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婚約との交換で出てきたモノは
しおりを挟むーーパーティー参加のとある侯爵令息目線ーーー
悪臭が立ち込めるパーティー会場。
清潔な空間に慣れている貴族には耐え難い空間になっていた。
原因はイーサン バンキー伯爵令息。
先ほど彼から異臭が漂っているのだ。
原因はよく分からない。
ただ一つ分かるのは、彼が婚約者がいる身でありながら、
別の女性を同伴した上に、公衆の面前で婚約者に婚約破棄を叩きつける非常識な人間だということ。
私を含む複数の人間が彼を諫めようと動いたところ、急な異臭に襲われたのだ。
◆◆
イーサンが慌てて、私に詰め寄ってくる。
「お、お前!俺に何をした!!」
(これは成功ですわね!)
「知りませんわ。こちらではなく、お手洗いに行ってくださいませんこと?
バンキー伯爵家の品位を疑いましてよ?」
イーサンに降ってきたのは、そう、地球の不用品。
の中でも、悪臭がひどいもの。
汲み取りトイレの「中身」である。
(田舎のお祖母様のお宅にもありましたわね、ボットン便所。
まさかあれを引き当てるなんて。さすがゴミ男のイーサン様!)
どうやら汚物が、イーサンのジャケットの首筋から入ったようである。
白地のパーティースーツのお尻の方が汚れてしまっている。
パーティの参加者は怪訝な目でイーサンを遠巻きに見つめながら、ひそひそ話をしている。
「イーサン様のお召し物、ほら、見てごらんなさい」「いい歳してみっともない」
などと聞こえる気がするが、まぁ自業自得ですわね。
すぐにパーティー主催者のジンジャード侯爵夫妻がやってきて、イーサンを救護室に案内して(退出させて)くれた。
◆◆
「お嬢様、本日はもうお帰りになりませんか?」
私の従者のライト・オプソンが、心配げな表情で声をかけてくる。
「そうですわね、これ以上こちらに残っても皆様のご迷惑でしょうし、本日はお先に失礼致しましょう。」
ライトは、彼は、幼少期からの私の遊び相手(幼馴染)で、マネフォード家に代々仕えるオプソン家の次男である。
容姿は前世だったらアイドルと言われても不思議ではないほど。
銀髪長身で、腰まで伸ばした長髪を1つに束ねている。
右目の下にある泣きぼくろが何ともセクシーな雰囲気を醸し出している。
が、その中身はかなりの腹黒・毒舌。お金大好き人間。
かなり癖が強いものの、私とは気が合うので、ビジネスパートナーの1人としても信頼している。
帰りの馬車の中、
「お嬢様、本日は何を交換されたのですか?」
「イーサン様との婚約ですわ。」
「あのクズ男との婚約の代わりに出てきたものが、先ほどの異臭の塊ということですね。
さすが、お嬢様、物事の価値を正しく捉えてらっしゃる。」
ライトには私のスキルについては「物事を交換できる特殊なスキル」としか伝えていない。
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