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第六章
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「イーノックが知った時に、遅かれ早かれこうなることはわかっていました。イーノックの気持ちは知っていましたからね。諌めたところでギャリーが言ったようにどうにかなるものでもないですから」
「言っても良いのか?」
「そうですね。ミーガン家の事を言わなければ問題無いでしょう。過去には公表した例もあります。勿論、口外しないことが条件ですが。でも、覚悟が必要です。今後もマシューの事を変わらず愛してあげないと、マシューは兄と血の繋がりがないという事実と、恋人を失うことを経験してしまう。それに、アシュリーのようにあからさまに、マシューを構うことはできませんよ?今まで以上に兄弟として振る舞わなければなりません。それができないならば、いっそ言わないほうが良いのではないですか?」
「俺の気持ちはこれからも変わらない。例え、マシューが俺を拒んでも」
「では、言うのですね?」
「良いか?アンが良いと言ってくれるなら俺はその方が…」
「わかりました」
マシューに事実を言うことができるとわかりイーノックは安堵の息を吐いた。
「俺は…マシュが受け入れてくれたことに舞い上がってた。すまない」
みんなに頭を下げて今回のことを謝った。
「いや、俺たちが悪いんだ。コソコソして。最初にイーノックに言ってたらこんなことにならなかった」
「でも、俺のためなんだろ?俺がマシュの事には冷静でいられなくなるのを知ってるから。マシュが虐められてるなんて聞いたら、俺…!そう言えば、あいつは?」
「大丈夫だ」
「兄上、どうしてわかるんですか?」
「だから、落ち着け。リオンから報告があった。幼稚な虐めだ。マシューは嫌がってるけど、今のところ危害が加えられることはないようだ」
「リオンは気付いてるんですか?」
リオンには気付かれてないと思われていたけれど、そうではないようだ。
「クラス全員が知っているそうだ。だから、何かあればクラスメイトが守ってくれる。恐らく、マシューの事が好きなんだろってさ」
あの手紙には、書かれた内容とは違い、嫌悪の感情がなかった。それは…好きだから悪戯でも、嫌がられても、構いたいって歪んだ感情だったんだ。
「俺は何も聞いてない…」
「イーノックに言わなかったのは…わかるだろ?リオンもお前に怒られるのが嫌なんだよ」
もう少し感情をコントロールしないといけない、勇者なんだからと弟に言うギャリーと、兄君にすみませんと謝るイーノックはいつもの二人で安心した。
これから先、今回のことで、兄弟仲が悪くなれば何よりマシューが…ううん、三人共が傷付く。
授業に出なかったことは、ロドニー兄上が先生に伝えてくれていて問題はなかった。マシューにはアンブローズから血の繋がりが無いと伝えた。僕たちも同席した。
「本当なんですか?」
「マシュ、すまない。こんな形で知ることになって。俺は…」
「兄さ…どうしよう、なんて呼べば良いの?」
「マシュー、それは今までと同じだ。二人でいる時もそれは変えないで欲しい。表向きは何も変わらない。それだけは守って欲しいんだ。できるかい?」
「はい。兄上」
「…二人の事は秘密だから。それはわかるだろ?」
ギャリーが弟を抱きしめ頭を撫でる。
「ギャリー兄さまは、あの…知って……ごめんなさい。僕は…」
「愛してるのか?」
「はい。兄さま…ごめんなさい。僕はイーノック兄さまの事、好きなんです。きっと、このことを聞かなくても、それは変わらなかったと思います」
何度も謝る弟にギャリーはただ抱きしめるだけで、それ以上何も言わなかった。
驚いたことにこの場にはリオン・コレットも同席していた。ギャリーとマシューの腹違いの兄弟なのだそうだ。公表はされていない。母方の姓を名乗っているけれど母親は死んでしまい、ハーシェル家で一緒に育ったそうだ。
アンブローズにとってリオンは信頼できる人物ということなのだろう。事このことに関してはアンブローズの気持ち次第。ハリソンにはイーノックの気持ちを汲んでの対処だったけれど。それでも、アンブローズが認めなければ叶わなかっただろう。
「言っても良いのか?」
「そうですね。ミーガン家の事を言わなければ問題無いでしょう。過去には公表した例もあります。勿論、口外しないことが条件ですが。でも、覚悟が必要です。今後もマシューの事を変わらず愛してあげないと、マシューは兄と血の繋がりがないという事実と、恋人を失うことを経験してしまう。それに、アシュリーのようにあからさまに、マシューを構うことはできませんよ?今まで以上に兄弟として振る舞わなければなりません。それができないならば、いっそ言わないほうが良いのではないですか?」
「俺の気持ちはこれからも変わらない。例え、マシューが俺を拒んでも」
「では、言うのですね?」
「良いか?アンが良いと言ってくれるなら俺はその方が…」
「わかりました」
マシューに事実を言うことができるとわかりイーノックは安堵の息を吐いた。
「俺は…マシュが受け入れてくれたことに舞い上がってた。すまない」
みんなに頭を下げて今回のことを謝った。
「いや、俺たちが悪いんだ。コソコソして。最初にイーノックに言ってたらこんなことにならなかった」
「でも、俺のためなんだろ?俺がマシュの事には冷静でいられなくなるのを知ってるから。マシュが虐められてるなんて聞いたら、俺…!そう言えば、あいつは?」
「大丈夫だ」
「兄上、どうしてわかるんですか?」
「だから、落ち着け。リオンから報告があった。幼稚な虐めだ。マシューは嫌がってるけど、今のところ危害が加えられることはないようだ」
「リオンは気付いてるんですか?」
リオンには気付かれてないと思われていたけれど、そうではないようだ。
「クラス全員が知っているそうだ。だから、何かあればクラスメイトが守ってくれる。恐らく、マシューの事が好きなんだろってさ」
あの手紙には、書かれた内容とは違い、嫌悪の感情がなかった。それは…好きだから悪戯でも、嫌がられても、構いたいって歪んだ感情だったんだ。
「俺は何も聞いてない…」
「イーノックに言わなかったのは…わかるだろ?リオンもお前に怒られるのが嫌なんだよ」
もう少し感情をコントロールしないといけない、勇者なんだからと弟に言うギャリーと、兄君にすみませんと謝るイーノックはいつもの二人で安心した。
これから先、今回のことで、兄弟仲が悪くなれば何よりマシューが…ううん、三人共が傷付く。
授業に出なかったことは、ロドニー兄上が先生に伝えてくれていて問題はなかった。マシューにはアンブローズから血の繋がりが無いと伝えた。僕たちも同席した。
「本当なんですか?」
「マシュ、すまない。こんな形で知ることになって。俺は…」
「兄さ…どうしよう、なんて呼べば良いの?」
「マシュー、それは今までと同じだ。二人でいる時もそれは変えないで欲しい。表向きは何も変わらない。それだけは守って欲しいんだ。できるかい?」
「はい。兄上」
「…二人の事は秘密だから。それはわかるだろ?」
ギャリーが弟を抱きしめ頭を撫でる。
「ギャリー兄さまは、あの…知って……ごめんなさい。僕は…」
「愛してるのか?」
「はい。兄さま…ごめんなさい。僕はイーノック兄さまの事、好きなんです。きっと、このことを聞かなくても、それは変わらなかったと思います」
何度も謝る弟にギャリーはただ抱きしめるだけで、それ以上何も言わなかった。
驚いたことにこの場にはリオン・コレットも同席していた。ギャリーとマシューの腹違いの兄弟なのだそうだ。公表はされていない。母方の姓を名乗っているけれど母親は死んでしまい、ハーシェル家で一緒に育ったそうだ。
アンブローズにとってリオンは信頼できる人物ということなのだろう。事このことに関してはアンブローズの気持ち次第。ハリソンにはイーノックの気持ちを汲んでの対処だったけれど。それでも、アンブローズが認めなければ叶わなかっただろう。
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