撫子の華が咲く

茉莉花 香乃

文字の大きさ
58 / 98
華綻ぶは撫子

11

しおりを挟む
口付けにもようやく慣れてきたのか直ぐにわたしの舌を迎えてくれた。

「あっん…」

途端に身体を弛緩させる。

内頬を舌で押したり撫でたり、あちこちを刺激していると「…んっ…」と溢れる吐息。漏れる甘い声をもっと聞きたくなる。

「舌、出して…」

わたしを欲情の眼差しで見つめ、素直に差し出された舌。舌先同士で絡めあい閉じられないから二人の唾液が撫子の口から漏れる。
回される腕に幸せを感じる。
漏れ出た唾液を撫子の口に戻すように親指で…つっ…っとなぞれば、閉じていた目を開けて微笑んだ。

腰紐を緩め着物をはだけると胸の突起が現れた。一つを手で摘み、一つに口付けると、
「あっ…主上…そこは…」
「何?感じるの?」
「…駄目です…わたしは女ではないので他の女御さまのように膨らみがないのに…」
「まだそんなこと云ってるの?」
「だって…」
「黙って…」
「…はっん…」

こんなに感じてるのに頑なに胸を触るのを嫌がる。確かに膨らみはないけれど、それ以上にわたしを煽るように身悶えるその姿は堪らない。

首筋に顔を埋めて舐めながら、着物を肩まで下ろし鎖骨に吸い付く。

「…っん…」

撫子の白い肌に紅い華を散らしながら着物を全て脱がせていく。

すでに反応を始めた屹立に触れると、
「…はんっ…だ、めです…。主上も…ずるい…わたしだけ…」
「撫子も触りたいの?」
「あっ…んっ…ちが、ぅん…き、着物…を」
「触ってくれないの?」

初めての時にわたしが着物を全て脱がなかったことが嫌だったのか、わたしにいつも『脱いで…』と云う。
意地悪したい訳じゃないけれど、わかっていながら聞くのは…意地悪なのかもしれない。

「もっん…ちが、います…。だめ…主上、触っちゃ嫌です…」

胸と同じように屹立に触るのも嫌がるけれど、そんなことは気にならない。撫子はわたしのすることを本気で嫌がったことはないのだ。
あの時のことでさえ『わたくしには幸せな時間でしたよ』とどこまでもわたしを甘やかす。

もどかしそうにわたしの着物に手をかけて脱がそうとするので、さらに形を成してきた屹立を触りながら、
「脱がしてくれるの?」
と聞くと、
「…はいっ…あっ…だめ…」
「早く、脱がして…撫子」

あまり意地悪するのも可哀想なので、撫子を手伝って脱ごうとすると、
「あん…わたし、が…」

自分で脱がせたいらしい。

手は身体をあちこち触りながら好きなようにさせてあげる。

一所懸命着物を脱がせようとする仕草が可愛らしくついついいたずらすると、
「主上、…待って…」
と上目遣いで見つめられたら…、待ってなどいられない。

やっとわたしの着物を全て脱がせて満足している。

「これからだよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【短編】抱けない騎士と抱かれたい男娼

cyan
BL
戦地で奮闘する騎士のキースは疲れ果てていた。仲間に連れられて行った戦場の娼館で男娼であるテオに優しい言葉をかけられて好きになってしまったが、テオの特別になりたいと思えば思うほどテオのことを抱けなくなる。 純愛とちょっとのユーモアでほのぼのと読んでほしい。

異世界転生したと思ったら、悪役令嬢(男)だった

カイリ
BL
16年間公爵令息として何不自由ない生活を送ってきたヴィンセント。 ある日突然、前世の記憶がよみがえってきて、ここがゲームの世界であると知る。 俺、いつ死んだの?! 死んだことにも驚きが隠せないが、何より自分が転生してしまったのは悪役令嬢だった。 男なのに悪役令嬢ってどういうこと? 乙女げーのキャラクターが男女逆転してしまった世界の話です。 ゆっくり更新していく予定です。 設定等甘いかもしれませんがご容赦ください。

人気作家は売り専男子を抱き枕として独占したい

白妙スイ@1/9新刊発売
BL
八架 深都は好奇心から売り専のバイトをしている大学生。 ある日、不眠症の小説家・秋木 晴士から指名が入る。 秋木の家で深都はもこもこの部屋着を着せられて、抱きもせず添い寝させられる。 戸惑った深都だったが、秋木は気に入ったと何度も指名してくるようになって……。 ●八架 深都(はちか みと) 20歳、大学2年生 好奇心旺盛な性格 ●秋木 晴士(あきぎ せいじ) 26歳、小説家 重度の不眠症らしいが……? ※性的描写が含まれます 完結いたしました!

騎士と狩人

みけねこ
BL
小さい頃から狩人として父親に鍛えられてきた主人公。その甲斐あって同郷の同年代に比べてしっかりしていたが、ところが狩人という生業のせいか心なしか同年代から遠巻きにされているような……しっかりと交流してくれているのは幼馴染二人。 一方で常に周りに囲まれている村一番の三歳年下の美少年。自分とは正反対で今後関わることはないだろうなと思いながら狩人としての日々を過ごす中で、変化が訪れる。

青い薔薇と金色の牡丹【BL】

水月 花音
BL
ある日、異世界で目覚めた主人公。 通じる言葉、使える魔法… なぜ自分はここに来たのか。訳がわからないまま、時間は過ぎていく。 最後に待ち受ける結末とは… 王子様系攻め×綺麗系受け

恋なし、風呂付き、2LDK

蒼衣梅
BL
星座占いワースト一位だった。 面接落ちたっぽい。 彼氏に二股をかけられてた。しかも相手は女。でき婚するんだって。 占い通りワーストワンな一日の終わり。 「恋人のフリをして欲しい」 と、イケメンに攫われた。痴話喧嘩の最中、トイレから颯爽と、さらわれた。 「女ったらしエリート男」と「フラれたばっかの捨てられネコ」が始める偽同棲生活のお話。

最初から可愛いって思ってた?

コプラ@貧乏令嬢〜コミカライズ12/26
BL
マッチョの攻めから溺愛される可愛い受けが、戸惑いながらもそのまっすぐな愛情に溺れていく大学生カップルのBLストーリー。 男性ホルモンで出来た様なゼミ仲間の壬生君は、僕にとってはコンプレックを刺激される相手だった。童顔で中性的な事を自覚してる僕こと田中悠太はそんな壬生君と気が合って急接近。趣味の映画鑑賞を一緒にちょくちょくする様になっていた。ある日そんな二人の選んだ映画に影響されて、二人の距離が友達を超えて…? ★これはTwitterのお題でサクッと書いたミニストーリーを下地に作品にしてみました。 『吐息』『ゼロ距離』のお題で「事故でもそれは。」Twitter小話の中にあります。

[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった

ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン モデル事務所で メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才 中学時代の初恋相手 高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が 突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。 昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき… 夏にピッタリな青春ラブストーリー💕

処理中です...