26 / 173
第三章
08
しおりを挟む
侯爵家の子息が連なって歩いていると目立つのか、チラチラとこちらを見られているようで落ち着かない。
『何か目立ってるね』
『そうか?』
『うん。凄く視線を感じるよ。アシュリーもダレルもイーノックも背が高くて凄くかっこ良いからみんな見てるんだね。凄いね、男の人の視線も釘付けだよ?』
『ああ、それは…気にするな』
『気になるよ…。僕のアシュリーなのに…』
今までは我慢してた。
アシュリーが女子寮へ出掛けても、何も言えない。言う権利なんてないと思ってたし、そもそも話すらあまりしてなかった。アシュリーの話では、いつも僕がどこにいるか気にして見守っててくれてたみたいだけど、僕がアシュリーの行動にとやかく言える立場じゃなかった。
でも、今は…少しくらい嫉妬しても良いだろうか?重いヤツって思われないかな…。ちらりとアシュリーを見ると、満面の笑みで頭を撫でてくれた。
『嬉しいよ』
「ジュリアン、何食べたい?俺がご馳走するよ。あっ、あそこに肉がある!あれが良いんじゃない?」
「ダレルが食べたいんじゃないの?良いよ、お肉食べよう。後でフルーツチョコレートも食べようね」
僕が好きなのは様々なフルーツをチョコでコーティングした露店定番のおやつ。フルーツを飴でコーティングしているものもあり、飴の色がカラフルで見ていてとても綺麗だ。ミートパイやアップルパイ、肉の煮込んだものや様々な家庭料理もあり目移りしちゃう。
「ジュリアン、そんなに食べられないですよ?」
「え~、イーノックも食べてくれるでしょう?」
「はい、頂きますが…それにしても多くないですか?」
「固いこと言うなよ」
ダレルが次々買ってくる料理を露店の前のテーブルに並べて食べ始めた。
『フードは…仕方ないな』
僕が食べにくいから、はらりとフードを外すと三人が慌ててる。
「良いじゃん、俺たちが付いてたら誰も声掛けないさ」
「そうですね、最強の護衛ですよ」
「そうだな…。ジュリアン、美味しい?」
「うん、ここで食べるの久しぶりだし、楽しい」
その後、四人でゆっくりと感謝祭を楽しんだ。
僕は知らなかったけど、アシュリーの隣にいるのが誰なのかと噂があったそうだ。女装のせいで僕の顔を見てもアドラム家の四男だと知っている人は少ないけど、アシュリーたちは学園に上がる前から目立っていたから有名だった。
◇◇◇◇◇
「あっ…んっ」
声が漏れる。
身体が熱くなる。
アシュリーの舌が僕の唇をなぞる。口内に入ってくる舌が次第に僕の力を抜いていく。
「ア、アシュ…寝られないよ…あっ…はっぁ…」
この頃、キスの時間が長くなった。眠るためにベッドで横になるのではなく、キスするために急ぐんだ。
お互いがシャワーを浴びて、さあ寝るってなると手を引かれたり抱きしめられてそのまま横抱きにされてベッドへ急ぐ。
アシュリーの腕の中はドキドキするけど落ち着く。首に腕を回して抱きつくと、直ぐそこにある首に手を当てる。
「ん?どうした?」
「キスして良い?」
「良いよ」
僕にはまだない喉仏にチュッとキスをする。
「んっ…」
漏れる吐息にぞくりとする。
「俺もする。良い?」
「うん…。…あぁっ…んっ…」
唇で触れて、舌を這わす。
「ここ弱い?」
「わ、わかんない」
顎から耳の後ろ、鎖骨を舐めるようにキスをされて更に身体が熱くなっていく。
「今度の休暇の時父上に会ってくれる」
「あっ、あん……た、誕生日のパーティー?」
僕が喋り終わるのを待って、またキスをする。
「そうだよ。今年から一緒にしようか?場所は…父上に任せるとして…。ねえ、いいと思わない?」
「うん」
僕は前から一緒でも構わないと思っていたから素直に頷いた。
「でもさ…反対されない?」
「どう言うこと?」
「だって、アシュリーと一緒に誕生日を祝うってことは、その…僕とアシュリーがさ、つ、付き合、合ってるってリンメルさまに言わなくちゃいけないってことでしょう?そうならさ、反対されたら…」
嫌だな…。
「父上はもう知ってるよ?」
「えっ?…そうなの?」
「クラレンスが言ってただろ?俺もちゃんと報告してるし祝福してくれてるよ。それこそリンメル家を挙げてジュリアンを守るよ」
「僕だけが守られてるのは嫌だ。僕もアシュリーを守りたい」
僕だって男だ。守られてるだけじゃ嫌。アシュリーが僕と付き合うことによって、謂れ無い悪意に晒されることがあれば…その時は僕が…。
でも……、良いのかな?
僕は小さな頃から好きだったから嬉しくって仕方ないけど、アシュリーは?
笑顔のアシュリーにそれ以上のことが聞けなくて、でも…きっと大丈夫。
『何か目立ってるね』
『そうか?』
『うん。凄く視線を感じるよ。アシュリーもダレルもイーノックも背が高くて凄くかっこ良いからみんな見てるんだね。凄いね、男の人の視線も釘付けだよ?』
『ああ、それは…気にするな』
『気になるよ…。僕のアシュリーなのに…』
今までは我慢してた。
アシュリーが女子寮へ出掛けても、何も言えない。言う権利なんてないと思ってたし、そもそも話すらあまりしてなかった。アシュリーの話では、いつも僕がどこにいるか気にして見守っててくれてたみたいだけど、僕がアシュリーの行動にとやかく言える立場じゃなかった。
でも、今は…少しくらい嫉妬しても良いだろうか?重いヤツって思われないかな…。ちらりとアシュリーを見ると、満面の笑みで頭を撫でてくれた。
『嬉しいよ』
「ジュリアン、何食べたい?俺がご馳走するよ。あっ、あそこに肉がある!あれが良いんじゃない?」
「ダレルが食べたいんじゃないの?良いよ、お肉食べよう。後でフルーツチョコレートも食べようね」
僕が好きなのは様々なフルーツをチョコでコーティングした露店定番のおやつ。フルーツを飴でコーティングしているものもあり、飴の色がカラフルで見ていてとても綺麗だ。ミートパイやアップルパイ、肉の煮込んだものや様々な家庭料理もあり目移りしちゃう。
「ジュリアン、そんなに食べられないですよ?」
「え~、イーノックも食べてくれるでしょう?」
「はい、頂きますが…それにしても多くないですか?」
「固いこと言うなよ」
ダレルが次々買ってくる料理を露店の前のテーブルに並べて食べ始めた。
『フードは…仕方ないな』
僕が食べにくいから、はらりとフードを外すと三人が慌ててる。
「良いじゃん、俺たちが付いてたら誰も声掛けないさ」
「そうですね、最強の護衛ですよ」
「そうだな…。ジュリアン、美味しい?」
「うん、ここで食べるの久しぶりだし、楽しい」
その後、四人でゆっくりと感謝祭を楽しんだ。
僕は知らなかったけど、アシュリーの隣にいるのが誰なのかと噂があったそうだ。女装のせいで僕の顔を見てもアドラム家の四男だと知っている人は少ないけど、アシュリーたちは学園に上がる前から目立っていたから有名だった。
◇◇◇◇◇
「あっ…んっ」
声が漏れる。
身体が熱くなる。
アシュリーの舌が僕の唇をなぞる。口内に入ってくる舌が次第に僕の力を抜いていく。
「ア、アシュ…寝られないよ…あっ…はっぁ…」
この頃、キスの時間が長くなった。眠るためにベッドで横になるのではなく、キスするために急ぐんだ。
お互いがシャワーを浴びて、さあ寝るってなると手を引かれたり抱きしめられてそのまま横抱きにされてベッドへ急ぐ。
アシュリーの腕の中はドキドキするけど落ち着く。首に腕を回して抱きつくと、直ぐそこにある首に手を当てる。
「ん?どうした?」
「キスして良い?」
「良いよ」
僕にはまだない喉仏にチュッとキスをする。
「んっ…」
漏れる吐息にぞくりとする。
「俺もする。良い?」
「うん…。…あぁっ…んっ…」
唇で触れて、舌を這わす。
「ここ弱い?」
「わ、わかんない」
顎から耳の後ろ、鎖骨を舐めるようにキスをされて更に身体が熱くなっていく。
「今度の休暇の時父上に会ってくれる」
「あっ、あん……た、誕生日のパーティー?」
僕が喋り終わるのを待って、またキスをする。
「そうだよ。今年から一緒にしようか?場所は…父上に任せるとして…。ねえ、いいと思わない?」
「うん」
僕は前から一緒でも構わないと思っていたから素直に頷いた。
「でもさ…反対されない?」
「どう言うこと?」
「だって、アシュリーと一緒に誕生日を祝うってことは、その…僕とアシュリーがさ、つ、付き合、合ってるってリンメルさまに言わなくちゃいけないってことでしょう?そうならさ、反対されたら…」
嫌だな…。
「父上はもう知ってるよ?」
「えっ?…そうなの?」
「クラレンスが言ってただろ?俺もちゃんと報告してるし祝福してくれてるよ。それこそリンメル家を挙げてジュリアンを守るよ」
「僕だけが守られてるのは嫌だ。僕もアシュリーを守りたい」
僕だって男だ。守られてるだけじゃ嫌。アシュリーが僕と付き合うことによって、謂れ無い悪意に晒されることがあれば…その時は僕が…。
でも……、良いのかな?
僕は小さな頃から好きだったから嬉しくって仕方ないけど、アシュリーは?
笑顔のアシュリーにそれ以上のことが聞けなくて、でも…きっと大丈夫。
0
あなたにおすすめの小説
怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?
ユキ・シオン
那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。
成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。
出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。
次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。
青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。
そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり……
※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)
ギャップがあり過ぎるけど異世界だからそんなもんだよな、きっと。
一片澪
BL
※異世界人が全く珍しくないその世界で神殿に保護され、魔力相性の良い相手とお見合いすることになった馨は目の前に現れた男を見て一瞬言葉を失った。
衣服は身に着けているが露出している部分は見るからに固そうな鱗に覆われ、目は爬虫類独特の冷たさをたたえており、太く長い尾に鋭い牙と爪。
これはとんでも無い相手が来た……とちょっと恐れ戦いていたのだが、相手の第一声でその印象はアッサリと覆される。
愛と猛毒(仮)
万里
BL
オフィスビルの非常階段。冷え切った踊り場で煙草をくゆらせる水原七瀬(みずはらななせ)は、部下たちのやり取りを静かに見守っていた。 そこでは村上和弥(むらかみかずや)が、長年想い続けてきた和泉に別れを告げられていた。和泉は「ありがとう」と優しく微笑みながらも、決意をもって彼を突き放す。和弥は矜持を守ろうと、営業スマイルを貼り付けて必死に言葉を紡ぐが、その姿は痛々しいほどに惨めだった。
和泉が去った後、七瀬は姿を現し、冷徹な言葉で和弥を追い詰める。 「お前はただの予備だった」「純愛なんて綺麗な言葉で誤魔化してるだけだ」――七瀬の毒舌は、和弥の心を抉り、憎悪を引き出す。和弥は「嫌いだ」と叫び、七瀬を突き放して階段を駆け下りていく。
「……本当、バカだよな。お前も、俺も」
七瀬は独り言を漏らすと、和弥が触れた手首を愛おしそうに、そして自嘲気味に強く握りしめた。
その指先に残る熱は、嫌悪という仮面の下で燃え盛る執着の証だった。 毒を吐き続けることでしか伝えられない――「好きだ」という言葉を、七瀬は永遠に飲み込んだまま、胸の奥で腐らせていた。
血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】
まつも☆きらら
BL
突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる