなたはなんでサーカスにいるの?」
「わ…私は、親に捨てられて、無理やりここに入れてもらったんです。ここから追い出されたら金なんてすぐ無くなるし、そしたら盗むしか…」
「綱渡りが好きなわけじゃないの?」
リリスはベティの背丈まで腰を下ろし首を傾げた。
「好きなわけじゃない。生きるためです。今日落っこちたのもとても怖くて…」
リリスは立ち上がり団長の方をまっすぐと見た。
「団長さん、この子私が引き取りますわ」
「え!?ほ…ほんとですか?そうしてくれれば私も安心して嬉しいですけど」
団長は驚いたがすぐに嬉しそうな笑顔になった。
「良かったわ。あなたは今日から私の子よ」
ノアは嫌そうな顔をして、リリスを見た。リリスは上機嫌で笑っていた。
「ノアだってソフィーちゃん好きでしょ?」
「好きじゃないです!」
ノアは大声で反論した。
「あら、違うの?今日のソフィーちゃんは1段とかわいいっていうのに」
今日のソフィーは髪を巻き、リボンを頭の後ろにつけて、可愛らしいドレスを着ていた。そしてうさぎのぬいぐるみにもリボンがついていた。
「ソフィーちゃん以上に可愛い子は居ないわ」
リリスはソフィーの頭を撫でた。
「分かりましたから、行きますよ」とノアは呆れて言い、馬車のドアを開けた。
サーカスが来ていたのは街の真ん中だった。サーカスがある建物の中に入ると、たくさんの人たちが所狭しと座っていた。
「私たちは、特別席よ 」
リリスはソフィーとノアを連れて、人がいないところへ行った。そして3人は高級そうな椅子に座った。
「こんなところいつ予約したんですか」
「私にはたくさんお友達が居るのよ」
リリスは扇を仰ぎながら小さく微笑んだ。
「ほら始まるわよ」
ソフィーは檻や、上の方にある縄などを不思議そうに眺めていた。
ヒゲの濃い豪華な服を着たおじさんが出てきて、その後ろから玉に乗ったり、ライオンに乗ったりした人達が出てきた。綺麗な女性だった。その女性がやっていたのは綱渡りで、綱の上でたくさんの技を披露していた。だが1度だけその女性は足を滑らせてクッションへ落っこちてしまった。
サーカスはあっという間に終わってしまい、ソフィーはその余韻に浸っていた。
「ソフィーちゃんはどれが好きだった?」
「縄の上を歩いてる人、綺麗だった」
ソフィーはその綱をずっと見ていた。
「確かに綺麗だったわね。確かあの子はベティって言ったはずだわ」
「ベティ?」
「裏方へ回ってみましょ、ベティに会えるかも。さ、ノアも行きましょうよ」
リリスはノアとソフィーの手を取って裏方へと向かった。裏方では舞台に出ていた人たちが慌ただしく働いていた。そのとき、少女の甲高い声が聞こえてきた。
「団長!もう失敗なんかしませんから!」
「それが問題じゃぁないんだよ。金がねぇんだから解雇するしかねぇだろ」
あのヒゲの濃い団長が申し訳なさそうに黒髪の女性にそう話していた。
「どうなさったの団長さん」
「あ!これはこれはウィリアム夫人。ご無沙汰しております」
団長は帽子を取り、会釈した。
「何かあったの?」
「…それがですね、この子を解雇しなければいけなくなってしまって」
それはさきの黒髪の女性だった。右目の周りに 火傷のようなあざがあった。
「もしかしてあなた、綱渡りしてた子?」
その女性は「はい」と俯きながら一言言った。その女性はベティだった。
「どうにかここには置けないの?」
「どうにもこうにも最近お客が減ってしまって、解雇なんてしたかないですけど、サーカスを続けるにはやるしかないんです」
ソフィーはリリスの腕をぎゅっと掴んだ。
「ソフィーちゃん?どうしたの?」
「ベティとお家で暮らしたい……」
ソフィーはリリスの腕を掴みながら小声で言った。リリスはベティを見た。
「あなたはなんでサーカスにいるの?」
「わ…私は、親に捨てられて、無理やりここに入れてもらったんです。ここから追い出されたら金なんてすぐ無くなるし、そしたら盗むしか…」
「綱渡りが好きなわけじゃないの?」
リリスはベティの背丈まで腰を下ろし首を傾げた。
「好きなわけじゃない。生きるためです。今日落っこちたのもとても怖くて…」
リリスは立ち上がり団長の方をまっすぐと見た。
「団長さん、この子私が引き取りますわ」
「え!?ほ…ほんとですか?そうしてくれれば私も安心して嬉しいですけど」
団長は驚いたがすぐに嬉しそうな笑顔になった。
「良かったわ。あなたは今日から私の子よ」
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