エスポワールに行かないで

茉莉花 香乃

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side和ー5

06

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横になっていても殴られたせいで熱が出ているのか酷く神経が研ぎ澄まされて、心臓がそこにあるような、神経が全てそこに集まっているような感じがしてズキズキと頭が痛い。

暫くして先生と看護師さんが来て、簡単に検査をされた。

先生たちが出て行くと月島が顔を覗かせた。

「大丈夫か?」
「ん~わかんないや」
「そか、まあ、意識が戻って良かった。航さんにもみーさんにも言っとくから。
裕樹は大丈夫だ。お前が無事なの聞いて、安心したのか寝てしまったんだ。顔見たがってたけど」
「うん。ありがとう。月島……ごめん。裕樹巻き添えにしちゃって」
「何言ってんの?石原のが怪我酷いし…お前だって被害者だ。何も謝ることない」
「うん」
「もう良いか?」

翔悟さんが間に入って会話を遮った。

「また明日だ」
「はい、わかりました」
「じゃあな、石原。悪かったな、怪我してんのに」

月島が部屋を出て行くと翔悟さんは、「もう寝るか?」と聞いてきた。

「まだ…」

寝たくない。
目覚めた時に一人なんて耐えられない。

「なあ、聞いて良い?」
「うん」
「何された?殴られる以外何された?」
「?」

何をされただろうか?

……段々思い出す恐怖。

ガタガタと震え始めた俺の腕を翔悟さんは優しく撫で付ける。

「和、ごめん。今、無理に思い出さなくて良い。和、オレは触っても良い?」

優しく聞てくれる。

「うん。翔、触って。いっぱい触って」

涙が頬を伝って流れる。
後から後から。

翔悟さんは服の上からゆっくりと優しく体を撫でてくれた。

「翔…もっと。あ、あいつらっ…に直接…さ、さわらっれたんだ。ふ、服の…な、中に手、入れ……」

あっ、ダメだ。

翔悟さんは触ってはくれない。

いっそう強くなる嗚咽を堪える。

「…ごっめ…ん、ダッ、ダッメだよね……。い、いいよっ、さ、さわっ、らなくっても…き、気持ちっ、わ、悪いよね…」

絞り出すように告げた。


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