461さんバズり録〜ダンジョンオタク、攻略ガチ勢すぎて配信者達に格の違いを見せ付けてしまう 〜

三丈夕六

文字の大きさ
188 / 302

第181話 謎の腕輪

しおりを挟む
 ~461さん~

 ロード・デザレアを倒した俺達は勝者マンと共に先へと進み、旧都庁を目指した。しかし、途中に「ある問題」が発生したことで、俺達は近くにあったオフィスビルへと入り作戦を考えることにした。

 植物に侵食されておらず、中に入ることのできるビル。その8階へと登り、窓から森を抜けた先へと目を向ける。

 そこには、竜人の群れが砦のような物を作っていた。砦には武装した竜人。そこから少し離れた所には木製のやぐらが作られ、リザードマン達が周囲を警戒している。

 時折リザードマンを連れた竜人が森へ入っていくのも見える。厳重だな。あそこを突破しないと都庁には近付けない。どうするか……。

 これが発生した問題だった。

「見て、リザードマン達もあんなにいるわ」
「杖を持ってる竜人も。魔法に注意だね」

 隣からアイルとミナセも顔を覗かせる。しかし、その顔に怯えは無い。冷静にヤツらの戦力を見ているようだ。2人とも肝が据わったな。

「ちょ!? 勝者マン! こんな所で爆槍魔法使うんじゃ無いのにゃ!」
「勝者! …………シュン

 ナーゴが、魔法を発動しようとした勝者マンを止める。勝者マンは天に掲げていた手を下ろしてシュンとした。肩を落としてシュンとする姿は、無表情だが悲しそうだ。ナーゴのヤツ……勝者マンだけには当たりが強くねぇか?

 その様子を見ていると、アイルがふいにスマホを取り出した。

「何かあったのかアイル?」

「えっとね、タルパちゃんからメッセージが……って、え?」

 アイルが驚いたような顔になる。

「どうした?」

「タルパちゃん達、パララもん達と一緒にいるらしいわ。竜人に捕まりそうになってた探索者達を助けて、新宿駅まで送り届けたところみたい」

 パララもん……ってことは武史達と一緒ってことか。

「さっき竜人が何人か森に入っていったことを伝えた方がいいぞ」

「ヨロイさん、タルパちゃん達と合流しない?」

 合流か。確かにな……この辺りで一度情報交換するのもありか。何ならあの砦は同時に攻略してもいいかもしれない。

「そうだな。アイツらを迎えに行くか」

 そう言った時、今まで黙っていたジークが俺の所までやって来た。

「なら、俺が彼女達を迎えに行こう」

「いいのか?」

「問題無い。俺だけの方が早くシン達に合流できる」

「分かった。消音魔法ミュート使ってやるよ。気付かれにくくなるぜ」

「頼む」

 ジークに消音魔法をかける。彼は一度ミナセに視線を送り、コクリと頷くと部屋奥の窓を開けた。

「あの木から木を伝っていけば……」

 ジークが窓から飛び出す。彼は一瞬の内に向かいの木に飛び移り、木から木へ飛ぶ様に移動していった。

「アイル。ジークが迎えに行くことを伝えておいてくれ」

「分かったわ」


◇◇◇

 ~ジークリード~

 木々を飛び移りながら森の中を進む。

 一際背の高い木へ飛び移り、脳への閃光を発動。急速に緩やかになった世界でシン達を導くルートを探す。

 奥に竜人達がいる……森に入った竜人達は東へ向かっているようだ。合流を急がなければ。

 三角飛びの要領で大地へと降り、再び閃光を発動。新宿駅に向かって駆け抜ける。そしてコクーンタワー付近まで戻ってきた頃、男女2人の竜人が目に入った。

 俺達が倒したロード・デザレアの事を見て何かを話している。調査しているのか?

 ヤツらの動きを観察する。何かを話しているようだが……。

 竜人達が魔法を使い、口元に魔法陣を浮かび上がらせる。そして森の奥に声をかけると、リザードマンが数体現れた。女の竜人が一歩前に出る。

「ロード・デザレアを倒した人間を目撃していない?」

「グア?」
「ググア」

 女の竜人の質問に顔を見合わせるリザードマン達。その様子に女の竜人が困ったような顔をする。

「そう……他に気になる事はなかった?」

「グア」
「グッグア」

「この子達、何も知らないってさ」

「……もういい。お前達は周辺の捜索に戻れ」

 イライラした様子で男の竜人が声をかけるとリザードマン達は森の奥へと走り去っていった。2人の竜人は、首を傾げながらロード・デザレアの死骸を脚で踏み付けた。

「これ、人間がやったと思うか?」

「まさか。ロード・デザレアを倒せるなんてダルクとベイルスト2人がかりでやっとだと思うし」

「ガランドラ様を倒した者もいるんだぞ」

「そ、そうだけどさ……」

 男の竜人がため息を吐く。

「俺はこの周辺をもう少し調査する。ヒュリスは南に行った部隊と合流してくれ」

 ヒュリスと呼ばれた女の竜人は、走り出そうとして、ふと足を止めた。右腕に付けた金の腕輪を訝しげに見つめ、男の竜人へ声をかける。

「それにしてもさ、この腕輪……どう思う?」

「どう思うとは?」

「私はなんだか嫌な感じがするんだよね。ダルク達、拒否すらさせないって雰囲気だったし……」

 突然、男の竜人が声を荒げた。

「お前……そんなことを言って恥ずかしくないのか!? 仲間よりも自分が大事か!?」

「い、いや……そういう訳じゃ無いって。はは……そんなに怒らないでよ~」

「……早く行け」


 ヒュリスが走り出す。俺はヤツらが言っていた腕輪の事が気になって、ヒュリスの後を追う事にした。

 森の中を駆け抜けるヒュリス。しばらく走った彼女は、急に立ち止まると周囲をキョロキョロと見渡した。見つからないよう大木の後ろに隠れて様子をうかがう。

 あんな所で何をするつもりだ?

 誰もいないと判断したのか、ヒュリスは右腕に付けていた腕輪を外した。

「私は……死んだって贄になんかなりたくない」

 ヒュリスが金の腕輪を地面に埋める。そして懐から同じ形状の腕輪を取り出すと、右腕に付けて奥へと走っていった。


 ヒュリスが見えなくなった後、周囲を確認して先ほどの場所へ行く。


「確かここに埋めていたはず」

 地面を掘ると程なくして金色の腕輪が現れる。土を払って裏側を見ると、そこには符呪の模様が刻まれていた。施された2つの符呪。なんだこれは? 後でみんなに見て貰うか。

 懐にその腕輪をしまい、俺は再び新宿駅を目指した。







しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】

山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。 失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。 そんな彼が交通事故にあった。 ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。 「どうしたものかな」 入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。 今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。 たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。 そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。 『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』 である。 50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。 ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。 俺もそちら側の人間だった。 年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。 「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」 これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。 注意事項 50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。 あらかじめご了承の上読み進めてください。 注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。 注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

処理中です...