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復活の厄災編
第71話 攻略準備 ーヴィダルー
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轟音が轟く遺跡内をハーピー達が飛び回る。
石碑から現れた腕は、遺跡から抜け出ようと必死にもがいているように見えた。
「リイゼル様! 我らだけではどうにかできる相手ではありません。撤退しましょう!」
リイゼルがマリアを睨み付ける。
「貴様らの犯した過ち……決して許さんからな!」
ハーピー達が舞い上がり、遺跡の出口へと飛んで行く。
「リイゼル様……」
「遺跡が崩れるぞ! 早く外へ! 移動魔法を使える者は姫様と学者達を優先して逃がせ!」
ヒューメニア兵士達が学者達を誘導する。
「私は最後まで残ります。他の者達を」
マリアが兵士達の誘導を拒む姿を見てため息が出た。
勇敢なのは良いことだが、状況が見えていないな。
ここでマリアに死んで貰っても構わないが……彼女はライラの封印解除を目撃している。ヒューメニア側の証人として生き残って貰いたい所ではある。
自らの過ちを証明する為にな。
「マリア様。残った者達の指揮は私が取りましょう。貴方はヒューメニアへ帰り、状況を陛下へ伝える役割があるのでは?」
「アルフレド様。それは……そうですが……」
マリアが黙る。
彼女の中の葛藤を拭い去るように微笑みを浮かべた。
「貴国へ応援を頼んだのは我らです。後の始末はこちらで行いましょう」
「分かり、ました。私は自国へ通達致します」
マリアが移動魔法の魔法陣の中へと消えていく。
「他の者も早く撤退を。ハーピー達には構うな」
兵士達を誘導しながら崩れ落ちる空間を後にした。
◇◇◇
遺跡外に逃げ出した兵士達を移動魔法で逃していき、最後の兵士と魔法士がヒューメニアへと移動したのを確認し、レオリアの擬態を解く。すると、ただの兵士は漆黒のマントを靡かせた双剣の剣士へと姿を戻した。
「ふぃ~あの格好だと格下に見られるから困るねぇ」
指を鳴らし、他のグレンボロウ兵達の擬態を解除していく。兵士姿だった彼らは一瞬にして炎を纏う骸骨兵へと戻っていった。
俺達が擬態を解除したのを見計らったかのように、フィオナとイリアス達が移動魔法で現れる。
「ハーピー達は私達が無事国へと送り返しました」
「妾の移動魔法でじゃぞ!」
イリアスが胸を張る。そんな彼女を見てフィオナはため息を吐いた。
「3人とも良くやってくれた。これでヒューメニアとハーピオンの同盟は当分起こり得ないだろう」
「にゃっふふふふ~もしかしたらあの鳥女共、ヒューメニアに戦争を吹っかけるかもしれんの~」
「それはそれで御の字だ。我らの付け入る隙が出来る」
「そにしても……」
レオリアが見上げる。大地より上半身を露出した竜がいた。巨大な竜。漆黒の鱗と金色の立髪に覆われた存在が。
「グオォォォォォォォオオオオオォォォ!!」
魔神竜は大気を震わせるほどの雄叫びをあげながら大地から抜け出そうとしている。
「古代の魔神すら利用するなんて……」
フィオナもその大きさに圧倒されているようだった。
本来ならば「下賎な人間どもよ」などというお決まりの台詞を言うのだが、意思を持っているようには見えないな。この世界がゲームとは異なるからかもしれないが。
まぁいい。
「さて……仕上げだ。復活は利用させて貰ったが、こんなものは俺達の世界には不要。仕留めるぞ」
「仕留めるって……なんでそんな強気なんじゃヴィダルは」
「分かるんだよ俺には。魔神竜の倒し方が」
何百回……いや、何千回と繰り返し戦い続けたラスボス戦の記憶。
今ここで使わせて貰う。
「いいか。全員俺の指示に従え。そうすれば倒すことができる」
レオリアとフィオナが頷く。
「こ、こんなヤツ本当に倒せるのかの?」
不安気にこちらを見るイリアスの肩を叩いた。
「あぁ。俺と自分の力を信じろ」
「イリアス。ヴィダルは考え無しに行動したことなどありませんよ」
「そ。だからイリアスも自分の役割にだけ集中しなよ~」
「わ、分かったのじゃ! 妾の命、ヴィダルに預けるぞ!」
イリアスが大げさに頷くのを見て笑みが溢れた。
デモニカと共に作り上げた魔王軍。彼女の元へ集まった幹部達ならば、並の冒険者パーティとは格が違う。そして、それを勝利へと導くのが俺の役目。
デモニカとナルガインが合流する時間まであと十数分。それまでに第1形態の排除をしなければ。
「イリアスは素早さ・魔法・物理攻撃力強化魔法を発動」
「3種同時は魔力めちゃくちゃ使うからちょいタメ時間欲しいのじゃ~」
イリアスが両手を上げると、最上級魔法の証、青い光が彼女の周囲に浮かび上がる。
「む、むむむむむ……」
彼女の体全体が眩いほどの光に包まれる。
「龍魔光焔!」
素早さ・魔法攻撃力・物理攻撃力を向上させる最上級魔法名。それが告げられると同時に俺達の身体が青色の光を帯びる。
「よし。フィオナは開発した2つ目の特位召喚魔法を発動してくれ」
「ふふ。早速の使用。それも対魔神竜戦なんて、試し撃ちには最適ですね」
フィオナが魔神竜の足元へと手を伸ばし、青い数式を描いていく。そして、全てのエルフ文字が現れる。
「魔神とやらに見せてあげましょう。世界の外……渾沌世界と言うものを」
フィオナが両手を空高くかざす。
「渾沌の使者」
その名が告げられた瞬間。魔神竜の周囲が暗黒の空間に包まれる。
そして。
何も無い空間の中心に不定形に大量の目玉が付いた存在が現れる。
「うっわ!? 気持ち悪っ!?」
「黙りなさいレオリア。あれこそが私の生み出した新たなる子ども。あの空間内では全ての物理法則を操ることができるの」
「な、何言っているか分かんないだけど……」
「こういうことです」
フィオナが人差し指を下へ向けると、巨大な魔神竜が大地へと叩き付けられた。
「グガァァァァァアアァァァアアアアア!?」
本来あの巨体を操作するには膨大な魔力がいる。イリアスの龍魔光焔 がフィオナの召喚魔法の威力を引き上げているな。
「あの空間内ではフィオナがサポートしてくれる。俺とレオリアで魔神竜の間合いへ飛び込むぞ」
「え!? ヴィダルも行くの!?」
「俺には俺の役割がある」
先ほどの戦闘で分かったこと。俺しかできないことがな。
「準備は全て整った。魔神竜第1形態の攻略を開始する」
石碑から現れた腕は、遺跡から抜け出ようと必死にもがいているように見えた。
「リイゼル様! 我らだけではどうにかできる相手ではありません。撤退しましょう!」
リイゼルがマリアを睨み付ける。
「貴様らの犯した過ち……決して許さんからな!」
ハーピー達が舞い上がり、遺跡の出口へと飛んで行く。
「リイゼル様……」
「遺跡が崩れるぞ! 早く外へ! 移動魔法を使える者は姫様と学者達を優先して逃がせ!」
ヒューメニア兵士達が学者達を誘導する。
「私は最後まで残ります。他の者達を」
マリアが兵士達の誘導を拒む姿を見てため息が出た。
勇敢なのは良いことだが、状況が見えていないな。
ここでマリアに死んで貰っても構わないが……彼女はライラの封印解除を目撃している。ヒューメニア側の証人として生き残って貰いたい所ではある。
自らの過ちを証明する為にな。
「マリア様。残った者達の指揮は私が取りましょう。貴方はヒューメニアへ帰り、状況を陛下へ伝える役割があるのでは?」
「アルフレド様。それは……そうですが……」
マリアが黙る。
彼女の中の葛藤を拭い去るように微笑みを浮かべた。
「貴国へ応援を頼んだのは我らです。後の始末はこちらで行いましょう」
「分かり、ました。私は自国へ通達致します」
マリアが移動魔法の魔法陣の中へと消えていく。
「他の者も早く撤退を。ハーピー達には構うな」
兵士達を誘導しながら崩れ落ちる空間を後にした。
◇◇◇
遺跡外に逃げ出した兵士達を移動魔法で逃していき、最後の兵士と魔法士がヒューメニアへと移動したのを確認し、レオリアの擬態を解く。すると、ただの兵士は漆黒のマントを靡かせた双剣の剣士へと姿を戻した。
「ふぃ~あの格好だと格下に見られるから困るねぇ」
指を鳴らし、他のグレンボロウ兵達の擬態を解除していく。兵士姿だった彼らは一瞬にして炎を纏う骸骨兵へと戻っていった。
俺達が擬態を解除したのを見計らったかのように、フィオナとイリアス達が移動魔法で現れる。
「ハーピー達は私達が無事国へと送り返しました」
「妾の移動魔法でじゃぞ!」
イリアスが胸を張る。そんな彼女を見てフィオナはため息を吐いた。
「3人とも良くやってくれた。これでヒューメニアとハーピオンの同盟は当分起こり得ないだろう」
「にゃっふふふふ~もしかしたらあの鳥女共、ヒューメニアに戦争を吹っかけるかもしれんの~」
「それはそれで御の字だ。我らの付け入る隙が出来る」
「そにしても……」
レオリアが見上げる。大地より上半身を露出した竜がいた。巨大な竜。漆黒の鱗と金色の立髪に覆われた存在が。
「グオォォォォォォォオオオオオォォォ!!」
魔神竜は大気を震わせるほどの雄叫びをあげながら大地から抜け出そうとしている。
「古代の魔神すら利用するなんて……」
フィオナもその大きさに圧倒されているようだった。
本来ならば「下賎な人間どもよ」などというお決まりの台詞を言うのだが、意思を持っているようには見えないな。この世界がゲームとは異なるからかもしれないが。
まぁいい。
「さて……仕上げだ。復活は利用させて貰ったが、こんなものは俺達の世界には不要。仕留めるぞ」
「仕留めるって……なんでそんな強気なんじゃヴィダルは」
「分かるんだよ俺には。魔神竜の倒し方が」
何百回……いや、何千回と繰り返し戦い続けたラスボス戦の記憶。
今ここで使わせて貰う。
「いいか。全員俺の指示に従え。そうすれば倒すことができる」
レオリアとフィオナが頷く。
「こ、こんなヤツ本当に倒せるのかの?」
不安気にこちらを見るイリアスの肩を叩いた。
「あぁ。俺と自分の力を信じろ」
「イリアス。ヴィダルは考え無しに行動したことなどありませんよ」
「そ。だからイリアスも自分の役割にだけ集中しなよ~」
「わ、分かったのじゃ! 妾の命、ヴィダルに預けるぞ!」
イリアスが大げさに頷くのを見て笑みが溢れた。
デモニカと共に作り上げた魔王軍。彼女の元へ集まった幹部達ならば、並の冒険者パーティとは格が違う。そして、それを勝利へと導くのが俺の役目。
デモニカとナルガインが合流する時間まであと十数分。それまでに第1形態の排除をしなければ。
「イリアスは素早さ・魔法・物理攻撃力強化魔法を発動」
「3種同時は魔力めちゃくちゃ使うからちょいタメ時間欲しいのじゃ~」
イリアスが両手を上げると、最上級魔法の証、青い光が彼女の周囲に浮かび上がる。
「む、むむむむむ……」
彼女の体全体が眩いほどの光に包まれる。
「龍魔光焔!」
素早さ・魔法攻撃力・物理攻撃力を向上させる最上級魔法名。それが告げられると同時に俺達の身体が青色の光を帯びる。
「よし。フィオナは開発した2つ目の特位召喚魔法を発動してくれ」
「ふふ。早速の使用。それも対魔神竜戦なんて、試し撃ちには最適ですね」
フィオナが魔神竜の足元へと手を伸ばし、青い数式を描いていく。そして、全てのエルフ文字が現れる。
「魔神とやらに見せてあげましょう。世界の外……渾沌世界と言うものを」
フィオナが両手を空高くかざす。
「渾沌の使者」
その名が告げられた瞬間。魔神竜の周囲が暗黒の空間に包まれる。
そして。
何も無い空間の中心に不定形に大量の目玉が付いた存在が現れる。
「うっわ!? 気持ち悪っ!?」
「黙りなさいレオリア。あれこそが私の生み出した新たなる子ども。あの空間内では全ての物理法則を操ることができるの」
「な、何言っているか分かんないだけど……」
「こういうことです」
フィオナが人差し指を下へ向けると、巨大な魔神竜が大地へと叩き付けられた。
「グガァァァァァアアァァァアアアアア!?」
本来あの巨体を操作するには膨大な魔力がいる。イリアスの龍魔光焔 がフィオナの召喚魔法の威力を引き上げているな。
「あの空間内ではフィオナがサポートしてくれる。俺とレオリアで魔神竜の間合いへ飛び込むぞ」
「え!? ヴィダルも行くの!?」
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