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第四章
4ー07
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「…分かった。じゃさ、連絡先教えてよ」
「……ごめん…無理…」
「どして?」
俯いてしまう。
橘裕樹だと分かってしまうかも知れないことは、今はまだしたくないんだ。
怒らせてしまうだろうか?
それならもう会わないと言われてしまうだろうか?
「良いよ…その代わり、また会ってくれる?」
「!…はい!」
「じゃあ、来週の土曜日にエスポワールで。良い?」
「はい」
嬉しい。
頭撫でられた。
「そんな笑顔、複雑だな…どこ行こうか?……水族館なんかどう?お弁当持ってさ」
「あっ、じゃあ僕作ります。簡単なものしか作れないけど」
「えっ!マジ?良いの?」
「うん」
「じゃあ、来週エスポワールで、9時に待ってる」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夏休み迄にはまだ学校に行かなくてはいけない。短縮授業なので午前中だけだけど。そして終業式。これも午前中だけ。
僕は今までに増して彰君を避けなくてはならなくて、終業式は休もうかと思ったけど……叶わなかった。
奈津美の彼がお母さんの車を借りて迎えに来るので、一緒に帰ろうと誘われた。
断りたいけど、奈津美に隠し事のある僕は「はい」と言うしか無かった。
奈津美の彼、慎之介さんは三月に車の免許を取って、地元に帰ってきた時しか運転していない。超初心者なのではっきり言って運転は怖いけど、奈津美の笑顔の方が何故か怖い。奈津美は友達が多く、中学の頃も学校が違うのに僕の学校でのこともなぜか知っていたりした。
『終わったら直ぐに出るから、校門の外で待ってる』
奈津美にメールして彰君に会わないように注意して帰る。
校門に行くと慎之介さんはもう来ていた。「こっち」と手招きされて車まで行くと「乗ってね」と言われたので、有り難く乗せて貰った。
「お久しぶりです。慎之介さん」
「ホント、元気してた?」
「…はい。僕まで、すみません。ありがとうございます」
いや、別に一緒に帰らなくて良かったんだけどね。まあ、一応お礼くらい言っとこうか?ありがた迷惑だけどね…。
「ううん、良いんだ。この頃ちょっと慣れてきたから、講義の時間を見てたまにこっち帰ってるんだ」
「そうなんだ。奈津美に会いに?」
なんだよ、ラブラブなのを見せ付ける為に僕を呼んだのかな?
「……ごめん…無理…」
「どして?」
俯いてしまう。
橘裕樹だと分かってしまうかも知れないことは、今はまだしたくないんだ。
怒らせてしまうだろうか?
それならもう会わないと言われてしまうだろうか?
「良いよ…その代わり、また会ってくれる?」
「!…はい!」
「じゃあ、来週の土曜日にエスポワールで。良い?」
「はい」
嬉しい。
頭撫でられた。
「そんな笑顔、複雑だな…どこ行こうか?……水族館なんかどう?お弁当持ってさ」
「あっ、じゃあ僕作ります。簡単なものしか作れないけど」
「えっ!マジ?良いの?」
「うん」
「じゃあ、来週エスポワールで、9時に待ってる」
「はい」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
夏休み迄にはまだ学校に行かなくてはいけない。短縮授業なので午前中だけだけど。そして終業式。これも午前中だけ。
僕は今までに増して彰君を避けなくてはならなくて、終業式は休もうかと思ったけど……叶わなかった。
奈津美の彼がお母さんの車を借りて迎えに来るので、一緒に帰ろうと誘われた。
断りたいけど、奈津美に隠し事のある僕は「はい」と言うしか無かった。
奈津美の彼、慎之介さんは三月に車の免許を取って、地元に帰ってきた時しか運転していない。超初心者なのではっきり言って運転は怖いけど、奈津美の笑顔の方が何故か怖い。奈津美は友達が多く、中学の頃も学校が違うのに僕の学校でのこともなぜか知っていたりした。
『終わったら直ぐに出るから、校門の外で待ってる』
奈津美にメールして彰君に会わないように注意して帰る。
校門に行くと慎之介さんはもう来ていた。「こっち」と手招きされて車まで行くと「乗ってね」と言われたので、有り難く乗せて貰った。
「お久しぶりです。慎之介さん」
「ホント、元気してた?」
「…はい。僕まで、すみません。ありがとうございます」
いや、別に一緒に帰らなくて良かったんだけどね。まあ、一応お礼くらい言っとこうか?ありがた迷惑だけどね…。
「ううん、良いんだ。この頃ちょっと慣れてきたから、講義の時間を見てたまにこっち帰ってるんだ」
「そうなんだ。奈津美に会いに?」
なんだよ、ラブラブなのを見せ付ける為に僕を呼んだのかな?
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