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登場人物紹介以上物語未満
姫宮敬紫と姫宮雛野
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姫宮 敬紫(ヒメミヤ ケイシ)
薄いミルクティのようなウェーブのかかった髪。エメラルドグリーンの瞳。陶器のように滑らかな肌。
口振りはフレンドリーに聞こえるが認めた人間の前以外では笑えない。どんなにフレンドリーに話していようが真顔である。もともと敬紫は幼い頃からにこりとも笑うような子ではなかった。今でこそ声でだけなら感情も自由に表せる。
しかし幼い敬紫には喜怒哀楽表現が全くなかった。心配した敬紫の両親は自身の最高の精神科医に敬紫を見せたが、精神病でも身体の病気でもなく、ただの性格と言う結果に終わった。
本人も何も感じないわけではなく、楽しいことや満たされる事を知っているし感じていると両親に話したという。
愛情ならば世界一あげている自信は両親にはあったし、世の中で最たる存在として君臨する姫宮家の環境は完璧であった。
敬紫自身もなにも悩むような素振りもなければ、何かに熱中することもなく、もともと全てにおいて常人よりもこなしてしまう敬紫はただ無表情で淡々と物事を進めて行く。
敬紫は父親、雅(ミヤビ)の連れ子である。実の母親は体が弱く、敬紫を生むとすぐに他界。母親のことは写真でしか知らず、生まれに感謝こそせよ、敬紫が雅の再婚相手、小百合(サユリ)を受け入れるのは時間を要さなかった。
完璧な母親として小百合はいつも穏やかで優しく、愛想笑いもできない敬紫を愛しいと受け止めていたからだ。
また、再婚の時すでにお腹にいたのが妹の雛野である。
小百合と雅が出会う前からお腹にいた雛野。その時ホストをしていた雅と運命的に出会い、お互い子がいる事は何も壁にならなかったと言う。
雛野の実の父親の事は小百合と雅しか知らない。しかし、今の家族としての在り方に、充分なほど満足している雛野と敬紫はそのことを気にしている様子はない。
姫宮 雛野 (ヒメミヤ ヒナノ)
エメラルドグリーンの瞳。外人のような白に近いブロンドで腰までのウェーブの髪。これでも純然たる日本人。美人より美少女の言葉が似合う。
姫宮家は薬品会社における大企業。姫宮家
の血筋は超人しかおらず、祖母(梅、ウメ)や母(小百合、サユリ)は見た目が雛野と姉妹と間違われる程若く見える。
代々姫宮家は超記憶が遺伝しており、雛野も同様である。また記憶したものの理解も早く、自宅の図書室10万冊を齢9歳にして読み上げたという。
物事を知りすぎているせいかほかの子供とは比べものにならないほど大人びていた。そんな雛野のそばを離れずずっと見守る敬紫にも似たような雰囲気があり、2人は静かに、けれどたしかに心を通わせていく。
そのうち新聞の一面を一度読んだだけで全て暗記しているという、容量に限度はあれど超記憶に近いものが敬紫にも見られる。
また雅の血筋では「人の目に見えないものが見える」力があり敬紫もまたそれを受け継いでいた。人の気配、オーラ、はたまた魂と言われるようなものが見える。それが雛野にも見られ始めたのだ。
あまりにも様々な力を持ち、それらが同調し合う我が子に両親は不安な顔をする。強すぎる才能がこの子達を潰してしまうのではないか。
瞬時にその不安を感じ取った雛野と敬紫はそこで初めて子供らしい笑み、話し方を覚えようとした。しかし表現が追いつかない。言葉を理論を交えて説明することは出来ても肝心な心が出せないのだ。
「どうか不安な顔をしないでください。もともと持っていたものが、私達は出会う事でそれを分かち合っているだけだと思うのです。そこに負の力が加わることはないように思えます。なんといってもお父様やお母様の愛を痛いほど感じています。なんて幸せな日々でしょう」
まだ小さな手をした2人がそう言葉を発した。自分の親のために精一杯不安を取り除こうとしているが、あまりにもぎこちなかったのだ。あまりにも強い才能が子供らしさを殺してしまっている。ただ甘やかしたいだけなのに。それでも愛おしい感情は変わらない。変わらない愛を注ぐだけだと両親は立て直した。
やがて零蘭達に出会う事でその感情表現に変化が現れる
薄いミルクティのようなウェーブのかかった髪。エメラルドグリーンの瞳。陶器のように滑らかな肌。
口振りはフレンドリーに聞こえるが認めた人間の前以外では笑えない。どんなにフレンドリーに話していようが真顔である。もともと敬紫は幼い頃からにこりとも笑うような子ではなかった。今でこそ声でだけなら感情も自由に表せる。
しかし幼い敬紫には喜怒哀楽表現が全くなかった。心配した敬紫の両親は自身の最高の精神科医に敬紫を見せたが、精神病でも身体の病気でもなく、ただの性格と言う結果に終わった。
本人も何も感じないわけではなく、楽しいことや満たされる事を知っているし感じていると両親に話したという。
愛情ならば世界一あげている自信は両親にはあったし、世の中で最たる存在として君臨する姫宮家の環境は完璧であった。
敬紫自身もなにも悩むような素振りもなければ、何かに熱中することもなく、もともと全てにおいて常人よりもこなしてしまう敬紫はただ無表情で淡々と物事を進めて行く。
敬紫は父親、雅(ミヤビ)の連れ子である。実の母親は体が弱く、敬紫を生むとすぐに他界。母親のことは写真でしか知らず、生まれに感謝こそせよ、敬紫が雅の再婚相手、小百合(サユリ)を受け入れるのは時間を要さなかった。
完璧な母親として小百合はいつも穏やかで優しく、愛想笑いもできない敬紫を愛しいと受け止めていたからだ。
また、再婚の時すでにお腹にいたのが妹の雛野である。
小百合と雅が出会う前からお腹にいた雛野。その時ホストをしていた雅と運命的に出会い、お互い子がいる事は何も壁にならなかったと言う。
雛野の実の父親の事は小百合と雅しか知らない。しかし、今の家族としての在り方に、充分なほど満足している雛野と敬紫はそのことを気にしている様子はない。
姫宮 雛野 (ヒメミヤ ヒナノ)
エメラルドグリーンの瞳。外人のような白に近いブロンドで腰までのウェーブの髪。これでも純然たる日本人。美人より美少女の言葉が似合う。
姫宮家は薬品会社における大企業。姫宮家
の血筋は超人しかおらず、祖母(梅、ウメ)や母(小百合、サユリ)は見た目が雛野と姉妹と間違われる程若く見える。
代々姫宮家は超記憶が遺伝しており、雛野も同様である。また記憶したものの理解も早く、自宅の図書室10万冊を齢9歳にして読み上げたという。
物事を知りすぎているせいかほかの子供とは比べものにならないほど大人びていた。そんな雛野のそばを離れずずっと見守る敬紫にも似たような雰囲気があり、2人は静かに、けれどたしかに心を通わせていく。
そのうち新聞の一面を一度読んだだけで全て暗記しているという、容量に限度はあれど超記憶に近いものが敬紫にも見られる。
また雅の血筋では「人の目に見えないものが見える」力があり敬紫もまたそれを受け継いでいた。人の気配、オーラ、はたまた魂と言われるようなものが見える。それが雛野にも見られ始めたのだ。
あまりにも様々な力を持ち、それらが同調し合う我が子に両親は不安な顔をする。強すぎる才能がこの子達を潰してしまうのではないか。
瞬時にその不安を感じ取った雛野と敬紫はそこで初めて子供らしい笑み、話し方を覚えようとした。しかし表現が追いつかない。言葉を理論を交えて説明することは出来ても肝心な心が出せないのだ。
「どうか不安な顔をしないでください。もともと持っていたものが、私達は出会う事でそれを分かち合っているだけだと思うのです。そこに負の力が加わることはないように思えます。なんといってもお父様やお母様の愛を痛いほど感じています。なんて幸せな日々でしょう」
まだ小さな手をした2人がそう言葉を発した。自分の親のために精一杯不安を取り除こうとしているが、あまりにもぎこちなかったのだ。あまりにも強い才能が子供らしさを殺してしまっている。ただ甘やかしたいだけなのに。それでも愛おしい感情は変わらない。変わらない愛を注ぐだけだと両親は立て直した。
やがて零蘭達に出会う事でその感情表現に変化が現れる
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