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side和ー2
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『翔ちゃん、この頃仕事で遅いんだ。ちょっと疲れてる感じがする。…中学の時はあんなに仲良くしてたじゃない。翔ちゃん、仕事してると会えないの?それでも…確か去年は会ってたよね』
「翔悟さん、忙しいから」
『和希、会いたい?』
「ううん。会いたくない」
『えっ?』
「違う。きっと翔悟さんの方が俺に会いなんて思わないよ」
『そんなことないよ』
「裕樹、この話しはこれで終わり」
『うん、わかった』
『分かった』と言いながら裕樹は何か納得していないようだった。
『ねえ、一つだけ聞いて良い?』
おずおずって感じで、小さい声で聞いてくる。
「何?」
『二人は付き合ってるの?』
躊躇いがちな出だしなのに、裏がない裕樹らしい質問だった。
「ううん。付き合ってない。別れた」
『えっ?…別れたってことは付き合ってたの?』
「裕樹、やっぱり気付いてなかったんだな」
『最近、もしかしたら、そうだったんじゃないかな~って思ったりしてたんだけど…』
「でも、もう別れたから。そんな別れた奴に会いたいとか、普通思わないでしょ?」
『和希は会いたくない?』
裕樹は同じ質問をしてくる。
きっと、俺が本当は会いたいと思っているのを知ってるんだ。
「俺は…」
『ねえ、前に言ってくれたよね、「自分の気持ちに向き合え」って。和希も一緒だよ』
「うん…」
十分自分の気持ちに向き合った。会いたいんだ。
さっき、翔悟さんの顔を見た時の喜びと、一緒にいる人を見た時の絶望がぐちゃぐちゃだ。
俺が会いたいと思っても翔悟さんは会いたくないだろう。
『家においで』と言ってくれるけど、裕樹の兄としてだろう。
「翔悟さん、忙しいから」
『和希、会いたい?』
「ううん。会いたくない」
『えっ?』
「違う。きっと翔悟さんの方が俺に会いなんて思わないよ」
『そんなことないよ』
「裕樹、この話しはこれで終わり」
『うん、わかった』
『分かった』と言いながら裕樹は何か納得していないようだった。
『ねえ、一つだけ聞いて良い?』
おずおずって感じで、小さい声で聞いてくる。
「何?」
『二人は付き合ってるの?』
躊躇いがちな出だしなのに、裏がない裕樹らしい質問だった。
「ううん。付き合ってない。別れた」
『えっ?…別れたってことは付き合ってたの?』
「裕樹、やっぱり気付いてなかったんだな」
『最近、もしかしたら、そうだったんじゃないかな~って思ったりしてたんだけど…』
「でも、もう別れたから。そんな別れた奴に会いたいとか、普通思わないでしょ?」
『和希は会いたくない?』
裕樹は同じ質問をしてくる。
きっと、俺が本当は会いたいと思っているのを知ってるんだ。
「俺は…」
『ねえ、前に言ってくれたよね、「自分の気持ちに向き合え」って。和希も一緒だよ』
「うん…」
十分自分の気持ちに向き合った。会いたいんだ。
さっき、翔悟さんの顔を見た時の喜びと、一緒にいる人を見た時の絶望がぐちゃぐちゃだ。
俺が会いたいと思っても翔悟さんは会いたくないだろう。
『家においで』と言ってくれるけど、裕樹の兄としてだろう。
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