愛と猛毒(仮)
オフィスビルの非常階段。冷え切った踊り場で煙草をくゆらせる水原七瀬(みずはらななせ)は、部下たちのやり取りを静かに見守っていた。 そこでは村上和弥(むらかみかずや)が、長年想い続けてきた和泉に別れを告げられていた。和泉は「ありがとう」と優しく微笑みながらも、決意をもって彼を突き放す。和弥は矜持を守ろうと、営業スマイルを貼り付けて必死に言葉を紡ぐが、その姿は痛々しいほどに惨めだった。
和泉が去った後、七瀬は姿を現し、冷徹な言葉で和弥を追い詰める。 「お前はただの予備だった」「純愛なんて綺麗な言葉で誤魔化してるだけだ」――七瀬の毒舌は、和弥の心を抉り、憎悪を引き出す。和弥は「嫌いだ」と叫び、七瀬を突き放して階段を駆け下りていく。
「……本当、バカだよな。お前も、俺も」
七瀬は独り言を漏らすと、和弥が触れた手首を愛おしそうに、そして自嘲気味に強く握りしめた。
その指先に残る熱は、嫌悪という仮面の下で燃え盛る執着の証だった。 毒を吐き続けることでしか伝えられない――「好きだ」という言葉を、七瀬は永遠に飲み込んだまま、胸の奥で腐らせていた。
和泉が去った後、七瀬は姿を現し、冷徹な言葉で和弥を追い詰める。 「お前はただの予備だった」「純愛なんて綺麗な言葉で誤魔化してるだけだ」――七瀬の毒舌は、和弥の心を抉り、憎悪を引き出す。和弥は「嫌いだ」と叫び、七瀬を突き放して階段を駆け下りていく。
「……本当、バカだよな。お前も、俺も」
七瀬は独り言を漏らすと、和弥が触れた手首を愛おしそうに、そして自嘲気味に強く握りしめた。
その指先に残る熱は、嫌悪という仮面の下で燃え盛る執着の証だった。 毒を吐き続けることでしか伝えられない――「好きだ」という言葉を、七瀬は永遠に飲み込んだまま、胸の奥で腐らせていた。
あなたにおすすめの小説
トラウマΩの巣作りかくれんぼ
『紬、次の発情期が来たら、オレのために”巣”を作ってよ』
その約束は、僕にとってしあわせの始まりになるはずだった。
でも、その約束が原因で、僕は自分が”普通”じゃないんだと知ってしまった。
新しい恋人である優しいα・奏さんと暮らし始めても、あの日のトラウマは消えない。
彼に”巣”を見られるのが怖くて、発情期が近付くたび、僕は小さな嘘をつく。
誰にも見つからない場所で、ひとりぼっちで”巣”を作り、彼が帰って来る前に片付ける。
これは、“普通”のΩになれなかった僕と、大好きな恋人とのかくれんぼ。
どうか、僕の”巣”が見つかりませんように。
――そう願っているのに、本当は少しだけ、奏さんに見つけて欲しいと願ってしまった僕のお話。
上手に啼いて
■聡は10歳の初めての発情期の際、大輝に噛まれ番となった。それ以来関係を継続しているが、愛ではなく都合と情で続いている現状はそろそろ終わりが見えていた。
■注意*独自オメガバース設定。■『それは愛か本能か』と同じ世界設定です。関係は一切なし。
魔性の男
俺はとにかくモテる。学生の頃から、社会人になった今でも、異性問わずにモテてしまう。
最近、さえない同性の先輩に好意を持たれている。いつものことだろう。いい人だから、傷つけたくはないな。
そう、思っていた。
その秘め事は誰の為
全9話 完結済み。
恋人になった、その直後だった。
帰ろうとした久賀静真は、桐ヶ谷理士に鍵のかかった部屋へと案内される。
そこにあったのは、決して見てはいけないものだった。
望んで踏み込んだ恋と、望まず踏み越えた一線。
すれ違う二人が行き着く結末とは――――。
※視点を固定せず進行します