【完結済み】午後の微熱(20代♂ × 40代♀)

苑々

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翔太が玄関に向かう背中を見送りながら、涼子の中には説明のつかない衝動が渦巻いていた。

理性では止めなければならないと分かっている。

だが、その一方で、夫との冷え切った関係の中で忘れていた「自分が女である」という実感が、翔太の存在によって強烈に呼び覚まされていた。



「あの、ちょっと…待ってください。」

涼子は咄嗟に声をかけた。

振り返った翔太は少し驚いたような顔をしたが、すぐに柔らかい笑みを浮かべて「どうしましたか?」と返した。

どう答えるべきかわからないまま、涼子は近づいていく。

距離が縮まるにつれて胸の鼓動が早くなる。

目を逸らしたいのに、翔太の視線に引き寄せられるようにして、涼子はその場に立ち止まった。



「さっきは…ごめんなさい。」

何を謝る必要があるのか自分でもわからなかった。

ただ、翔太が自分の心をかき乱していることを無意識に言い訳しようとしているかのようだった。

翔太は首をかしげながら「謝ることなんてされていないですよ」と優しく答える。

その瞬間、涼子の中で何かがはじけた。



気づいたときには、涼子の手が翔太の腕に触れていた。

翔太は一瞬驚いたようだったが、すぐに涼子の手に触れ返す。

その手の温かさと力強さに涼子は抗えなかった。

うつむく涼子の顔を、翔太がそっと覗き込む。

「奥さん…いいんですね?」と小さく囁いた。

その声は抑えきれない情熱を秘めていた。



*



答える間もなく、翔太の手が涼子の頬に触れ、唇が重なった。

長い間感じたことのない熱が全身に走る。

涼子は、最初こそ躊躇していたものの、次第にその情熱に身を委ねていった。

二人はそのままもつれるようにリビングの奥へと移動し、ソファに座り込む。

翔太はその場で涼子を抱きしめた。

彼のたくましい腕に包まれながら、涼子は夫との冷え切った日々を思い出し、自分がどれほど触れられることに飢えていたのかを痛感する。

翔太の若々しい動きに涼子は圧倒された。

彼の唇が首筋から胸元に移動すると、涼子は自分の中に眠っていた欲望が次第に解き放たれていくのを感じた。



「こんなこと…ダメなのに。」

涼子は微かに呟いたが、その言葉に翔太は「奥さんが嫌じゃないなら、俺も止まれないです」と答えた。

その言葉に涼子は涙ぐみそうになる。

彼の若さと純粋さが、自分の内面にある飢えた孤独を優しく満たしていくようだった。

二人の身体は次第に熱を帯び、激しく求め合った。

翔太の若さゆえの少々荒々しい愛撫と、それに応える涼子の成熟した感性が奇妙に調和し、一つの流れとなって彼らを包み込む。

抑えられなかった本能的な行為の中で、涼子は生まれ変わったかのような解放感を味わった。



何度か絡み合った後、二人はソファに寄り添って座った。

涼子は彼の隣で静かに息を整えながら、自分がしてしまったことの意味を考え始めた。

だが、その余韻は罪悪感よりも満たされた感覚に包まれていた。
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