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第65話 アイル、修行を決意する。
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お台場ダンジョンを出て配信を終了したモモチーは、大きく伸びをした。彼女の顔が夕焼けに照らされ、縦に巻かれた髪がキラリと光る。外に出て気が付いたけど、もうすっかり夕方だったんだ。意外に長くダンジョンに入っていたんだな。
「はぁ~早く終わって良かったですわね。でもどうやって帰りましょう? 車は帰ってしまいましたし」
「電車で帰ればいいじゃない」
「わ、ワタクシ1人で電車に乗ったことありませんわ……」
ゾッとする表情のモモチー。強気な彼女からは想像できない顔に笑ってしまう。私が知らないだけで、実はいつもこんな雰囲気の子なのかも。
「私が送ってあげるわよ」
「ホントですの!? 助かりますわ~」
ここからならモノレール「ゆりかもめ」の方が近いか、本数多いし。うん、ゆりかもめにしよう。
あ。
「そういえばなんで集合が東京テレポート駅だったのよ?」
ロングソードを背負っていたモモチーが不思議そうに首を傾げる。
「一角獣巨人を車で仕留めるには助走距離が必要だったからですわよ? それ以外に何が考えられますの?」
なんだ、私のこと嫌ってるからじゃなかったのね。モヤモヤして損した気分。もしかしたら今までのマウントもモモチーなりのコミュニケーションだったのかも。
……。
──あら? アナタ登録者数30万人なの? ワタクシは60万人もおりましてよ! オーホッホッホ!!
──昨日の配信はどうだったのアイルさん? え? 同接数10万人? ワタクシなんて20万人でしたわよ! オーホッホッホ!!
……まぁ、そういうことにしておこう。そう、きっとそういうコミュニケーションしか取れない子なんだわ。今日一緒にダンジョンに挑んで分かった。モモチーも友達が欲しくて配信者やってるんだって。
きっと根は純粋な……。
「それにしても、せっかくアイルさんに合わせて高輪ゲートガーディアンズを用意しましたのに帰らされるなんて。勿体無いことしましたわね~」
「は? 私に合わせて? なんで?」
「もちろん今回の配信テーマに合わせて呼んだのですわ。いい絵が撮れると思いまして」
「テーマ?」
「モモチーと愉快な駅の仲間ですわ! オーホッホッホ!!」
「誰が愉快な駅の仲間よ!!」
クソ! やっぱりこの女……人のこと馬鹿にしてるわね……もう協力してやんないもん! まあ、帰れないと可哀想だから送ってはあげるけど……。
◇◇◇
モモチーについて行く形でゆりかもめに向かって歩く。彼女は、急に何かを思い出したかのように横目で私を見た。
「そういえばアイルさんは出ますの? 池袋ハンターシティ」
「池袋ハンターシティかぁ。去年は散々だったしなぁ」
去年はモンスター1体倒すのにも必死でほとんどまともに戦えなかったわね……ファンの人達と交流できたって所だけは良かったけど。
「ハンターシティはチーム参加が前提と言っても良いですわ。今年はワタクシも高輪ゲートガーディアンズと共に出場致します」
あ、そっか。チームで出ても良いんだった。去年は浮かれてたから概要ちゃんと読めてなかったな。
モモチーがニヤリと笑う。なんで自信に満ち溢れた時はそんなキメ顔みたいになるのよこの女。
「今年の優勝商品は「伝説の剣」らしいですわ。先日中野に出現したレアアイテムなのだとか。ぜひとも手に入れたいですわね~!」
中野に出現した伝説の剣……か。もしかしてヨロイさんとリレイラが回収に行くと言っていたアイテムかも。
そうだ!
ヨロイさんに何かお返しできないかと思ってたけど、伝説の剣は良いかも。それに池袋ハンターシティっていうお祭りイベントなら……ヨロイさんも手に入れる過程も含めて楽しんでくれるかも。
そっか。うん! それがいいわ! なら私はもっともっと強くなってヨロイさんをビックリさせないと。
お台場ダンジョンを振り返る。クリアしたばかりのダンジョンでボスの復活まで数ヶ月ある。雑魚モンスターも把握した……ここなら練習場にピッタリじゃない。
「ねぇモモチー。私達試験はクリアしたわよね?」
「? ええ。後は攻略のレポート書けば終了ですわ」
「試験期間はまだ6日もあるでしょ? 2人でレポート終わらせて、このダンジョンで修行しない?」
「修行……ですの?」
「そう。レベルポイント稼いで成長しましょうよ。モモチーだって池袋ハンターシティで優勝狙いたいんでしょ?」
モモチーは、一瞬考え込む仕草をした後、高らかに笑った。
「オーホッホッホ!! 良いですわよ! ワタクシとアナタで極めてみせましょうこのお台場を! そして池袋ハンターシティで勝負ですわ!」
「やってやるわ! ゼッタイゼッタイ今より強くなってやるんだから!」
「そうと決まれば早速レポート終わらせますわよ! アイルさん! 今日はワタクシの屋敷に泊まっておいきなさい! 今日中にレポート完成させましてよ!」
「あ!? ちょっと!? 引っ張らないでよ!」
モモチーに手を引かれて、ゆりかもめに向かって走り出す。
待っててねヨロイさん。もっと強い相棒になるから!
「はぁ~早く終わって良かったですわね。でもどうやって帰りましょう? 車は帰ってしまいましたし」
「電車で帰ればいいじゃない」
「わ、ワタクシ1人で電車に乗ったことありませんわ……」
ゾッとする表情のモモチー。強気な彼女からは想像できない顔に笑ってしまう。私が知らないだけで、実はいつもこんな雰囲気の子なのかも。
「私が送ってあげるわよ」
「ホントですの!? 助かりますわ~」
ここからならモノレール「ゆりかもめ」の方が近いか、本数多いし。うん、ゆりかもめにしよう。
あ。
「そういえばなんで集合が東京テレポート駅だったのよ?」
ロングソードを背負っていたモモチーが不思議そうに首を傾げる。
「一角獣巨人を車で仕留めるには助走距離が必要だったからですわよ? それ以外に何が考えられますの?」
なんだ、私のこと嫌ってるからじゃなかったのね。モヤモヤして損した気分。もしかしたら今までのマウントもモモチーなりのコミュニケーションだったのかも。
……。
──あら? アナタ登録者数30万人なの? ワタクシは60万人もおりましてよ! オーホッホッホ!!
──昨日の配信はどうだったのアイルさん? え? 同接数10万人? ワタクシなんて20万人でしたわよ! オーホッホッホ!!
……まぁ、そういうことにしておこう。そう、きっとそういうコミュニケーションしか取れない子なんだわ。今日一緒にダンジョンに挑んで分かった。モモチーも友達が欲しくて配信者やってるんだって。
きっと根は純粋な……。
「それにしても、せっかくアイルさんに合わせて高輪ゲートガーディアンズを用意しましたのに帰らされるなんて。勿体無いことしましたわね~」
「は? 私に合わせて? なんで?」
「もちろん今回の配信テーマに合わせて呼んだのですわ。いい絵が撮れると思いまして」
「テーマ?」
「モモチーと愉快な駅の仲間ですわ! オーホッホッホ!!」
「誰が愉快な駅の仲間よ!!」
クソ! やっぱりこの女……人のこと馬鹿にしてるわね……もう協力してやんないもん! まあ、帰れないと可哀想だから送ってはあげるけど……。
◇◇◇
モモチーについて行く形でゆりかもめに向かって歩く。彼女は、急に何かを思い出したかのように横目で私を見た。
「そういえばアイルさんは出ますの? 池袋ハンターシティ」
「池袋ハンターシティかぁ。去年は散々だったしなぁ」
去年はモンスター1体倒すのにも必死でほとんどまともに戦えなかったわね……ファンの人達と交流できたって所だけは良かったけど。
「ハンターシティはチーム参加が前提と言っても良いですわ。今年はワタクシも高輪ゲートガーディアンズと共に出場致します」
あ、そっか。チームで出ても良いんだった。去年は浮かれてたから概要ちゃんと読めてなかったな。
モモチーがニヤリと笑う。なんで自信に満ち溢れた時はそんなキメ顔みたいになるのよこの女。
「今年の優勝商品は「伝説の剣」らしいですわ。先日中野に出現したレアアイテムなのだとか。ぜひとも手に入れたいですわね~!」
中野に出現した伝説の剣……か。もしかしてヨロイさんとリレイラが回収に行くと言っていたアイテムかも。
そうだ!
ヨロイさんに何かお返しできないかと思ってたけど、伝説の剣は良いかも。それに池袋ハンターシティっていうお祭りイベントなら……ヨロイさんも手に入れる過程も含めて楽しんでくれるかも。
そっか。うん! それがいいわ! なら私はもっともっと強くなってヨロイさんをビックリさせないと。
お台場ダンジョンを振り返る。クリアしたばかりのダンジョンでボスの復活まで数ヶ月ある。雑魚モンスターも把握した……ここなら練習場にピッタリじゃない。
「ねぇモモチー。私達試験はクリアしたわよね?」
「? ええ。後は攻略のレポート書けば終了ですわ」
「試験期間はまだ6日もあるでしょ? 2人でレポート終わらせて、このダンジョンで修行しない?」
「修行……ですの?」
「そう。レベルポイント稼いで成長しましょうよ。モモチーだって池袋ハンターシティで優勝狙いたいんでしょ?」
モモチーは、一瞬考え込む仕草をした後、高らかに笑った。
「オーホッホッホ!! 良いですわよ! ワタクシとアナタで極めてみせましょうこのお台場を! そして池袋ハンターシティで勝負ですわ!」
「やってやるわ! ゼッタイゼッタイ今より強くなってやるんだから!」
「そうと決まれば早速レポート終わらせますわよ! アイルさん! 今日はワタクシの屋敷に泊まっておいきなさい! 今日中にレポート完成させましてよ!」
「あ!? ちょっと!? 引っ張らないでよ!」
モモチーに手を引かれて、ゆりかもめに向かって走り出す。
待っててねヨロイさん。もっと強い相棒になるから!
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