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しおりを挟む天蓋付きのベッドが軋み続ける。
「はぁッ、はぁッ、ぁッ……ぅ……ッ」
伊吹生の掠れた嬌声も途切れることがなかった。
濡れた服や靴は浴室にそのまま残してきた。伊吹生の本体だけをベッドへ運び、休息も入れず、静まるどころか増していく興奮に従うように、凌貴はひたすら律動していた。
「僕に咬ませたのは左腕でしたね」
後ろから突き上げられ、漆黒の寝具に溺れていた伊吹生は、その台詞に一切の反応を示さなかった。
結局、猛々しく育った肉杭を根元まで呑み込む羽目になった。拡げられている感覚が半端ない。次第に馴染んできたとはいえ、初夜にしては無慈悲な同衾に体は悲鳴を上げていた。
「伊吹生さん」
ギクリとした。耳元で名前を呼ばれたかと思えば、背中に彼の体温が触れ、遠慮なく最奥を貫かれた。
「は……!」
「ねぇ……どうして右腕を咬ませてくれなかったんですか……間接キスがしたかったのに」
ベッドに倒れ伏した伊吹生に凌貴は真上からのしかかる。膨張しきった頂きを窮屈極まりない最奥に埋め、腰を波打たせ、緩急をつけて擦り立ててきた。
「貴方自身の咬み痕に僕の痕を重ねたかった」
悩ましげな腰遣いで仮膣の締めつけを堪能すると、されるがままの伊吹生をシーツから引き剥がした。
上半身を起こし、共に膝立ちとなったところで、伊吹生の胸に左腕を巻きつけて体位を固定する。正面に回した右手で半勃ちの熱源を探り当てると、だらしなく熟れた先端を愛撫した。
「あ……!」
凌貴のものに劣るとはいえ、長さも太さも申し分ない伊吹生のペニスは律儀に反応を示す。
グリグリと尻奥を抉り突かれながら亀頭を揉み立てられ、感度の良いカリ首にも刺激を送り込まれると見る間に逞しく育った。
「はッ……ッ……ぅ……ッ」
「いきますか? いいですよ……? こんなに射精したそうに、とろとろにして……」
「ッ……利き腕だと、生活に支障が出るから、だ……ッ」
「ああ……僕の話、ちゃんと聞こえていたんですね」
汗ばむ尻に何度も何度も凶暴な腰がぶち当たる。
新鮮で濃い白濁が絡む肉杭に後孔奥を一頻り連打された。
「菖さんのときは自ら利き腕に咬みついたくせに……それだけあの人を傷つけないよう無我夢中だったわけで……僕のときは割と冷静で正気を保っていた、やっぱり、そういうことですよね……」
(こんなときに家族の名前を出す奴があるか)
言い返す気力もない伊吹生に続けられる非情なまでのピストン。
マナー違反なる粗相でぬかるむ最奥を図太いペニスに好き勝手に荒らされた。
「貴方のココ、媚びるみたいに僕に絡みついてくる……欲しがるみたいに」
「凌貴、もぉ……ッ……無理だ……」
「ノスフェラトゥはまだ起きています。大広間の喧騒が聞こえる。もう終わるなんて、もったいないです……」
息も絶え絶えとなっていた伊吹生は、急に体の向きを変えられて喉に悲鳴を詰まらせる。
「ほら、綺麗に塞がっているでしょう」
凌貴はベッドに背中を沈めた伊吹生の手をとると、腹部切創の手術痕を触らせた。
物狂おしい交わりに朦朧としていた伊吹生の目は、その感触を突きつけられて、俄かに揺らぐ。
「伊吹生さん。一生、僕の手の届くところにいて、死ぬまで償ってくださいね。約束ですよ……?」
欲情は尽きることなく。
まるで鎖の外れた獣の如き凌貴にがっつかれ、呪縛じみた思いの丈を絶え間なく注ぎ込まれ、伊吹生は繰り返し果てた……。
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