33 / 54
バトル!?②
しおりを挟む
「時間ある?」
「すいません…ランチの約束していて…」
「…田所と?」
「え?」
「いや、ごめん…」
“チンッ…”
エレベーターの扉が開くと課長は何もいわず先に行ってしまった。
男性ロッカールーム――
「田所君、これよかったら。」
そういって課長はロッカーの中からネクタイを差し出す。
「…何ですか、これ。」
「ネクタイだけでも換えたほうがいいと思うんです。部長もきっと気づくと思うので…社会人としてこれからは着替えをロッカーに入れておいたほうがいいですよ。」
「…わかりました。借りるの悪いし、時間あるんで、ネクタイ買ってきます。」
「いいですよ、これ使っても…そのまま捨てて構わないですし…」
「…香からのプレゼントじゃないんですか?」
「…」
「いいですよ、奥さんからのプレゼントだったら悪いんで。失礼します。」
課長は小さくため息をついて、自分がつけている結婚指輪に目をやる。
「奥さん…か。」
“バタンッ…”
ロッカーを閉め、ロッカールームを出て行った。
「早苗ちゃん!」
「優衣…」
「ごめん、待たせちゃった?」
「ううん、あ、注文先にしようか?」
「私日替わりで。」
「じゃあ、私も…」
「ごめんね、今日急に呼び出して…話したいことがあって。」
「…私も話したいことがあって…」
「早苗ちゃんの話したいことが大体わかるけどね~」
優衣がニコニコ微笑みかけてくる。
「そのことなんだけどッ…」
「お待たせいたしました。日替わり定食です。」
「わぁ、早いね。ランチの時間終わっちゃうから食べながら話そう。」
「うん…」
(どうしよう…何からどうやって話そう…)
「私から話してもいい?」
「うん…いいよ。」
優衣はテーブルに携帯を置き、待ちうけ画面を早苗に見せた。
「え…これってもしかして…」
「そうなんだ、もしかしてなんだ♪」
「尾上先輩!?」※合コンのときちょっとでてきました
「えへへ。あの合コンのとき連絡先は交換していたんだけど、なんか色々と田所君のこと相談していたら、こうなって…」
「全然気づかなかった…」
「だから今すっごく幸せ♪尾上先輩優しいし気が利くし、大事にしてくれるし。」
「そっか…ならよかった…」
「次は早苗ちゃん…話しやすいでしょ?」
「あ…」
優衣は早苗が田所のことを話しやすくするため自分の話からしたようだった。
その優衣の優しいところが女性として素敵だと思った…
「…」
「…社員旅行のときさ、私田所君に好きな人がいるって振られたっていったけど、本当は早苗ちゃんが好きって言ってたんだよ。だからわかってるよ。」
「え…そうだったの?」
「でもそれは田所君が言わないとダメだからさ。でも今日尾上先輩に二人付き合っているらしいって連絡きたからそれで…」
「付き合っているっていうか…昨日、その…言いにくいんだけど田所君泊まったんだけど、付き合ってはない…」
「え!?何で!?」
「まだ課長のことが忘れきれてないっていうか…」
「う~ん、その早苗ちゃんがいう忘れきれるってどのくらいのこと?全く課長のことを思い出さなくなるってこと?」
「え…まぁそうかな…」
「それは無理じゃない?だって同じ課で毎日顔合わせているんだから。」
「確かに…」
「田所君との思い出が増えれば変わってくるよ~あ、もうランチの時間終わっちゃう!」
「またランチしよう!」
「うん!」
「早苗ちゃん、今度は夜お酒飲みながら話そう!」
「そうだね、じゃあまた連絡するね。」
“コツ…コツ…コツッ…”
二人が話している後ろからハイヒールの音が聞こえてきた――
「すいません…ランチの約束していて…」
「…田所と?」
「え?」
「いや、ごめん…」
“チンッ…”
エレベーターの扉が開くと課長は何もいわず先に行ってしまった。
男性ロッカールーム――
「田所君、これよかったら。」
そういって課長はロッカーの中からネクタイを差し出す。
「…何ですか、これ。」
「ネクタイだけでも換えたほうがいいと思うんです。部長もきっと気づくと思うので…社会人としてこれからは着替えをロッカーに入れておいたほうがいいですよ。」
「…わかりました。借りるの悪いし、時間あるんで、ネクタイ買ってきます。」
「いいですよ、これ使っても…そのまま捨てて構わないですし…」
「…香からのプレゼントじゃないんですか?」
「…」
「いいですよ、奥さんからのプレゼントだったら悪いんで。失礼します。」
課長は小さくため息をついて、自分がつけている結婚指輪に目をやる。
「奥さん…か。」
“バタンッ…”
ロッカーを閉め、ロッカールームを出て行った。
「早苗ちゃん!」
「優衣…」
「ごめん、待たせちゃった?」
「ううん、あ、注文先にしようか?」
「私日替わりで。」
「じゃあ、私も…」
「ごめんね、今日急に呼び出して…話したいことがあって。」
「…私も話したいことがあって…」
「早苗ちゃんの話したいことが大体わかるけどね~」
優衣がニコニコ微笑みかけてくる。
「そのことなんだけどッ…」
「お待たせいたしました。日替わり定食です。」
「わぁ、早いね。ランチの時間終わっちゃうから食べながら話そう。」
「うん…」
(どうしよう…何からどうやって話そう…)
「私から話してもいい?」
「うん…いいよ。」
優衣はテーブルに携帯を置き、待ちうけ画面を早苗に見せた。
「え…これってもしかして…」
「そうなんだ、もしかしてなんだ♪」
「尾上先輩!?」※合コンのときちょっとでてきました
「えへへ。あの合コンのとき連絡先は交換していたんだけど、なんか色々と田所君のこと相談していたら、こうなって…」
「全然気づかなかった…」
「だから今すっごく幸せ♪尾上先輩優しいし気が利くし、大事にしてくれるし。」
「そっか…ならよかった…」
「次は早苗ちゃん…話しやすいでしょ?」
「あ…」
優衣は早苗が田所のことを話しやすくするため自分の話からしたようだった。
その優衣の優しいところが女性として素敵だと思った…
「…」
「…社員旅行のときさ、私田所君に好きな人がいるって振られたっていったけど、本当は早苗ちゃんが好きって言ってたんだよ。だからわかってるよ。」
「え…そうだったの?」
「でもそれは田所君が言わないとダメだからさ。でも今日尾上先輩に二人付き合っているらしいって連絡きたからそれで…」
「付き合っているっていうか…昨日、その…言いにくいんだけど田所君泊まったんだけど、付き合ってはない…」
「え!?何で!?」
「まだ課長のことが忘れきれてないっていうか…」
「う~ん、その早苗ちゃんがいう忘れきれるってどのくらいのこと?全く課長のことを思い出さなくなるってこと?」
「え…まぁそうかな…」
「それは無理じゃない?だって同じ課で毎日顔合わせているんだから。」
「確かに…」
「田所君との思い出が増えれば変わってくるよ~あ、もうランチの時間終わっちゃう!」
「またランチしよう!」
「うん!」
「早苗ちゃん、今度は夜お酒飲みながら話そう!」
「そうだね、じゃあまた連絡するね。」
“コツ…コツ…コツッ…”
二人が話している後ろからハイヒールの音が聞こえてきた――
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
69
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる