万年のコドク

神井千曲

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05 ゲーム開始

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「……! 落ちる!」
 サーヴィングが放り出されたのは、何も無い空中であった。
 すぐさま重力コントロールを起動すると同時にウィングを展開して体制を立て直し、滑空しつつ周囲を伺う。同時に環境センサーで情報を収集した。
(重力は0.9Gほど。0.8気圧、温度は摂氏10度。湿度は39パーセントか。酸素は17%で残りほとんどが窒素、と)
 比較的地球に近い環境だ。サーヴィングの運用に影響は無い。
 下方へと目を向ける。地表には剥き出しの岩肌と、それに張り付く地衣類らしきものが分布していた。
(遮蔽物は……無しか)
 ほぼ平坦な地表向けて、サーヴィングは降下していく。
 この地面は天体の内側に存在するらしく、地球とは異なり凹面になっていた。
(コロニー内部とでも思えばいいか)
 新装備のテストを行う際には、大型のスペースコロニー内で行うことも少なくない。機密漏洩対策もあるが、様々な環境を再現できるというメリットもあるのだ。
 どうやらここも、似たようなモノらしい。この中で様々な環境を作り出す事ができるのだ。おそらくは外宇宙の高真空状態から、大型惑星の高重力下まで再現出来るのであろう。地球文明のそれよりも、はるかに広い範囲で。
 そして、あらゆる環境下でコレクションたちは戦わねばならない、という事なのだろう。
(さて、敵さんはどちらだ?)
 地表間際まで降下した時点で重力コントロールを切り、エンジンの出力を必要最低限まで落としてホバー移動に切り替えた。
(どこまで相手の目を誤魔化す事が出来るか分からんがな……)
 モニターに目を凝らす。
 モニター上にはこの周囲の地形が映し出されていくが、はるか彼方まで変化のない情景が見えるのみだ。
(さて、どいつが出てくるやら)
 この星の内面は12のエリアに分割され、各々にジン以外のメンバーが割り当てられている。今彼がいるこのエリアは、いずれかのメンバーに割り当てられたものの一つなのだ。
 他のメンバーについての情報は、ある程度フィリアから聞いてある。しかし、その詳しい能力までは聞くことはできなかった。
 この星の主人の方針だそうな。新参者にが相手の詳細な情報を得てしまえば、また膠着状態に陥る可能性もある、という理由からだ。
(結局俺は捨て駒か)
 『膠着状態を打破するため』に投入されたわけだから、そういう対応になるのも仕方あるまい、とジンは己を納得させる事にした。
 そしてそうすること10分ほど。
「……何だ!?」
 奇妙な感覚があった。“カン”と言っても良いのかもしれない。
 直後、目前の空間が歪んだ。
「!」
 すかさずエンジン出力を最大限まで引き上げると機体を引き起こし、重力コントロールを再起動して一気に上昇をかける。
 現れたのは、水晶を思わせる透明な塊。しかし、その大きさは……
「……デカいな」
 おそらく高さ、幅とも数百メートルはあるであろう。
 しかし、それだけではなかった。その塊は、変形を繰り返しつつ、更に巨大化していく。
「コイツは……エズマゼズって奴か。確か、光を吸収する能力があるとかいう……」
 シリコン生命体による文明が作り出した兵器の一つとの事だ。
 機体に戦闘態勢を取らせつつ、機体のコンピュータとリンクした脳内に呼び出した武装リストをに目を通す。
「……徹甲粒子砲スマッシャーを使うか」
 機体上部に装備された砲門が開く。
 超高エネルギー状態の重金属粒子を準光速で射出するビーム砲である。
 射出される粒子が高エネルギーであるために、敵艦の防御スクリーン――いわゆるバリアー――による射線の歪曲効果をほとんど受けず、それを貫くことが出来るのだ。いわば、ビームの徹甲弾だ。
 と、エズマゼズが動いた。
「リ……リリ……」
 微かに鈴の様な音を立て、身体の向きを変える。
 そして、
「!」
 ジンはとっさに機体をロールさせる。
 直後、虹色の光がサーヴィングのいた空間を薙ぎ払った。
「……危ねぇ」
 ギリギリのところを回避。
 チラと後方を見ると、小さな丘が綺麗に抉られていた。
(あれを喰らったらおしまいだな)
 額に冷や汗が伝う。
 と、すぐさま第二射が来る。
「!」
 が、これも何とかかわし切った。
「……やれやれ。いつまでかわせるか」
 その時ジンは、妙な違和感を感じた。
 妙に“カン”が冴えるのだ。それに、機体の反応速度が妙に早い。
「……そういえば」
 思い出した事があった。
 昨日フィリアが口にした、“進化因子”という言葉だ。
(まさか、それが俺にも埋め込まれてるのか?)
 その直後、
「クッ!」
 3度目の斉射がサーヴィングを捉えた。
「油断したぜ……」
 左のウィングの先端が溶解し、失われてしまった。
 ウィングといっても、現時点ではこれで揚力を賄っているわけではないので、飛行能力自体にはさほどの影響はない。だが、推進及び機体制御システムの一部を構成しているものではあるので、機動性や運動性能はやや失われてしまう。
「……仕方がねぇ。変形だ!」
  一気に急上昇をかける。
 直後、その姿が変わりはじめた。
 機首が機体下面右側へと外れ、次いで主翼が背面へとスライドする。機体下面を覆っていたカバーは左側面へと移動。機体後部エンジンユニットはやや上方背面へと跳ね上げられ、主翼の間にはまり込んだ。
 それらのパーツの下に隠された、サーヴィングの“本体”が露わいなる。それは、白銀の巨人。頭頂高二十数メートル程の、人型の機動兵器である。
 大型戦闘用義体、ドラグーン。
 ヒトあるいはアンドロイドを頭脳体とした、巨大サイボーグ兵器である。
 ジンの意思によりコントロールされる、いわばもう一つの肉体。
 そしてこの形態は、運動性能及び格闘性能へとパラメータをシフトさせた、近接戦闘用の姿。
「さあ、行くぜ!」
 先刻外れた機首、長大な馬上槍ランスを思わせる形状の兵器をドラグーンの右手に構える。
 それは、ストライクランサーと呼ばれる武装。プラズマソードおよびビームキャノンなど機能を統合した、複合兵装。
 その先端よりプラズマの刃を発現させた。
 サーヴィングは空を疾り、灼熱の刃をエズマゼズの中心部めがけて突き入れる。
 十数キロにも及ぶ、長大な光の槍。
 それはエズマゼズの身体を貫き……
 いや、
「チィッ!」
 既にエズマゼズの姿は靄のようにその場からかき消えていた。
 直後、不意に周囲に影がかかる。
「……上か!」
 見上げた先の上空には、人工太陽を背にしたエズマゼズの姿があった。
「チッ……」
 すかさずプラズマ刃を短く収束させると、一気に跳躍、斬りかかる。
「セイ!」
 鋭い一撃がエズマゼズを捉え……
「!」
 直後、またしてもあの光が放射された。
「クッ!」
 慌てて回避。
 だが、今度の光は、広範囲に照射された。これでは間に合わない。
 何とか離脱したものの、サーヴィングは少なからぬ量の光を浴びてしまった。
 光が拡散していた為か、機体自体にはそれほど大きな損傷はない。
 わずかに装甲の表面がダメージを受けただけである。
 だが……
「グハッ!」
 強烈な胸の痛みを覚えたジンは、その直後におびただしい量の血を吐いていた。
「な……何だと……」
 直後、頽れるサーヴィング。
 パイロットの変調は、すぐさま機体にも現れた。
 その鋼の手足は萎え、力を失ってしまった様だ。
「グ……ウ……」
(何だ、今の光線は……)
 身体の細胞の一つ一つを焼かれた様な痛みがジンを襲う。
 そして、
「クッ……ソ……」
 サーヴィングは地に伏してしまった。
 それを見下ろす様に宙に浮かぶエズマゼズ。
 その身体の中ばには、溶断されかけた傷が穿たれていた。
 エズマゼズはゆっくりと降下し、サーヴィングにトドメを刺さんと迫る。
 と、その時戦場にもう一つの影が現れた。
「な、何だ? クモヒトデのバケモノか?」
 それは、長短六本の触手を持つ機動兵器。
 六角形のコア部分から、互い違いに長短の多関節アームが生えた構造をしている。全部伸ばせば、端から端まで300メートルにもなろうか。そしてコア部分の中央には、不気味に光る球体。
「あ……あれは確か、ラカウェニルとやらのルグガレ……とかいう長ったらしい名前のヤツか」
 コレクションの中でも古株の一つ。フィリア達も接触した事のない、未知の文明による兵器らしい。
 そしてもう一つの影。
「生首? それともダルマか?」
 それは、直径100メートルにも及ぶ球形の機動兵器。その表面の造作は……まるで、古代遺跡に掘られている神像のごとき人面。
「あれがストライアのアスティユス……」
(超能力を発達させた彼らの能力を最大限に発揮させる為の形なのだろうか?)
 ジンは一瞬呆気にとられた。
 その眼前で、ルグガレ……の多関節アーム先端から六条の光線が放たれた。おそらくは粒子ビームか。センサーに入るノイズからして、相当高出力なビームらしい。
 が、その火線は、アイティユスの直前で歪曲し、各々あらぬ方へと飛び去った。
「磁力でも重力波でもない……精神波によるバリアーか」
 頭部複合センサーには、何の波動も捉えられていない。
 この両者の乱入のせいで、エズマゼズの注意はそれたようだ。だがそれは、サーヴィングが戦力に数えられていないことを意味する。
 それも当然か。ジンは先刻の光線を浴びたため、その肉体は深いダメージを負っている。このまま放っておけば、誰も手を下さなくともサーヴィングはこの戦いがら姿を消すことになるであろう。
「クソッ! このままじゃ何も出来ないまま退場だぜ……。仕方ない」
 ジンは精神を集中し、サーヴィングとのリンクを深めていく。そして、己の精神をそのメインコンピュータである、光量子コンピュータへと移した。自らの肉体には、修復用ナノマシンを一挙に投入する。
『……各部異常無し。出力正常』
 ジンの精神はサーヴィングに宿り、その機体を自らと合一させた。
 すかさずストライクランサーを構えて跳躍。三つ巴の戦いを繰り広げているエズマゼズに斬りかかった。
 狙うは、先刻の傷跡。
 だが、直後にその姿は目前からかき消えていた。
 すぐさまセンサーで追う。
『……上か!』
 高エネルギー反応。
 すぐさま飛び退いた。
 直後、先刻までいた地面が消失する。
『ならば……』
 頭部側面に装備された硬X線自由電子レーザーガンを放った。
 それはエズマゼズに命中し……
『何!?』
 その身体の中を乱反射し、あらぬ方へと飛び去った。
 いや……その射線の先には、アスティユスの姿。
 その表面に、小さな穴が穿たれる。
『しまった!』
 心中歯噛みするジン。
『……高くつくぞ、地球人』
 パイロットからの思念波。
『……すまん』
 回避運動を続けつつ、謝罪。
『まぁ、よかろう。この程度のダメージなど、どうという事はない。だが覚えておけ。コヤツにレーザー兵器は通用しないと』
『……ああ。恩にきる』
(X線でもダメか。もしかしたら、電磁波全体を吸収あるいは反射するのか? それよりも……つい謝ってしまったが、いずれ戦う相手なんだよな。あの連中も。だが、今は……)
 目の前のエズマゼズを睨みつけた。
 だが、その直後、
『代われ、地球人』
『なっ!?』
 アスティユスから再び思念波が届いた。
『そいつは仲間の仇だ』
『なるほど』
(俺やルグガレ……よりも優先すべき目標ってワケか。この戦いの中で、パイロットの中に犠牲者が出たのかもしれん)
『了解した』
 すぐさまエズマゼズの前から飛び退くと、ルグガレ……に向き直る。
 同時にアスティユスがエズマゼズに向かっていく。
『さて、コイツは……』
 その出方を伺うべく、じわりと距離を縮め……
『!』
 敵は多関節アームを伸ばすと、回転しつつサーヴィングに迫る。
 サーヴィングはすぐさまストライクランサーにプラズマ刃を発現させ、斬りかかった。
 しかし、多関節アーム周囲に展開された防御スクリーンによってプラズマ刃は歪曲され、届かない。
『コイツ!』
 しかしジンは、諦める事なくにさらに斬りこんだ。
 手ごたえあり。
 ストライクランサー先端にある、超硬合金の超振動ブレードが多関節アームの外装を斬り裂いた。
 大したダメージではない。だが、攻撃は通用したのだ。
(……やれる!)
 すぐさま頭部レーザーを連射。
 斬り裂いた箇所に次々に小さな穴を穿っていく。
 だがルグガレ……もアーム先端にプラズマフィールドをまとい、次々に突き出してくる。
 サーヴィングはそれをストライクランサーと左腕に装着した機体下面のカバーであったもの――複合防御システム、バスターシールド――で捌いていく。
 そして隙をついて、頭部レーザーを連射。
『チリも積もれば、だが……果たしてどこまでいけるか』
 これまで戦った敵とは勝手が違いすぎて、完全な手探り状態である。しかも相手は、一万年近い戦闘経験の蓄積がある。そして何より、絶対的な性能差の壁。
 だがそれを覆さねば、生き残ることはできない。
 そうする間にも、敵の攻撃は苛烈さを増していく。
 ランサーとシールド、そして両脚まで駆使して多関節アームを捌く。
『チッ……このままじゃラチがあかん』
 このまま攻撃を捌き続けてもジリ貧。いつかまともに攻撃を食らってしまう。さりとて距離をとれば、アーム先端からの高出力ビームが待っている。
 いや……それだけじゃない。胴体中央の光球からも、強力なビームが発射されるのかもしれない。
(……思い切った事をやらんと負けるな)
 ジンは脳裏で勝算を弾く。
『なら……懐に飛び込むのみ!』
 ストライクランサーを手放す。と、それは自動で飛行し、バックパック――主翼及びその基部を構成していたユニット――にドッキングした。そして空いた手で、左腰に装備された実体剣、ソリッドセイバーを抜き放った。
 更にバックパックとブースターユニット――飛行形態でのエンジンユニット――、シールドも排除する。
 四肢以外の余分な装備を極力排除することで、運動性能を極限まで引き上げるのだ。そうすることで、回避能力を向上させ、格闘戦を優位に進めることができる。無論、機動力と火力、防御力は低下する事になるが……
『切り札だ……防御スクリーン、フィールドブースターフルシンクロ。スクランブル・ブーストモード!』
 サーヴィングが赤い光をまとった。そして宙を蹴るようにして、凄まじいスピードで敵に肉薄する。
『セイ!』
 鋭い一太刀が胴部を斬り裂き、装甲に深々と傷を穿った。
 即座にもう一撃、二撃。
 その間にも、パージされたバックパクやブースターユニット、そしてストライクランサーやバスターシールドは各々空中を飛行し、ビームを放ってアームを牽制する。
 これらのユニットは、AIを搭載した自律ロボット兵器でもある。パイロットであるジンの命令下、独自に攻撃を行うことができるのだ。
 その攻撃に焦れたのか、ルグガレ……は急上昇した。
 追いすがるが、ブースターユニットを外した状態のサーヴィングでは追いつけない。
 見る間に距離を離され……
 そして上空で、ルグガレ……の光球が輝きを増し……
『地球人!』
 アスティユスからの思念波。
 サーヴィングの姿は光球から発された光の柱に飲まれていた。
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