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第一章
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「ユキいる?」
従姉妹の奈津美が部屋に入ってきた。
神田奈津美はこの春から高校三年生になる。
中学までは違う公立の学校だったのだけど、僕は四月からこの従姉妹と同じ学校に通うことになってしまった。
母親同士が姉妹で、家も自転車で行き来できる距離なので僕の事をよく構ってくる。
正直言ってウザいけど、小さい頃から奈津美には逆らえない。
やっぱり二歳差の壁は大きく高いのかな……裕樹はそんな風に年齢の所為で奈津美に敵わないと思っているが、例え裕樹が年上だったとしても力関係は変わらないと、誰もが思う二人だった。
奈津美の彼は四月から大学生で、電車で二時間の遠距離恋愛になってしまい、一昨日引越しを手伝うと付いて行ったはずなのにもう帰って来たのかな。
ずっと彼の所に居れば良いのに、僕だって忙しいんだよ!……とは、言えない裕樹は、
「今日は何?」
「眼鏡、買いに行くよ!」
「えっ…?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
従姉妹の奈津美が部屋に入ってきた。
神田奈津美はこの春から高校三年生になる。
中学までは違う公立の学校だったのだけど、僕は四月からこの従姉妹と同じ学校に通うことになってしまった。
母親同士が姉妹で、家も自転車で行き来できる距離なので僕の事をよく構ってくる。
正直言ってウザいけど、小さい頃から奈津美には逆らえない。
やっぱり二歳差の壁は大きく高いのかな……裕樹はそんな風に年齢の所為で奈津美に敵わないと思っているが、例え裕樹が年上だったとしても力関係は変わらないと、誰もが思う二人だった。
奈津美の彼は四月から大学生で、電車で二時間の遠距離恋愛になってしまい、一昨日引越しを手伝うと付いて行ったはずなのにもう帰って来たのかな。
ずっと彼の所に居れば良いのに、僕だって忙しいんだよ!……とは、言えない裕樹は、
「今日は何?」
「眼鏡、買いに行くよ!」
「えっ…?」
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