【R18】Sweet or Bitter

かのん

文字の大きさ
上 下
31 / 54

苦い夜【ビター男子編】

しおりを挟む
“ガチャガチャ…ガタンッ…”



早苗を車で会社から自宅まで送り、部屋の中に二人で入った。



会話もせず、電灯もつけず、



ただ、ただ、ひたすらキスをしていた――



“ガタッ…ガタンッ…”



暗闇で初めてきた部屋だからどこに何があるかわかならなくて、体に色んなものをぶつけながらベッドを探した。



今思えば、本能むき出しの男女という感じだった。



“ギシッ…”



ベッドの上に早苗を寝かせ、スーツの上着を脱いだ。



「田所君、ま、待って…」



今、このタイミングでいう言葉なんて



いい言葉なんてない――



「んッ――」



早苗の口を塞いだまま、スーツの上着を脱ぐことにした。



抵抗をしていた早苗もキスの時間が長くなればなるほど抵抗しなくなっていく――








まだ課長のことが――





早苗の口から出てくる言葉はこれしかない










――でもこのまま抱けば




        確実にまた二番目だ――




二番目はもう嫌だ――



嫌だから手を止めればいいのに、もう止めれない



キスしなきゃいいのに目の前に早苗の唇があれば自然に重ねてしまう



今日は――



今日だけは課長のことを忘れて



自分のことだけを考えてほしい――



“ギシッ…”



「イタッ……痛いよッ…」



前戯もせず、早苗の中にいれた。



窓から入ってくる薄暗い光で早苗の表情がわかる。



早苗の目から涙がこぼれた。



“チュッ…”



もうこれ以上涙がこぼれないように涙を吸った。



この涙は課長のことを想って――?



それとも痛みで――?




「ごめん…わざと痛くしたんだ…」



「え…?」




「俺を忘れないようにしてるんだよッ…」



「田所君ッ…」



あの出張の日――



隣の部屋から本当は早苗と課長のセックスは丸ぎこえだった



ベッドが軋む音



早苗のとろけそうな気持ちよさそうな声――



課長と同じようなセックスはしたくない――



ただのヤキモチ…



大人のちっちゃいヤキモチで



目の前の好きな女を痛がらせるなんて…



小さい男の子が構ってほしくて好きな女の子を泣かせるのと同じだ――



「んッ…」



カラダは繋がったまま、下のほうに手を伸ばした。



早苗の膨らんでいる敏感な部分にそっと触れてみる。



「あっ…アァッ!」



早苗のあえぎ声が激しくなるたびに、自分のがきつく締め付けられた。



左手は早苗と手を繋いでいたが、締め付けられるたびに、その手に
力が入る。



“ギシッ…ギシッ…ギシッ…”



やべー気持ちよくて止まんない――



「早苗――」



「ンッ――」



俺だけのものになって――



そういったら、私はものじゃないって怒るんだろうか



でも課長のところに二度とかえってほしくないんだよ――
しおりを挟む

処理中です...