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side和ー2
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「じゃあ、俺も帰ります」
「部屋、上がって行って」
「いえ、遠慮します…」
「もう、襲わないからさ」
「どうだか…」
「襲って欲しい?」
「帰ります」
「嘘、嘘。帰るなら送って行くよ。ホントは寄ってって欲しいけど、警戒されちゃったし」
「警戒するようなことしたのは将太さんじゃないですか」
「そうだっけ?」
「そうです」
マンションの近くまで送ってくれた。
「ありがとうございました。料理も凄く美味しかったです。ご馳走さまでした。いつも奢って貰って申し訳ありません」
「良いよ」
車から降りて、お礼を言っていると、人が二人近づいて来た。近所の人かと思っていると「和希…」凄く聞きたかった声が耳に飛び込んで来た。
「あっ…」
「遊びに行ってたの?」
「…はい」
その人の隣にはいつか見た写真の男の人がいた。
「じゃあ、失礼します」
と、背を向けた。
「ああ、また家においで」
「はい。ありがとうございます」
背を向けたまま答えた。
遠ざかって行く足音を聞きながら、涙を耐えた。
「知り合い?」
そう言えば、まだ将太さんがいたんだった。
「はい。幼馴染のお兄さんです」
「ふうん」
「じゃあ、帰ります」
「あっ、和希…」
多分キスしようとしたのだろう、近づいて来た将太さんの肩を押して歩き出した。まだ涙は出せない。
でも元気そうで良かった。
そう言えば、裕樹があの人の事言っていたな。あれは裕樹が月島との事を相談していた時だったかな。初めてエスポワールに行く、一週間くらい前のことだった。
『ありがとう、和希。いつも心配ばかりかけてごめんね』
「良いよ」
『ねえ、和希…話し変わるんだけど、翔ちゃんが和希に会いたがってるみたいなんだ。この頃和希の話しばっかりするんだ。「元気にしてるか?」って』
裕樹の言う『翔ちゃん』は、裕樹のお兄さんで翔悟と言う。
『ねえ、喧嘩した?』
「喧嘩なんかしてないよ」
『でも…和希はいつも僕の事ばかり気にしてくれて、自分の事は後回しなんだよ。僕も和希の事、心配してるんだよ』
「うん、わかってる」
「部屋、上がって行って」
「いえ、遠慮します…」
「もう、襲わないからさ」
「どうだか…」
「襲って欲しい?」
「帰ります」
「嘘、嘘。帰るなら送って行くよ。ホントは寄ってって欲しいけど、警戒されちゃったし」
「警戒するようなことしたのは将太さんじゃないですか」
「そうだっけ?」
「そうです」
マンションの近くまで送ってくれた。
「ありがとうございました。料理も凄く美味しかったです。ご馳走さまでした。いつも奢って貰って申し訳ありません」
「良いよ」
車から降りて、お礼を言っていると、人が二人近づいて来た。近所の人かと思っていると「和希…」凄く聞きたかった声が耳に飛び込んで来た。
「あっ…」
「遊びに行ってたの?」
「…はい」
その人の隣にはいつか見た写真の男の人がいた。
「じゃあ、失礼します」
と、背を向けた。
「ああ、また家においで」
「はい。ありがとうございます」
背を向けたまま答えた。
遠ざかって行く足音を聞きながら、涙を耐えた。
「知り合い?」
そう言えば、まだ将太さんがいたんだった。
「はい。幼馴染のお兄さんです」
「ふうん」
「じゃあ、帰ります」
「あっ、和希…」
多分キスしようとしたのだろう、近づいて来た将太さんの肩を押して歩き出した。まだ涙は出せない。
でも元気そうで良かった。
そう言えば、裕樹があの人の事言っていたな。あれは裕樹が月島との事を相談していた時だったかな。初めてエスポワールに行く、一週間くらい前のことだった。
『ありがとう、和希。いつも心配ばかりかけてごめんね』
「良いよ」
『ねえ、和希…話し変わるんだけど、翔ちゃんが和希に会いたがってるみたいなんだ。この頃和希の話しばっかりするんだ。「元気にしてるか?」って』
裕樹の言う『翔ちゃん』は、裕樹のお兄さんで翔悟と言う。
『ねえ、喧嘩した?』
「喧嘩なんかしてないよ」
『でも…和希はいつも僕の事ばかり気にしてくれて、自分の事は後回しなんだよ。僕も和希の事、心配してるんだよ』
「うん、わかってる」
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