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第153話 悪夢の悪夢。
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その悪夢の重装騎士は無敗だった。
このダンジョンがまだ異世界にあった頃、数多の冒険者達を彼の領域へと誘い込み、脱出できぬ絶望を体感させ、疲弊した所を捕食していたのだ。
何度も冒険者と対峙する中で、彼は1つのことに気付いた。
擬態できる「もの」は、生物や物体だけではないことを。
それは壁、それは床、それは天井。この迷宮という風景「あらゆるもの」への擬態が可能なのである。移動しながら擬態を使用し、捕食のタイミングを待つ。
この場所を支配する悪夢の重装騎士は、己の擬態能力と隠密魔法を組み合わせることで、気配を消し、標的を観察し、弱った瞬間を襲う戦法を編み出したのだ。
加えて、他の悪夢の重装騎士と戦った者は脆い。悪夢の重装騎士が生物や物体に擬態していると思い込んでいるからだ。最初はモンスターを疑い、次にループの繋ぎ目である門を疑い、中には仲間を疑う者までいた。
そのような冒険者達は自ら神経をすり減らして弱っていくのだ。そこを狙うのは実に簡単な狩りだった。
彼は人間の味を好んでいた。特に女の冒険者は美味かった。蹂躙する快感も、泣き叫ぶ声も、柔らかい肉も、彼にとって至高の味であった。
彼はより多くの冒険者を仕留める為、冒険者達の持ち物の中から人間達の文化を学んだ。
魔族と神族と人族。3種の種族に分かれ「国」という群れを成していること。
お互いの領域を侵食しない魔族と神族に比べ、人族は強欲で、定期的に領域侵犯や戦争をしかけること。
亜人種達も人族と暮らしていたが、彼らの強欲さについていけず、各国に散らばり独自のコミュニティを築いたこと。
魔族達は、自国を守る為に各地へダンジョンを出現させたこと。
人間達はダンジョンから溢れ出るモンスターに対処するためにダンジョンへ挑むことを余儀なくされたこと。
ダンジョンを攻略して回る冒険者という職業の者がいる事を。
このように、彼は冒険者のことを学び、より捕食しやすいように工夫を凝らした。
最も冒険者が疲労を蓄積するのは、希望を見せてから絶望を味合わせること。彼はループの繋ぎ目をこの広い迷路の出口に設置し、時に人の屍を見せつけ疲弊させた。彼の思惑はことごとく成功し、何百組もの冒険者パーティを捕食することができた。
しかしある日を境に、人間はパタリとダンジョンを訪れなくなった。
12年。
彼は12年という歳月を人を捕食できずに過ごした。
それはこのダンジョンが新宿へと転移し、長らく魔族によって封印されていたからなのだが、それは転移した彼自身は知る由もない事象であった。
長い年月は彼を飢えさせた。モンスター達の成長を待ち、数が増えた頃に捕食し、また増えるのを待つ。
生きる事に問題は無かったが、人間の味を知ってしまった彼にとって、それは屈辱以外の何者でもない日々であった。
……。
そんなある日、彼の領域に踏み込んだ人間がいた。彼はすぐに侵入に気付き、この迷宮の風景へと擬態して侵入者達を観察した。
男2人、女2人、獣のような二足歩行の生物1匹。合計5人。
見たことの無い装備をしている者ばかりであったが、1人だけフルヘルムにフリューテッドアーマーの戦士がいる。それを見て彼は冒険者が来たのだと確信した。
彼は喜んだ。再び人間がこの領域へと侵入したことを。彼は風景に溶け込んだまま、冒険者達の様子を観察することにした。
不思議なことに、彼らの言葉は自分の知らない物であった。彼は人間の言葉を理解していた。何人もの冒険者を仕留めてきた彼にとって言葉の意味を理解するのも自然な事であったのだろう。しかし、目の前の人間達の言葉は一切分からない。「人族の国の中でも言葉が分かれているのだろうか?」と彼は思った。
だが、そんなことは今はどうでもいい。人間なのは間違いない。ヤツらは冒険者。ならば今まで通り、この迷路を突破したと見せかければいい。彼はその冒険者達が疲弊するまで観察した。
数時間かけて彼らは迷路を進み、ついに出口へと辿り着いた。大きな扉を開けた先に広がる迷路。女が何かを喚き散らす。ヤツらが悪夢領域に閉じ込められたことに気付いたようだが、もう遅い。ここからはゆっくり疲弊する様子を拝ませてもらおう。彼はそう思った。
その後、彼らは再び数時間かけて迷路を進んだ。そして疲労が溜まったのか、2度目の門を開けた時に休憩に入った。
食事は取らず、疲れ果てたような顔でヒソヒソと何かを話し合う冒険者達。
どうする? もう少し様子を窺うか?
悪夢の重装騎士の中で迷いが生まれた時、1人の女が立ち上がった。先程喚いていた女だ。
「もうこんなの嫌!!! 私帰る!!!」
「待てミナセ! 仲間と離れるのは危険だ!」
「付いてこないでカズ君!!」
男女が言い争い、白いマントに金色のロッドを持った女が1人、通路へと歩いて行く。言葉は分からないが、あの女が根を上げたのが手に取るように分かる。
女がキョロキョロと辺りを見て、細い通路へと入って行く。
しめた。あの先は行き止まりだ。絶好の機会だな。
そう思った彼は、女の後を付いていく。彼女を良く観察してみる。しなやかな身体つきに程よく発達した筋肉。胸はそこそこだが腰つきと尻がいい。これは食いごたえがありそうだ。
悲鳴を上げさせたいが……ヤツらに気付かれても面倒だ。極力早く仕留めなければ。いや、せめて恐怖に歪む顔くらい……。
女の背後に回る。擬態を解除し、その首筋に手を伸ばす。
もうすぐだ。久々の人間。もうすぐ……。
彼が、完全に白マントの女へと気を取られた瞬間──。
魔法名が聞こえた。
「炎渦魔法!」
背後から伝わる熱風。彼が振り返ると、炎の渦がこちらへと向かっていた。狭い通路は竜巻のような炎の渦に埋め尽くされ逃げ場が無い。
「……!?」
後退した瞬間、バチりと背中に衝撃が伝わる。驚いてもう一度振り返ると、白マントの女が魔法障壁を展開しており、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「ごめんね~」
罠にかけられたのは自分だと気付いた時には遅かった。全身に炎が纏わり付いてしまう。
「ギャアアアアアァァァ!?」
火だるまになりながら、通路の出口へと走る。開けた空間に出て地面を転がる、身体にまとわりついた炎を消火する。火が消えたと思った次の瞬間、目の前には鎧の男がいた。
「じゃあな、間抜け野郎」
首に剣が振り下ろされる。ザクリという音と共に悪夢の重装騎士の首が飛んだ。
空中を漂う視界、ドンッという衝撃と共に首は地面に転がった。
首が切断された己の体を見た瞬間、彼は後悔した。なぜもっと待たなかったのか。ヤツらが完全に衰弱するまで待てば……飢えさせれば……。
彼にとって最大の誤算であったのは461さんの存在であった。この悪夢の重装騎士は同じ種族と戦った経験のある者の固定概念を逆手に取って擬態を駆使していた。
しかし、461さんはその経験の数が違った。異世界の普通の冒険者が戦った悪夢の重装騎士の数は平均して1度か2度。
対して461さんが戦った回数は56回。
これは生活の全てをダンジョンへ挑むことに捧げなければ達成できない数字。異世界基準においても461さんの経験値は異常であった。
その戦いの中で、自分と同じような考えに至った別個体がいた事は、この悪夢の重装騎士には知る由もなかった。
「やったやった! ボスを瞬殺できたわ!」
「抱き付くなってアイル」
「本体を直接倒してループ空間を抜けるなんて流石ヨロさんだにゃ♡」
目の前で喜ぶ彼らを見ながら、悪夢の重装騎士は意識を失っていく。レベルポイントの光が溢れ出す。もう助からない。彼はそれを実感してしまった。
悪い夢なら……覚めてくれ……。
それは、人に悪夢を見せる存在が最後に見た「悪夢そのもの」であった。
このダンジョンがまだ異世界にあった頃、数多の冒険者達を彼の領域へと誘い込み、脱出できぬ絶望を体感させ、疲弊した所を捕食していたのだ。
何度も冒険者と対峙する中で、彼は1つのことに気付いた。
擬態できる「もの」は、生物や物体だけではないことを。
それは壁、それは床、それは天井。この迷宮という風景「あらゆるもの」への擬態が可能なのである。移動しながら擬態を使用し、捕食のタイミングを待つ。
この場所を支配する悪夢の重装騎士は、己の擬態能力と隠密魔法を組み合わせることで、気配を消し、標的を観察し、弱った瞬間を襲う戦法を編み出したのだ。
加えて、他の悪夢の重装騎士と戦った者は脆い。悪夢の重装騎士が生物や物体に擬態していると思い込んでいるからだ。最初はモンスターを疑い、次にループの繋ぎ目である門を疑い、中には仲間を疑う者までいた。
そのような冒険者達は自ら神経をすり減らして弱っていくのだ。そこを狙うのは実に簡単な狩りだった。
彼は人間の味を好んでいた。特に女の冒険者は美味かった。蹂躙する快感も、泣き叫ぶ声も、柔らかい肉も、彼にとって至高の味であった。
彼はより多くの冒険者を仕留める為、冒険者達の持ち物の中から人間達の文化を学んだ。
魔族と神族と人族。3種の種族に分かれ「国」という群れを成していること。
お互いの領域を侵食しない魔族と神族に比べ、人族は強欲で、定期的に領域侵犯や戦争をしかけること。
亜人種達も人族と暮らしていたが、彼らの強欲さについていけず、各国に散らばり独自のコミュニティを築いたこと。
魔族達は、自国を守る為に各地へダンジョンを出現させたこと。
人間達はダンジョンから溢れ出るモンスターに対処するためにダンジョンへ挑むことを余儀なくされたこと。
ダンジョンを攻略して回る冒険者という職業の者がいる事を。
このように、彼は冒険者のことを学び、より捕食しやすいように工夫を凝らした。
最も冒険者が疲労を蓄積するのは、希望を見せてから絶望を味合わせること。彼はループの繋ぎ目をこの広い迷路の出口に設置し、時に人の屍を見せつけ疲弊させた。彼の思惑はことごとく成功し、何百組もの冒険者パーティを捕食することができた。
しかしある日を境に、人間はパタリとダンジョンを訪れなくなった。
12年。
彼は12年という歳月を人を捕食できずに過ごした。
それはこのダンジョンが新宿へと転移し、長らく魔族によって封印されていたからなのだが、それは転移した彼自身は知る由もない事象であった。
長い年月は彼を飢えさせた。モンスター達の成長を待ち、数が増えた頃に捕食し、また増えるのを待つ。
生きる事に問題は無かったが、人間の味を知ってしまった彼にとって、それは屈辱以外の何者でもない日々であった。
……。
そんなある日、彼の領域に踏み込んだ人間がいた。彼はすぐに侵入に気付き、この迷宮の風景へと擬態して侵入者達を観察した。
男2人、女2人、獣のような二足歩行の生物1匹。合計5人。
見たことの無い装備をしている者ばかりであったが、1人だけフルヘルムにフリューテッドアーマーの戦士がいる。それを見て彼は冒険者が来たのだと確信した。
彼は喜んだ。再び人間がこの領域へと侵入したことを。彼は風景に溶け込んだまま、冒険者達の様子を観察することにした。
不思議なことに、彼らの言葉は自分の知らない物であった。彼は人間の言葉を理解していた。何人もの冒険者を仕留めてきた彼にとって言葉の意味を理解するのも自然な事であったのだろう。しかし、目の前の人間達の言葉は一切分からない。「人族の国の中でも言葉が分かれているのだろうか?」と彼は思った。
だが、そんなことは今はどうでもいい。人間なのは間違いない。ヤツらは冒険者。ならば今まで通り、この迷路を突破したと見せかければいい。彼はその冒険者達が疲弊するまで観察した。
数時間かけて彼らは迷路を進み、ついに出口へと辿り着いた。大きな扉を開けた先に広がる迷路。女が何かを喚き散らす。ヤツらが悪夢領域に閉じ込められたことに気付いたようだが、もう遅い。ここからはゆっくり疲弊する様子を拝ませてもらおう。彼はそう思った。
その後、彼らは再び数時間かけて迷路を進んだ。そして疲労が溜まったのか、2度目の門を開けた時に休憩に入った。
食事は取らず、疲れ果てたような顔でヒソヒソと何かを話し合う冒険者達。
どうする? もう少し様子を窺うか?
悪夢の重装騎士の中で迷いが生まれた時、1人の女が立ち上がった。先程喚いていた女だ。
「もうこんなの嫌!!! 私帰る!!!」
「待てミナセ! 仲間と離れるのは危険だ!」
「付いてこないでカズ君!!」
男女が言い争い、白いマントに金色のロッドを持った女が1人、通路へと歩いて行く。言葉は分からないが、あの女が根を上げたのが手に取るように分かる。
女がキョロキョロと辺りを見て、細い通路へと入って行く。
しめた。あの先は行き止まりだ。絶好の機会だな。
そう思った彼は、女の後を付いていく。彼女を良く観察してみる。しなやかな身体つきに程よく発達した筋肉。胸はそこそこだが腰つきと尻がいい。これは食いごたえがありそうだ。
悲鳴を上げさせたいが……ヤツらに気付かれても面倒だ。極力早く仕留めなければ。いや、せめて恐怖に歪む顔くらい……。
女の背後に回る。擬態を解除し、その首筋に手を伸ばす。
もうすぐだ。久々の人間。もうすぐ……。
彼が、完全に白マントの女へと気を取られた瞬間──。
魔法名が聞こえた。
「炎渦魔法!」
背後から伝わる熱風。彼が振り返ると、炎の渦がこちらへと向かっていた。狭い通路は竜巻のような炎の渦に埋め尽くされ逃げ場が無い。
「……!?」
後退した瞬間、バチりと背中に衝撃が伝わる。驚いてもう一度振り返ると、白マントの女が魔法障壁を展開しており、イタズラっぽい笑みを浮かべた。
「ごめんね~」
罠にかけられたのは自分だと気付いた時には遅かった。全身に炎が纏わり付いてしまう。
「ギャアアアアアァァァ!?」
火だるまになりながら、通路の出口へと走る。開けた空間に出て地面を転がる、身体にまとわりついた炎を消火する。火が消えたと思った次の瞬間、目の前には鎧の男がいた。
「じゃあな、間抜け野郎」
首に剣が振り下ろされる。ザクリという音と共に悪夢の重装騎士の首が飛んだ。
空中を漂う視界、ドンッという衝撃と共に首は地面に転がった。
首が切断された己の体を見た瞬間、彼は後悔した。なぜもっと待たなかったのか。ヤツらが完全に衰弱するまで待てば……飢えさせれば……。
彼にとって最大の誤算であったのは461さんの存在であった。この悪夢の重装騎士は同じ種族と戦った経験のある者の固定概念を逆手に取って擬態を駆使していた。
しかし、461さんはその経験の数が違った。異世界の普通の冒険者が戦った悪夢の重装騎士の数は平均して1度か2度。
対して461さんが戦った回数は56回。
これは生活の全てをダンジョンへ挑むことに捧げなければ達成できない数字。異世界基準においても461さんの経験値は異常であった。
その戦いの中で、自分と同じような考えに至った別個体がいた事は、この悪夢の重装騎士には知る由もなかった。
「やったやった! ボスを瞬殺できたわ!」
「抱き付くなってアイル」
「本体を直接倒してループ空間を抜けるなんて流石ヨロさんだにゃ♡」
目の前で喜ぶ彼らを見ながら、悪夢の重装騎士は意識を失っていく。レベルポイントの光が溢れ出す。もう助からない。彼はそれを実感してしまった。
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