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専属侍女カーリンの報告
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昔の回想が少し長くなったが、馬車に揺られ、ようやく家に着いた。
使用人が並んでお辞儀をしながら迎えてくれるなか
「おかえりなさいませっ、お嬢様!」
一際、元気に私を迎えてくれるのは、専属侍女のカーリン。
彼女が、グレーブラウンの髪、パープルの眼をもつ、人懐っこい犬のような可愛らしい女の子で
数年前に、領地の視察のときに、偶然、奴隷商に売られそうになっているところを見かけて拾ってきた。
年齢は私より4つ上の19歳だが、妹のようにしか見えない童顔。
最初はマナーや敬語はもちろんのこと、字も読めなかったが、
ものすごい努力で侍女の仕事を完璧に身に付けて、
今では、私の専属侍女としてしっかり働いてくれている。
「カーリン、いつもお出迎えありがとう。今日もよろしくお願いしますね。」
と言って、頭を撫でてあげると、見えないしっぱが振り切れんばかりの喜びを見せてくれる。
いつも私の着替えで好みの服を準備してくれるし、好みのお菓子もさりげなく置いてくれるし、とても気が効くのよね。
◆◆
「さてカーリン。今日の報告をお願いできますこと?」
カーリンには、侍女とは異なるもう一つの裏の仕事をしてもらっている。
それは、公爵邸の中で起こる「問題のある出来事」を調べてくること。
表向きは、”お嬢様の差し入れ”を配り歩く差し入れ係。
これで結構いろいろな「家の膿」を拾うことができるのだ。
「はい、ご報告いたします。
まず、本日は、マネフォード騎士団の団長のジュリス・ナイル様が、
騎士団に追加の経費を支給するように嘆願に来られました。
それを、本邸の執事であるピエール・バラム様が追い返されました。」
おかしいですわね。執事に騎士団のことに口を出す権限は割り振っていないのだけれど?
「どうしてピエールがそのようなことをしたのかしら?お父様はいらっしゃいませんでしたの?」
「はい、ご当主様は、本日も鍛錬所にいらっしゃったので、騎士団長様にはお会いになっていません。
執事のピエール・バラム様は、武に優れており、ご当主様が直々に採用された方。
誰も文句は言えません。」
こんっの、脳筋一家めっ!
「すぐに対応しますわ。では次を。」
「あとは、先ほど冒険者ギルドからの使いが来て、門番に手紙を渡したところを見たのですが、
本日はまだ、本邸に何の書類も届いておりません。」
冒険者ギルドは、国からの独立機関であるが、領の安全のために協力してもらっている。
彼らからの手紙を無視することがあれば、この家の沽券に関わる。
「手紙の行方を調べてちょうだい。では次を。」
「調理室で、”わがままなお嬢様が料理を食器ごと全て床に捨てた。
うちの料理人たちはゴミを出すのか?と癇癪を起こした”という噂が流れておりました。」
は?私は食べ物を粗末にしたことはありませんわよ?
いつも美味しい食事に感謝していましたの。
また悪意を持つ者が紛れているのかしら?
「この件については、私も腹が立ちましたので、
いつもお嬢様が美味しく完食されて感謝されていたことを繰り返しお伝えしておきました。
それに、いつも食器を引き取る小間使いが挙動不審でしたし、
その子に日頃の感謝をしっかりと皆が聞こえるように伝えておきました。
あわせてお嬢様の差し入れの”ハンドクリーム”も料理長をはじめとする皆様に手渡しておきました。」
誰の仕業か分からないけれど、まだ家の掃除が足りないようね。
「私に考えがあるわ。近いうちに一緒に行きましょう。
まだ何か問題はあったのかしら?」
「はい、お嬢様!喜んでご一緒させていただきます!
そして、まだまだございます!」
この家、起こる問題が多すぎませんことっ??
使用人が並んでお辞儀をしながら迎えてくれるなか
「おかえりなさいませっ、お嬢様!」
一際、元気に私を迎えてくれるのは、専属侍女のカーリン。
彼女が、グレーブラウンの髪、パープルの眼をもつ、人懐っこい犬のような可愛らしい女の子で
数年前に、領地の視察のときに、偶然、奴隷商に売られそうになっているところを見かけて拾ってきた。
年齢は私より4つ上の19歳だが、妹のようにしか見えない童顔。
最初はマナーや敬語はもちろんのこと、字も読めなかったが、
ものすごい努力で侍女の仕事を完璧に身に付けて、
今では、私の専属侍女としてしっかり働いてくれている。
「カーリン、いつもお出迎えありがとう。今日もよろしくお願いしますね。」
と言って、頭を撫でてあげると、見えないしっぱが振り切れんばかりの喜びを見せてくれる。
いつも私の着替えで好みの服を準備してくれるし、好みのお菓子もさりげなく置いてくれるし、とても気が効くのよね。
◆◆
「さてカーリン。今日の報告をお願いできますこと?」
カーリンには、侍女とは異なるもう一つの裏の仕事をしてもらっている。
それは、公爵邸の中で起こる「問題のある出来事」を調べてくること。
表向きは、”お嬢様の差し入れ”を配り歩く差し入れ係。
これで結構いろいろな「家の膿」を拾うことができるのだ。
「はい、ご報告いたします。
まず、本日は、マネフォード騎士団の団長のジュリス・ナイル様が、
騎士団に追加の経費を支給するように嘆願に来られました。
それを、本邸の執事であるピエール・バラム様が追い返されました。」
おかしいですわね。執事に騎士団のことに口を出す権限は割り振っていないのだけれど?
「どうしてピエールがそのようなことをしたのかしら?お父様はいらっしゃいませんでしたの?」
「はい、ご当主様は、本日も鍛錬所にいらっしゃったので、騎士団長様にはお会いになっていません。
執事のピエール・バラム様は、武に優れており、ご当主様が直々に採用された方。
誰も文句は言えません。」
こんっの、脳筋一家めっ!
「すぐに対応しますわ。では次を。」
「あとは、先ほど冒険者ギルドからの使いが来て、門番に手紙を渡したところを見たのですが、
本日はまだ、本邸に何の書類も届いておりません。」
冒険者ギルドは、国からの独立機関であるが、領の安全のために協力してもらっている。
彼らからの手紙を無視することがあれば、この家の沽券に関わる。
「手紙の行方を調べてちょうだい。では次を。」
「調理室で、”わがままなお嬢様が料理を食器ごと全て床に捨てた。
うちの料理人たちはゴミを出すのか?と癇癪を起こした”という噂が流れておりました。」
は?私は食べ物を粗末にしたことはありませんわよ?
いつも美味しい食事に感謝していましたの。
また悪意を持つ者が紛れているのかしら?
「この件については、私も腹が立ちましたので、
いつもお嬢様が美味しく完食されて感謝されていたことを繰り返しお伝えしておきました。
それに、いつも食器を引き取る小間使いが挙動不審でしたし、
その子に日頃の感謝をしっかりと皆が聞こえるように伝えておきました。
あわせてお嬢様の差し入れの”ハンドクリーム”も料理長をはじめとする皆様に手渡しておきました。」
誰の仕業か分からないけれど、まだ家の掃除が足りないようね。
「私に考えがあるわ。近いうちに一緒に行きましょう。
まだ何か問題はあったのかしら?」
「はい、お嬢様!喜んでご一緒させていただきます!
そして、まだまだございます!」
この家、起こる問題が多すぎませんことっ??
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