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ソフィーとリリスは庭園に居た。ソフィーは日傘をさすリリスと庭の花の名前を教えて貰っていた。ソフィーは花の匂いをかいでまわっていた。

「お花はいい匂いだものね。ふふ」

リリスは庭を回って歩くソフィーを見て、嬉しそうに笑っていた。 

「叔母様!」とそう少年の声がはっきりと聞こえた。

リリスはソフィーから目を離してその声の方を見た。

「あら、ノアいらっしゃい」

「リリス叔母様、探しましたよ。これからパーティに行くというから迎えに来たのに」

ノアは15、6歳ぐらいの白髪の顔の整った青年だった。ノアは眉間に皺を寄せ、不服そうな顔をしていた。

「パーティー?なんのパーティーだったかしら。ソフィーちゃんのことばかり考えていたから忘れていたわ」

「ソフィーちゃん?犬でも飼ったんですか?」

ノアは首を傾げた。

「ソフィーちゃん、ちょっといらっしゃい」

リリスが声をかけるとソフィーは庭の奥の方からひょっこり顔をだした。

「この子、私の甥っ子。ノアって言うのよ。かっこいい甥っ子でしょ?」

リリスはソフィーに向かってニコニコとノアのことを自慢した。ノアはソフィーのことをじっと見ていた。

「パーティーは欠席すると言っときましょう。ノア、ソフィーちゃんと一緒に紅茶でもどう?ノア?」

「……え?あぁ、そうします」

リリスは頭にハテナを浮かべてから、ぷぷっと笑った。

「ソフィーちゃん可愛いでしょ?」

ノアは顔を真っ赤にして「はぁ!?」と大声で言った。

「違いますよ!」

「ソフィーちゃーん!ココア入れてあげるからいらっしゃい」

ソフィーは大きな目をキラキラさせてリリスの方に近寄った。

「さぁ、ココア飲みましょ」

リリスはソフィーの手を取って椅子に座らせた。

「ノアも、座ったら?」

「あ…はい」

ノアもソフィーの目の前に座った。ソフィーはまったくノアに興味は示さず嬉しそうにココアを飲んでいた。 

「この子は養子ですか?」

「養子にはまだしていないけどするつもりよ」

ノアはソフィーのガリガリの体を見た。

「なんでこんな体が細いんですか?」

「元々奴隷商人に捕まっていた奴隷だったんだけど、アーサーがその奴隷商人を捕まえて、奴隷達を解放したの。その中でソフィーちゃんだけ凄い衰弱してたからここに連れてきたのよ」

「元々奴隷?そんなものをここに住まわせているんですか」

ノアは堅苦しくリリスに反論した。 

「奴隷だったから何?ソフィーちゃんはもう私の子なの。奴隷なんて関係ないわ。この子は私とアーサーが育てるわ」

リリスはソフィーのあたまを撫でた。

「まだ分からないことだらけでしょうけど、住んでいるうちに分かってくるわ。ね」

 

























    
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