奴隷少女は公爵夫婦に助けられました

ニチカ

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ソフィーはリリスが呼んだ家庭教師と一緒に勉強をしていた。

「ソフィーはちゃとやれてますか?」

アーサーがそう言いながら部屋へ入ってきた。ソフィーは真剣にペンで文字を書いていた。

「領主様、この子、とても静かで、素直な子ですよ。言ったことはちゃんとやりますし。けれどもまったく口をききませんね。うんともすんとも言わないのです」

紺色のドレスを着て、丸メガネを掛けたいかにも勉強が出来そうな女性家庭教師だった。

「まだ来て2週間ほどですからな、私にも最低限のことしか話しませんよ」

アーサーは目をつぶり、「ははは」と笑った。家庭教師はソフィーを見て心配そうにしていた。

「領主様笑い事じゃございませんわ!貴族の娘がこれでは周りに笑いものにされてしまいます。私がビシバシと教育させていただきます」

「そんな厳しくしなくていいです、先生。この子には自由にのびのびと過ごして欲しいだけですからな」

ソフィーはやっとアーサーがいることに気がつき、アーサーの方を向いた。

「とても集中していたね」

ソフィーはコクリと頷いてからまた文字を書き始めた。アーサーはソフィーが書いているものを見て首を傾げた。

「これ、先生が教えたんですか?」 

「はい?なんのことです?」

家庭教師も覗き込んだ。家庭教師はそれを見てあっとおどろいた。

「シンデレラの物語じゃないですか!こんな長文をこんな早く書けるだなんて!」

「ソフィーこれどこで覚えたんだ?」

「リリスがいつもお姫様の本を読んでくれて……」

ソフィーはシンデレラの物語を書きながら言った。アーサーは本棚からシンデレラを取り出し、ソフィーの書いているものと照らし合わせてみた。書いているものが全く一緒だったのだ。

「本の文字を覚えたんですかね」

「さ…さぁ、それでも、こんな早くに文字を覚えられる子はそうそういたものじゃありませんよ。たとえ10歳だとしても、とてつもない記憶力を持っていますよこの子」

2人ともソフィーを見てあっと驚いていた。

「本当に凄いです。この子には教えがいがありそうですね」

「あまり厳しくしてやらないでくださいね」




「ソフィーちゃん、私のことはママって呼ぶのよ」

リリスは人差し指を立てて、首を傾げるソフィーに向かって言った。

「………ママ?」

「そうよ!私のことはママって呼ぶのよ」

ソフィーはコクリと頷いた。リリスは嬉しそうに笑って、後ろからうさぎのぬいぐるみを取り出した。ピンク色のネックレスをつけたぬいぐるみだった。

「ソフィーちゃんと同じ、ネックレスをつけてるのよ。色は違うけどね」

ソフィーはモフモフのそのぬいぐるみが気に入ったのかギュッと抱きしめた。

「気に入ってくれたみたいで良かったわ。そうだ!明後日ね、ノアがサーカスに連れて行ってくれるって言ってたのよね!一緒に行きましょうか」





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