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date!
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車なのかと勝手に思っていたおれに暮刃先輩がそっと教えてくれた。
氷怜、歩いて一緒に帰りたかったんだって。なんて言われてしまって思わず顔を隠した。暮刃先輩はそんな時でももちろん俺もねとか言ってくるから心臓に悪い。
約20分ほどでマンションの前に着く。
一般的なマンションだが新しくてそれなりでおれとしては気に入っているけど、先輩にとったら超ちっちゃく見えるのかもしれない。
でも先輩それよりもおれたちが同じマンションの方が気になったようだ。
「マジで同じ家なんだな……」
「中学から隣なんで家族ぐるみです」
「へえ、どうりで」
おれの頭を撫でた氷怜先輩がじゃあなと、ニヒルに笑うとなんだかお別れが寂しくなってくる。それでもにっこり笑顔を返した。
「今度は遊びに来てください」
「ああ」
先輩達はこのあとクラブに行くらしく、赤羽さんを呼び出して大通りの方に停まってクルマの元へ歩き出した。みんなで手を振れば瑠衣先輩が飛び切り大きく手を振り返してその腕が暮刃先輩にあたり、おそらく怒られていた。
笑いながらも見えなくなるまで見送りる。
無言で秋と優を見つめると深く頷き返した。
「優の部屋でいい?」
「うん」
すぐさまカードキーでマンションの中に入り迷わず優の家に行った。
まだ誰も帰っていない、静かな家の中は外の寒さで冷え切っていた。
同じ作りの部屋なのでおれの家と同じ場所が優の部屋だ。行き慣れたその部屋でいつもの座布団を引いて荷物を降ろした。クローゼットの中も棚の中も優の部屋はその殆ど服と雑貨だ。本棚もファッション雑誌がメインだ。
3人で無言のまま、優は暖房をつけて飲み物の用意をするためにキッチンに行った。
マフラーをとってコートを脱ぐとハンガーを持って秋が手を伸ばしてきたのでお願いした。座布団の上にストンと座ってこの前みんなでとったUFOキャッチャーの景品、うさぎのぬいぐるみを抱きしめた。うさペッペと言う情けない名前だけど柔らかい。
秋がローテーブルの位置を直すと戻ってきた優が飲み物とお菓子をを置いた。
場が整ったところで秋がわざとらしく咳をした。
「作戦会議だ」
口の前で手を組み、肘をテーブルにかけた秋。
おれは手を挙げて発言権を求めた。秋が目配せで発言を認めると無言の合図。おれは息を吸って声を出した。
「何着るー?」
おれの呑気な発言は秋のチョップが下る。
優はため息をついて秋は悔しそうに叫んだ。
「せっかく雰囲気出したのにー!」
「やあ思わず崩したくなっちゃって」
「はあ……着たい服ある?」
デートならば適当な格好ではいけないし、優はいつもおれらの服を手伝ってくれるのだ。作戦会議なんてもったいつけてはいるがコーディネートのお時間である。
うーんと言いながら優がクローゼットを開けると、所狭しと並んだ服。でもコート、インナー、ボトルなどしっかりと分類分けされているのでとても見やすい。
その中でおれも見たことがない服をいくつか見つけた。また新しく買ったのだろう。しかもおれの好きなブランド。
「あー!keino!」
「ああ、そういえば買ったんだよね。これ着る?」
「優着たの?」
「まだ……みんなでこれ着ればいいかな」
数点あるそれは自分たちで持っている服と組み合わせれば3人みんなkeinoでコーデが出来そうだ。
みんな多少の体格の差はあるけどkeinoは比較的カジュアルでゆったりした服が多いので着れるし、何よりデザインが使いやすいのに凝っていて1つでも取り入れればたちまちオシャレさん。とは言え何着ても優がちゃんとオシャレにまとめてくれるので優様々である。
優の服ってここじゃ入りきらなくておれたちのクローゼットにも入ってるし、優のクローゼットにもおれと秋の服も入ってる。もう誰が誰のか忘れちゃうくらいだけど、シェアするのが楽しくて堪らないのだ。
それぞれ何を合わせるか話すと、トータルコーディネートは終わった。あとは当日髪の毛よろしくと言われたので胸を大きく叩いた。咳が出た。
優が入れてくれたあったかいお茶を飲みながら、どうせなら全面的にデートに向けて用意したほうがいいのではと思い立つ。
「……こういう時こそおれの出番では?」
「唯?」
「やっぱさ万全で行くべきだしさ……これを2人にあげよう!」
ごそごそとリュックを漁り出すおれに優と秋が首を傾げた。
リュックに忍ばせておいたその2つを掴み、にっこり笑って片膝を立ててそれを掲げる。
「新発売のぷるるんが止まらないぜパックと乙女に必須の唇オイルケア、唇ぷっくりん!!!」
少し間を置いて秋と優は笑顔でこう言った。
「お気持ちだけで」
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