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第七章
7ー02
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「裕樹のはカフェオレにして貰ったよ」
「うん、ありがと」
「航さんから、アップルパイ一切れ貰った。半分こしよ」
「嬉しい。後でお礼言わないとね」
まだテーブルは無いけど、ベッドヘッドが広くてコーヒーなんかを置けるようになっている。
彰君は椅子に座ってコーヒーを飲んでる。
僕もコーヒーを一口飲む。
彰君がアップルパイを切ってフォークをこちらに向けている。
「食べて?あ~ん」
「ふふっ、美味しい」
「俺も食べたいな」
『あ~ん』して欲しいのかな?
「お皿貸して。今度は僕が食べさせてあげる。はい、あ~ん」
「ありがと」
うっ、彰君の笑顔が眩しすぎて、僕まで笑顔になるよ。…これは笑顔ではなくニヤけてるだろうか?
段々顔が赤くなるのがわかる。
慌ててコーヒーを飲んで、彰君を見ると、
「何、赤くなってるの?可愛いね」
可愛くなんか無いよ…。
「もっと、食べたいんだけど」
あっ、もうアップルパイ無いよね。
「もう一切れ貰って来ようか?違うケーキでも良いね。お金払えば平気だよね?」
「違うよ。裕樹が食べたいな」
「えっ…」
「キスして良い?」
『して良い?』なんて聞かないでよ…ズルイよ。
「…うん」
彰君が僕の隣に座ってベッドが少ししなった。
最初は触れるだけの唇。
角度を変えて何度も啄むようなバードキス。
触れるだけの唇がもどかしい。
彰君が僕の腰に腕を伸ばして抱き締める。
唇を舌でノックされて薄く開くと中に入ってきた舌が僕の舌を絡める。
「あっ…っん…」
堪らなくなって彰君の髪に手を伸ばして梳いていると、また触れるだけの唇。
暫く唇の上で遊んでいた彰君は、今度はもううかがう事をしない。
僕の口内で自由に動く。
上顎と歯列をなぞられて、
「…あっ…んっ…」
恥ずかしい。
声が出ちゃう。
もともと少し高めの僕の声は益々高いものになり、煽られる。
彰君の舌が僕の内頬をなぞり、下顎と歯列も順になぞっていく。
「…あっ……んっ…あっ、きら…」
舌を絡められ、舌の根元から吸い上げられた。
「んっ…」
「裕樹、可愛い。好き。ねえ、少し触って良い?」
「…うん」
恥ずかしいけど、触って欲しい。
僕も彰君を感じたい。
彰君の唇が耳を甘噛みし、手は裾から入って身体を撫でる。
最初ゆるゆると背中をさすっていたのにいつの間にか片手が前に回ってきた。
お腹、臍そして胸へたどり着いた手はそこから離れない。
「うん、ありがと」
「航さんから、アップルパイ一切れ貰った。半分こしよ」
「嬉しい。後でお礼言わないとね」
まだテーブルは無いけど、ベッドヘッドが広くてコーヒーなんかを置けるようになっている。
彰君は椅子に座ってコーヒーを飲んでる。
僕もコーヒーを一口飲む。
彰君がアップルパイを切ってフォークをこちらに向けている。
「食べて?あ~ん」
「ふふっ、美味しい」
「俺も食べたいな」
『あ~ん』して欲しいのかな?
「お皿貸して。今度は僕が食べさせてあげる。はい、あ~ん」
「ありがと」
うっ、彰君の笑顔が眩しすぎて、僕まで笑顔になるよ。…これは笑顔ではなくニヤけてるだろうか?
段々顔が赤くなるのがわかる。
慌ててコーヒーを飲んで、彰君を見ると、
「何、赤くなってるの?可愛いね」
可愛くなんか無いよ…。
「もっと、食べたいんだけど」
あっ、もうアップルパイ無いよね。
「もう一切れ貰って来ようか?違うケーキでも良いね。お金払えば平気だよね?」
「違うよ。裕樹が食べたいな」
「えっ…」
「キスして良い?」
『して良い?』なんて聞かないでよ…ズルイよ。
「…うん」
彰君が僕の隣に座ってベッドが少ししなった。
最初は触れるだけの唇。
角度を変えて何度も啄むようなバードキス。
触れるだけの唇がもどかしい。
彰君が僕の腰に腕を伸ばして抱き締める。
唇を舌でノックされて薄く開くと中に入ってきた舌が僕の舌を絡める。
「あっ…っん…」
堪らなくなって彰君の髪に手を伸ばして梳いていると、また触れるだけの唇。
暫く唇の上で遊んでいた彰君は、今度はもううかがう事をしない。
僕の口内で自由に動く。
上顎と歯列をなぞられて、
「…あっ…んっ…」
恥ずかしい。
声が出ちゃう。
もともと少し高めの僕の声は益々高いものになり、煽られる。
彰君の舌が僕の内頬をなぞり、下顎と歯列も順になぞっていく。
「…あっ……んっ…あっ、きら…」
舌を絡められ、舌の根元から吸い上げられた。
「んっ…」
「裕樹、可愛い。好き。ねえ、少し触って良い?」
「…うん」
恥ずかしいけど、触って欲しい。
僕も彰君を感じたい。
彰君の唇が耳を甘噛みし、手は裾から入って身体を撫でる。
最初ゆるゆると背中をさすっていたのにいつの間にか片手が前に回ってきた。
お腹、臍そして胸へたどり着いた手はそこから離れない。
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