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王様ゲーム編

王様ゲーム編 第一話

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そして、仕事にもだいぶ慣れた金曜日

初めましての挨拶は順調に進み、賢くメガネをかけている男性の鈴木さんと、これまたメガネをかけている女性の高橋さんに挨拶することができた

社長から頼まれたコピーを山本さんと、一緒に作業していた時

定時直前の時に山本さんが「そういえば、なぎくんの歓迎会してないっすよね!」と言ってきた

歓迎会か…前の会社の時は、Ωなんて歓迎されない感じだったし…例え、数人の社長秘書チームだとしても、迷惑かけてしまう…だから「僕の歓迎会なんてそんな…それに、門限もう少しなんです…」

「門限ってなんすか?」

「門限ってのは…社長が…決めちゃって…」

「ふぇ~新手の束縛彼氏ってやつすか?」

「そ、そうかな…?」

束縛か…しかも、まだ付き合ってもないし…好きかどうかも…

というか、彼氏っていうこと否定しないと!

「山本さん!!彼氏じゃないですからね!!」

「え、じゃあ、俺にも可能性あるってこと?」と言って、近づいてきた 

近づいてくる度に、一歩づつ下がる

数歩進んだところで、壁にぶつかってしまった

行き場がなくて、どこかに行けるかと目をキョロキョロしながら探す

そして、ピタッと止まって顔を近づけられそうになり「嫌っ!!!」と言ってしまった

翔唯さんが、近づいてきた時は嫌って思わなかったのに…。運命の番だから?

「笑笑笑そんなの冗談すっす!俺っち、彼氏って言うか彼女いるっす!」とニコッと笑って、自分の席に戻って行った

僕は、まだコピーの仕事があるので、コピーの前で仕事をする

山本さんのカタカタと、キーボードを打つ音とコピー機が印刷する音だけが響き渡る

カタカタという音は止まり、山本さんが「やっぱり、歓迎会した方がいいよっすよ!」と言った

「いや、でも…」と言ったところで、18時を知らせるゴーンゴーンという音が聞こえたけど、コピーが終わってないから、あと少しだけ仕事をする

そしたら、山本くんがガバッと立ち上がって「俺!社長に直談判しに来ますっす!」と言って、社長室に行ってしまった

なんで、そんなに歓迎会をしたいのだろうか…?

僕のことを歓迎してくれる気持ちは有難いけど、気持ちだけでいいし…どうせ3ヶ月後には、ここにはいない。あ、そういえば、もう、3ヶ月もないのか…早いなぁ~

って、最近、スパイ活動できてないし…3ヶ月ってのはあっという間かも…と時の流れの速さを感じていたら「バン!!」と勢い良く部屋のドア開いて「なぎくん!!ちょっと来てっす!!」と山本さんの声がドアの方からしたので、振り返ると手招きしている山本さんがいて、ササッと山本さんのところへ走る

 「やっぱり、ダメでした…」

ですよね~門限に厳しい翔唯さんが、そんなこと許してくれるわけない…

「本当に大丈夫です!歓迎してくれる気持ちだけで十分なんです!!」

「でも、なぎくんの、酔っ払った姿見てみたいし…」

そ、それが目的!?
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