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11-覗いてはなりませんフラグ-番外編
しおりを挟む綾太郎(あやたろう)は山中で足首を挫いてしまった。
山菜取りに出かけて、夢中になっていたら、鬱蒼と茂る草間で足を踏み外し、斜面を転がり落ちて。
「いてて……」
夕刻、茜色の日が枝葉の狭間から差す中、綾太郎は途方に暮れる。
そんなところへ。
「どうされました」
綾太郎はどきっとして声のした方を向く。
髪の長い、一人の男が、いつの間にか木々の間に佇んでいた。
「怪我をされたのですか」
「あ、はい……つい足を滑らせて」
「お見せなさい」
「あっ痛い!」
「捻っただけで、折れてはいないようだ」
この足では山を降りる前に夜になってしまうでしょう。
それではあんまりにも物騒なので、一晩、手前のところで休んで、朝になったら山を降りるといい。
願ってもいない有難い申し出に綾太郎は何度も頷いた。
親切な、寡黙な男におぶわれて、簡素な庵へ案内された。
夜になった。
山菜の粥を振舞われ、囲炉裏を挟んで男と向かい合った、空腹だった綾太郎はがっつく。
静々と粥を食べる男の顔左半分は長い髪で隠されている。
まじまじ眺める綾太郎の視線に気づいた男は、ぽつりと、言う。
「左目に傷を負っておりまして」
「へぇ。何か転んだ拍子とかに?」
「いえ。縄張り争いで」
流血沙汰を起こすような人には見えなかったので、綾太郎は、驚いた。
床につく時分となった。
こぢんまりした庵は障子を挟んで二間に分かれていた。
男は綾太郎の足首に布を巻いてやり、布団を敷くと、向こうの間へ。
障子を閉める間際、男は、すでに寝かかっていた綾太郎へ忠告した。
「何があっても決してこちらを覗いてはなりませんよ」
草木も眠る丑三つ刻。
ふと目を覚ました綾太郎。
木造天井を寝惚け眼で眺めていたら、声が、聞こえてきた。
「ウ、ウ、ウ」
さも苦しそうな呻き声に綾太郎は飛び起きる。
何事かと目を見張らせれば、障子に写るは、蠢く影。
「ウウ……」
慌てた綾太郎は様子を見ようと障子に指先を伸ばしかけ、男の忠告が脳裏に蘇り、ぴたりと立ち止まった。
あの人は何があっても覗くなと言った。
だけど、とても、苦しそうだ。
「ウウウ!」
一層苦しげな呻き声が聞こえ、綾太郎は、決心する。
命の恩人をこのまま放ってはおけない!
綾太郎は思い切って障子をスッパーンと開け放った。
「大丈夫で、す、うぇぇぇい!?」
障子の向こうにいたのは。
立派な赤虎毛の、ぴんと尖った立ち耳の、綾太郎を軽く上回る、それはそれは大きな大きな。
この山を統べる山犬の長であった。
潰されて閉ざされた左目の瞼には派手な傷跡が。
障子の狭間で凍りつく綾太郎を、黒真珠色の鋭い片目が、ゆっくりと見据える。
ああ、あれほど忠告したのに。
黒真珠はまるでそう語るようだった……。
山奥にひっそり佇む庵から妖しげな声が響き渡る。
「あはぁぁっぁぁあっぁぁあぁっうそうそぉっこんなのぉ…………!!」
仰向けに打ち倒された綾太郎。
そんな彼の服を鋭い牙で引き裂いて、爪を引っ込めた両前脚で綾太郎の両腕を布団に押さえつけた、山犬。
硬さも太さも人の二倍ありそうな肉色の勃起男根が無理矢理尻穴を抉じ開けて、中へ、中へ、突き進んでくる。
「ひっっさっ裂けるうぅぅっっ! お尻裂けるぅぅぅッッ!」
泣き喚く綾太郎を綺麗さっぱり無視する山犬。
とうとう、狭い肉壁の狭間をぎちぎちと無闇に押し拡げ、男根根元まで、深々と沈めてしまった。
「ウウウウウウウウ…………」
綾太郎は仰け反り、幾筋も涎を垂らし、ぴくっぴくっと、急所を捕らわれて絶命寸前の獣さながらに、肢体を痙攣させている。
「あ……あ……あ……」
背中の硬い直毛を逆立たせ、荒々しく息を吐き、山犬は舌を垂らした。
唾液がとぷとぷと舌伝いに綾太郎の波打つ腹へ注がれていく。
大量の唾液は下腹部へと流れて結合部にまで伝った。
みちみちと肉のせめぎ合う凹凸にまで流れ込んでいく。
「ひ!!」
べろりと胸を舐められて失神寸前だった綾太郎は目を剥いた。
ざらついた舌端が平らな胸板を縦横無尽に這い回る。
両方の乳首を長い舌で同時に強めに舐め上げられ、恐怖と激痛で竦んでいた綾太郎に、不意に、快楽の兆しが見え始めた。
「んぁぁぁああぁ……らめぇぇえええぇ……乳首ぃぃぃ……」
尻穴をぱっくり全開にされ、粘膜内でどっくんどっくん脈打つ勃起男根を、無意識にきゅっっっと締めつける。
温かな唾液で濡らされて、ぬめぬめする肌が、火照りを帯びてきた。
縮こまっていた肉棒が徐々に漢らしさを取り戻していく。
「あ……あ……なんだ、これぇぇ……?おれ、許婚がいるのにぃぃぃ……こんなのぉぉ……だめぇぇぇ……」
熱に魘されて口走ったかのようなその言葉を聞いた山犬、黒真珠にぎらりとした光を孕ませた。
布団に縫いつけていた綾太郎の腕を解放したかと思えば、次は太腿を押さえつけ、さらに足を左右へ開かせる。
そして、腰を、振り始めた。
「あぁぁああぁぁああっ!あっあっ動いちゃだめぇぇっっ!壊れるぅぅ!お尻壊れるぅぅぅうううぅぅう!!」
大量の唾液が潤滑油代わりとなり、裂けも壊れもせず、綾太郎の尻穴は山犬男根の激しい抽挿を受け入れてしまう。
「やぁぁぁ!!やらぁぁあぁああぁぁ!!やめでぇええぇぇえぇ……!!!!」
すると。
何の気紛れか、さっきまで綺麗さっぱり綾太郎の叫びを無視していた山犬が、俊敏に離れたではないか。
ずるぅぅぅぅり、と、奥まで貫いていた勃起男根が引き抜かれる。
「…………」
山犬は隣の間に戻った。
残された、どろどろ状態の、綾太郎。
女の肌も知らなかった、うら若い青年は、獣から初めて教えられた肉欲に完全に股間を膨らませていて。
さっきまで雄々しい怒張で満たされていた尻奥が、今は空虚に浸され、すぅすぅしていて。
「…………」
綾太郎は欲情しきった目つきで、ぎこちなく、襖の向こうに視線をやった。
山犬は窮屈そうに丸まっている。
寝てしまったのだろうか?
初めての疼きにどうすればいいのかわからず、綾太郎は。
四つん這いで板間を進んで、障子向こうの、隣の間へおっかなびっくりに進むと。
硬い毛に覆われた背中に、びくびくしつつも、寄り添った。
「…………」
ふさふさした巻尾に濡れた内腿を押し当て、自ら獣に抱きついた綾太郎。
片腕を精一杯伸ばして、山犬の腹の下へ、熱く息づく股間に触れようとした。
「ウウウウウ!!!!!」
突拍子もなく起き上がった山犬から、乱暴に、また綾太郎は打ち倒された。
板間にぺたんとうつ伏せになったところへ、山犬が、真上からのしかかってくる。
空虚を埋めるように、また、勃起男根が一息に尻穴の奥深くまで沈められた。
両前脚を綾太郎の傍らに突かせて、さっきよりも激しく、深く、突き上げてくる。
「ひぃぃぃん!!すごぃぃぃ!!きもぢぃぃぃぃぃいいいぃい!!!!」
連続して深奥をずんずん突かれた綾太郎。
全身を痙攣させて射精した。
包皮の剥けた亀頭からびゅるびゅると濃い目の精液が噴射される。
綾太郎が達したことで、彼の尻穴は狂的に収縮し、山犬男根をこれでもかと搾り上げた。
「ウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥ!!!!!」
凶暴な唸り声を響かせて、遠吠えを上げるように上を向き、山犬も射精した。
体内で弾けた、凄まじい精液量に、綾太郎は絶叫する。
「あぁぁぁぁぁぁぁあ!!熱いぃぃぃ!!!!ぎっっぎもぢぃぃぃぃぃぃぃぃいい!!!!!」
その晩、鬱蒼と生い茂る木々に閉ざされるようにしてひっそり建つ庵では、人と獣の情交が延々と行われた……。
「あれだけ忠告したのに」
「あれだけって、一回だけだし、俺、寝かかってたぞ?」
「眷属の掟として、正体を知られたからには、そなたを村へ帰すわけにはいかなくなった」
綾太郎の膝枕に頭を預けて男は言う。
すると綾太郎は首を傾げた。
「それは、俺があんたの許婚みたいな、嫁みたいなもんになるってことか?」
長い髪の下で男がぽっと赤面したことに、綾太郎は、気づいていない。
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