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第1章 暴力による報復を好むものは、いつだって安全地帯の傍観者
1-1 4英傑ウノーの「天才聖女」への劣等感
俺の名前はウノー。
辺境伯の息子であり、前世も今世でも大好きだった聖女「オルティーナ」の幼馴染だった。
幼少期から俺は剣も学問も好きで、昔から鍛錬ばかりやっていた。
もっとも魔法についてはどうも気質的に好きになれなかったため、殆どやらないで※闘気術の方を専攻していたが。
(※本作ではゲームバランスの都合上、PCキャラは必ず魔法か闘気術のいずれかを習得できる。それが作中では『学校での選択科目だった』という形で反映されている)
「おお、すごいなウノー。さすが私の息子だ」
「ええ。今度の学校も特待生なのね? お金がかからなくて嬉しいわ?」
辺境伯は税収こそそれなりに多いが、国境警備に資金をつぎ込まなければならないこともあり、あまり贅沢することは出来ない。
そのため、俺が特待生で入学したときには喜んでくれた。
……だが。
「あれ、ウノー? あんたも特待生で入学したんだ? 私もなんだ!」
「ああ。……オルティーナもか?」
「うん! ま、よろしくね、ウノー。私の足引っ張んないでね?」
彼女は俺の幼馴染だったが、すべてにおいて天才的な才能を持っており、剣も学問も俺は一度も勝つことが出来なかった。
「えへへ、これであたしの勝ち! けど、少しは強くなったね、ウノー? 悔しい? ねえ、どうなの?」
「ぐ……くそ……これで10連敗かよ……あんだけ親父と特訓したのに……くそお……」
「それなら、お父さんの教え方がへたくそだったんだよ、きっと? ウノーは悪くないって!」
さらに魔法を専攻した彼女はそこでも非凡な才能を発揮しているだけでなく、専攻していない闘気術についてすら、俺は勝てなかった。
「オルティーナを見習って、もっと頑張りなさい」なんて言葉を人生の中で何百回言われたかなど、もう数えていない。そのたびに俺は激しい劣等感に見舞われていた。
「あの……オルティーナさん! よかったら今度俺と……」
「あ、ゴメン、パス! まだ誰かと付き合う気ないからさ! 帰ろう、ウノー? 帰りにドーナツ奢ってもらっていい?」
「あ、ああ……」
そして辛いのは、彼女が単に優秀なだけでなく、誰よりも可愛く、そして美しいことだった。
その美貌に俺だけでなくクラスの女子生徒も彼女の取り巻きになっているほどに。
「なあなあ、オルティーナ様ってウノーと仲いいよな? 付き合ってんのかな?」
「え~? まあ、確かにウノー様もハイスぺだけどさ……それは嫌だなあ……」
「つーか、いくらウノー様でも釣り合わないよね! 戦うことしかできないもん!」
「だよねえ……。ま、オルティーナ様は優しいからウノー様と縁を切れないんだろうな」
……そんな俺に対して周りが嫉妬の目と好奇の目は強く、いつも周りからそんな風に噂をされていた。
だが、俺が本気でオルティーナと離れたくなった理由はそこではない。
「ねえ?」
「え?」
「どうしたの、ウノー? 最近あたしと顔合わせないよね? ……何かあった?」
「べ、別に……何でもねえよ……ちょっと疲れてんだ……剣の修行も厳しくてな」
「そっか? あ、分かった! あたしに剣で負けたこと、親に何か言われたんでしょ? それなら、今度はあたしが負けてあげよっか? そうすれば喜んでくれるはずだし?」
「別にいいよ。それで勝っても嬉しくないし」
「じゃあ、もっともっと、頑張んなよ! 努力が足らないんでしょ? もっと頑張りさえすれば、いつかあたしに勝てるって! ね!」
……そう、いつのころからか、俺は彼女のことを異性として好きになっていった。
「どうしたの、ウノー? ひょっとして寝不足?」
「え? ああ……ちょっと昨日な……」
「そんなんで試験大丈夫? しっかり寝ないと、またあたしに負けるよ? 悔しい思いしたくないなら、もっと頑張って寝なよ!」
そんな恋心……と呼ぶのもおこがましいが……に自覚してからは、彼女のことを考えてばかりいて、毎晩頭の中で彼女を抱いていた。……そして、そんな自分の醜さと浅ましさに嫌気が刺していた。
自身は彼女に勝てるものが何もないという劣等感、そして彼女が俺のことを異性として見てくれていないという焦り、そしてそんな彼女に対して湧き上がる醜い性欲が嫌になり、俺は学校を卒業後、距離を置くことに決めた。
「ねえ、ウノーは学校を卒業したらどうするの?」
「俺は、辺境伯として親父の後を継ぐ。オルティーナはどうすんだ?」
「へえ。あたしはさ。伯爵令嬢である前に聖女だから……中央部に残って、聖女としての仕事を頑張るよ」
「聖女の仕事?」
「うん。内政をやったり、薬を作ったりかな……本当は私、留学したかったんだけど……!」
「留学、か……」
「うん。魔法だって剣だって、私はもっと勉強したいと思うから……けど、実家は貧乏だから留学資金出してもらえないし、しょうがないよね……」
それでも、ただのクラスメイトとして不自然に思われない程度の距離感では、彼女と接するようにしていた。
彼女に対する想いを必死で抑えながらそうやって会話をするのは苦痛だったが、同時に彼女が自分と話してくれること自体は嬉しいという、やきもきするような感情。
それをずっと抱えながらも、何とか俺は学校を卒業することが出来た。……とうとう、彼女に剣や学問で勝つことは出来なかったが。
「ウノー様? 辺境伯への就任、おめでとうございます!」
「ああ……」
「どうされました? やはり、中央部に未練がありましたか? そういえばウノー様はオルティーナ様と仲が良かったですからな……」
「悪い、その話は二度としないでほしい」
「は……」
その後俺は親父の跡を継いで、辺境伯に就任した後は滅多なことではオルティーナのいる中央部には帰らなかった。
そこでの生活はそれなりに充実していたが、ずっと頭の仲ではオルティーナのことばかり考えており、結婚の話にも気が進まなかった。
そして、そんなある日。
「……来ましたね、ウノー様? 『ラウルド共和国』の連中が……」
「そうだな……お前たちは、ここから撤退しろ。オルティーナ様を守ってくれ」
「そんな……では、ウノー様はどうされるのですか?」
「俺は……ここでお前たちを逃がすために最期まで足止めする」
「最期って……おやめください!」
「……俺は星になって、オルティーナ様を見守るから……お前たちは生き延びてくれ」
そういって俺は前世、その戦場で、竜族のビクトリアの手にかかり戦死した。
そんなことを考えていると、隣にいた近衛兵が心配そうに声をかけてきた。
「どうされましたか、ウノー様?」
「ああ……前世のことを思い出してな。……あの時の俺は間違っていたのかなって思ってな」
「……前世ですか……。言われてみれば……あの時のウノー様は……何かから逃げるような、そんな想いを感じましたね」
彼女は俺の側近である近衛兵だ。
前世と今世では人間関係が変化している相手も多いが、彼女のように家柄で職業が固定されているような人間の場合、前世と同じ関係性になることが多い。
彼女は前世では、俺の代わりに民衆を率いて領地を脱出したものだ。
俺が死んだ後の顛末は彼女の口から聞いている。
「俺は生き延びて……オルティーナ様のもとに戻ったほうが良かったのかもな」
「ですがそうした場合……足の遅い民衆たちは、ラウルド共和国の連中に捕まり……男は奴隷、女は凌辱……そんな目に遭っていました。……それだけ、民衆の撤退はギリギリだったので」
近衛兵はそういいながらも、前世の記憶を思い出すようにつぶやく。
彼の話によると、追手が眼前まで迫っていたが、その時にオルティーナが派遣した一軍に救出されたと聞いている。
……まったく、オルティーナには世話になりっぱなしだった。
「そうか……なら、そもそもの段階で選択が誤っていたんだろうな……」
「慰めの言葉は言いたくないので、言いますが……そうですね。ウノー様はオルティーナ様とは『もっと仲良くするべき』だったのだと思います……」
「ええ。……ウノー様はオルティーナ様に……前世では冷たく接しているように感じましたから。天才の彼女と張り合っても勝てないこと、もうお分かりなのでしょう? 彼女を『守って愛してもらう』なんてこと、諦めたほうがいいのでは?」
近衛兵のいうとおりだ、と思いながら俺はうなづく。
「俺がお前を守る」というのは俺の口癖だったのだが、自分よりすべてが優れているオルティーナに言っても寒々しく響くだけだった。
「ああ。……だから俺は……今度の世界では、彼女をとことんまでサポートする側に回ることにするよ。……あいつを愛する役は……フォスター様に任せたからな」
彼女が本当に愛していたのはフォスター将軍だということは分かっていた。
将軍のことは俺も尊敬しているし、彼になら任せられる。幸いなことに彼は名もなき『英雄』達の活躍によって前世での死線を乗り越えられたとのことだ。
……あの方なら、俺なんかよりも、ずっと彼女を幸せにできるのだろう。俺は今世では、自身の幸福は諦めることにする。
「ところで、ウノー様?」
「なんだ?」
「前世における、オルティーナ様とウノー様の会話内容を伺っていると……なにか違和感を感じるのですが……」
「違和感?」
「ええ。……その、正直なところ、オルティーナ様の言動は少々……」
ダメだ。
オルティーナのことを悪く言うやつは、許せない。……そう俺が睨みつけようとしたが、近衛兵もすぐに自身の言動を恥じるように、姿勢をただした。
「いえ、オルティーナ様を悪く言うなど、恥ずかしいことをしました! 今の話は忘れてください!」
「……次はねえぞ?」
そういうと、俺は未夏……最近この国にやってきた天才薬師だ……のもとに行くために立ち上がった。
辺境伯の息子であり、前世も今世でも大好きだった聖女「オルティーナ」の幼馴染だった。
幼少期から俺は剣も学問も好きで、昔から鍛錬ばかりやっていた。
もっとも魔法についてはどうも気質的に好きになれなかったため、殆どやらないで※闘気術の方を専攻していたが。
(※本作ではゲームバランスの都合上、PCキャラは必ず魔法か闘気術のいずれかを習得できる。それが作中では『学校での選択科目だった』という形で反映されている)
「おお、すごいなウノー。さすが私の息子だ」
「ええ。今度の学校も特待生なのね? お金がかからなくて嬉しいわ?」
辺境伯は税収こそそれなりに多いが、国境警備に資金をつぎ込まなければならないこともあり、あまり贅沢することは出来ない。
そのため、俺が特待生で入学したときには喜んでくれた。
……だが。
「あれ、ウノー? あんたも特待生で入学したんだ? 私もなんだ!」
「ああ。……オルティーナもか?」
「うん! ま、よろしくね、ウノー。私の足引っ張んないでね?」
彼女は俺の幼馴染だったが、すべてにおいて天才的な才能を持っており、剣も学問も俺は一度も勝つことが出来なかった。
「えへへ、これであたしの勝ち! けど、少しは強くなったね、ウノー? 悔しい? ねえ、どうなの?」
「ぐ……くそ……これで10連敗かよ……あんだけ親父と特訓したのに……くそお……」
「それなら、お父さんの教え方がへたくそだったんだよ、きっと? ウノーは悪くないって!」
さらに魔法を専攻した彼女はそこでも非凡な才能を発揮しているだけでなく、専攻していない闘気術についてすら、俺は勝てなかった。
「オルティーナを見習って、もっと頑張りなさい」なんて言葉を人生の中で何百回言われたかなど、もう数えていない。そのたびに俺は激しい劣等感に見舞われていた。
「あの……オルティーナさん! よかったら今度俺と……」
「あ、ゴメン、パス! まだ誰かと付き合う気ないからさ! 帰ろう、ウノー? 帰りにドーナツ奢ってもらっていい?」
「あ、ああ……」
そして辛いのは、彼女が単に優秀なだけでなく、誰よりも可愛く、そして美しいことだった。
その美貌に俺だけでなくクラスの女子生徒も彼女の取り巻きになっているほどに。
「なあなあ、オルティーナ様ってウノーと仲いいよな? 付き合ってんのかな?」
「え~? まあ、確かにウノー様もハイスぺだけどさ……それは嫌だなあ……」
「つーか、いくらウノー様でも釣り合わないよね! 戦うことしかできないもん!」
「だよねえ……。ま、オルティーナ様は優しいからウノー様と縁を切れないんだろうな」
……そんな俺に対して周りが嫉妬の目と好奇の目は強く、いつも周りからそんな風に噂をされていた。
だが、俺が本気でオルティーナと離れたくなった理由はそこではない。
「ねえ?」
「え?」
「どうしたの、ウノー? 最近あたしと顔合わせないよね? ……何かあった?」
「べ、別に……何でもねえよ……ちょっと疲れてんだ……剣の修行も厳しくてな」
「そっか? あ、分かった! あたしに剣で負けたこと、親に何か言われたんでしょ? それなら、今度はあたしが負けてあげよっか? そうすれば喜んでくれるはずだし?」
「別にいいよ。それで勝っても嬉しくないし」
「じゃあ、もっともっと、頑張んなよ! 努力が足らないんでしょ? もっと頑張りさえすれば、いつかあたしに勝てるって! ね!」
……そう、いつのころからか、俺は彼女のことを異性として好きになっていった。
「どうしたの、ウノー? ひょっとして寝不足?」
「え? ああ……ちょっと昨日な……」
「そんなんで試験大丈夫? しっかり寝ないと、またあたしに負けるよ? 悔しい思いしたくないなら、もっと頑張って寝なよ!」
そんな恋心……と呼ぶのもおこがましいが……に自覚してからは、彼女のことを考えてばかりいて、毎晩頭の中で彼女を抱いていた。……そして、そんな自分の醜さと浅ましさに嫌気が刺していた。
自身は彼女に勝てるものが何もないという劣等感、そして彼女が俺のことを異性として見てくれていないという焦り、そしてそんな彼女に対して湧き上がる醜い性欲が嫌になり、俺は学校を卒業後、距離を置くことに決めた。
「ねえ、ウノーは学校を卒業したらどうするの?」
「俺は、辺境伯として親父の後を継ぐ。オルティーナはどうすんだ?」
「へえ。あたしはさ。伯爵令嬢である前に聖女だから……中央部に残って、聖女としての仕事を頑張るよ」
「聖女の仕事?」
「うん。内政をやったり、薬を作ったりかな……本当は私、留学したかったんだけど……!」
「留学、か……」
「うん。魔法だって剣だって、私はもっと勉強したいと思うから……けど、実家は貧乏だから留学資金出してもらえないし、しょうがないよね……」
それでも、ただのクラスメイトとして不自然に思われない程度の距離感では、彼女と接するようにしていた。
彼女に対する想いを必死で抑えながらそうやって会話をするのは苦痛だったが、同時に彼女が自分と話してくれること自体は嬉しいという、やきもきするような感情。
それをずっと抱えながらも、何とか俺は学校を卒業することが出来た。……とうとう、彼女に剣や学問で勝つことは出来なかったが。
「ウノー様? 辺境伯への就任、おめでとうございます!」
「ああ……」
「どうされました? やはり、中央部に未練がありましたか? そういえばウノー様はオルティーナ様と仲が良かったですからな……」
「悪い、その話は二度としないでほしい」
「は……」
その後俺は親父の跡を継いで、辺境伯に就任した後は滅多なことではオルティーナのいる中央部には帰らなかった。
そこでの生活はそれなりに充実していたが、ずっと頭の仲ではオルティーナのことばかり考えており、結婚の話にも気が進まなかった。
そして、そんなある日。
「……来ましたね、ウノー様? 『ラウルド共和国』の連中が……」
「そうだな……お前たちは、ここから撤退しろ。オルティーナ様を守ってくれ」
「そんな……では、ウノー様はどうされるのですか?」
「俺は……ここでお前たちを逃がすために最期まで足止めする」
「最期って……おやめください!」
「……俺は星になって、オルティーナ様を見守るから……お前たちは生き延びてくれ」
そういって俺は前世、その戦場で、竜族のビクトリアの手にかかり戦死した。
そんなことを考えていると、隣にいた近衛兵が心配そうに声をかけてきた。
「どうされましたか、ウノー様?」
「ああ……前世のことを思い出してな。……あの時の俺は間違っていたのかなって思ってな」
「……前世ですか……。言われてみれば……あの時のウノー様は……何かから逃げるような、そんな想いを感じましたね」
彼女は俺の側近である近衛兵だ。
前世と今世では人間関係が変化している相手も多いが、彼女のように家柄で職業が固定されているような人間の場合、前世と同じ関係性になることが多い。
彼女は前世では、俺の代わりに民衆を率いて領地を脱出したものだ。
俺が死んだ後の顛末は彼女の口から聞いている。
「俺は生き延びて……オルティーナ様のもとに戻ったほうが良かったのかもな」
「ですがそうした場合……足の遅い民衆たちは、ラウルド共和国の連中に捕まり……男は奴隷、女は凌辱……そんな目に遭っていました。……それだけ、民衆の撤退はギリギリだったので」
近衛兵はそういいながらも、前世の記憶を思い出すようにつぶやく。
彼の話によると、追手が眼前まで迫っていたが、その時にオルティーナが派遣した一軍に救出されたと聞いている。
……まったく、オルティーナには世話になりっぱなしだった。
「そうか……なら、そもそもの段階で選択が誤っていたんだろうな……」
「慰めの言葉は言いたくないので、言いますが……そうですね。ウノー様はオルティーナ様とは『もっと仲良くするべき』だったのだと思います……」
「ええ。……ウノー様はオルティーナ様に……前世では冷たく接しているように感じましたから。天才の彼女と張り合っても勝てないこと、もうお分かりなのでしょう? 彼女を『守って愛してもらう』なんてこと、諦めたほうがいいのでは?」
近衛兵のいうとおりだ、と思いながら俺はうなづく。
「俺がお前を守る」というのは俺の口癖だったのだが、自分よりすべてが優れているオルティーナに言っても寒々しく響くだけだった。
「ああ。……だから俺は……今度の世界では、彼女をとことんまでサポートする側に回ることにするよ。……あいつを愛する役は……フォスター様に任せたからな」
彼女が本当に愛していたのはフォスター将軍だということは分かっていた。
将軍のことは俺も尊敬しているし、彼になら任せられる。幸いなことに彼は名もなき『英雄』達の活躍によって前世での死線を乗り越えられたとのことだ。
……あの方なら、俺なんかよりも、ずっと彼女を幸せにできるのだろう。俺は今世では、自身の幸福は諦めることにする。
「ところで、ウノー様?」
「なんだ?」
「前世における、オルティーナ様とウノー様の会話内容を伺っていると……なにか違和感を感じるのですが……」
「違和感?」
「ええ。……その、正直なところ、オルティーナ様の言動は少々……」
ダメだ。
オルティーナのことを悪く言うやつは、許せない。……そう俺が睨みつけようとしたが、近衛兵もすぐに自身の言動を恥じるように、姿勢をただした。
「いえ、オルティーナ様を悪く言うなど、恥ずかしいことをしました! 今の話は忘れてください!」
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