16 / 61
ちょっとだけ・・・甘えていい?②
しおりを挟む
「……いいよ。もっとして。」
「え?」
「好きにしてくれていいよ。」
快感を感じるより痛みを感じたほうが少しでも嫌なこと忘れられそう・・・
“ザッ……”
自分にはあたらなかったけど、カッターが自分の顔の真横に刺さったのが音でわかる。
それと同時に目隠しを外されて手錠も外された。
“ハラハラ…”
起き上がるとカッターで刺されて髪の毛が少し切れたようで30センチぐらいの髪の毛が春のベッドに落ちた。
「俺はさ、美咲ちゃんみたいに恐怖を感じてない子には何も感じないんだよね。」
「ごめんなさい…」
何やっているんだろう私
人形になっておけばいいって思っていたけど
私も相手のこと人形って思っていたんだ
感情のない人形に抱かれればその場限りの関係になれるって
相手だって感情のある人間なのに――
春に借りた上着を着てふらふらと外に出てみたけど、朝4時は誰もいない。
スカートから見える太ももの傷を誰にも見られないほうがいい
髪の毛も変な長さになっちゃったし…
「ふふッ……自業自得。」
携帯にはセフレたちからのラインで未読がたまっている。
【いつ会える?】
【今からまたホテルいかない?】
【今日泊まりにこいよ。】
「なんか…疲れちゃった。」
ペタンと路上にお尻をついて座るとヒヤッと冷たさが脚から一気に心まで突き刺さってきた。
胸が苦しくなる理由は冷たさなんかじゃない。
こんな格好になっていても「大丈夫?」って声をかけてくれる人がいないからだ
でも自分からそう望んできたことなのに――
・・・無性に寂しい。
寂しい、寂しい、寂しい――
「美咲さん!」
「え…?」
葵君の後ろから太陽の光が降り注いできてまぶしくて見れなかった。
だけど本当は太陽の光のせいじゃなくて、葵君がこのときの私にとって救世主で神様のように見えたからまぶしかったのかもしれない
「大丈夫ですか!?この傷は!?」
私のことを嘘でも心配してくれる葵君が声をかけてきてくれて
生きていてよかったって思った――
私を責める冷たい目をしながらも、こぼれた涙をすくってくれた手が温かかった
この女、龍から危ないやつの家から出てきたって連絡がきたと思ったら
血が出るような怪我して・・・
服は上は破れているけど男物の上着を着ている
ってことは無理やりされたというわけでもない
どれだけモノ好きなんだよ…
頭ではやっぱり最低なあばずれ女って思っているのに――
太陽の光に照らされてこぼれる涙は何で綺麗なんだろう
……震えている体を抱きしめてあげたくなるのは何でなんだろう?
「ちょっとだけ……甘えてもいい?」
普段なら年下にこんな風に甘えるなんて想像もしていなかった
だけどこのときは年齢とか関係なくて
ただ目の前にいる葵君に甘えたくて、頼りたくなって・・・
男性らしいゴツゴツとした太い鎖骨におでこを乗せて目を閉じた。
「美咲さん…もうこんなことやめてください。」
本当はいつも思ってた。
誰かこんな私を止めてって・・・
「こんなんじゃ、心も体が傷ついてばっかりで幸せを感じられないじゃないですか…」
「でも恋しても…また傷つくかも……」
「傷つくかもしれないです…でも恋はその人を思えば心が温かくなったり、イライラしたり…自分が生きているって実感できるじゃないですか。」
確かに裕也に恋をしていた時は
裕也のことを思えば胸が締め付けられたり、イライラしたり…
だけどまた明日、裕也に会いたくなっていた
今は誰でもいいからとフラフラして
顔や名前をいとおしく思い出す人はいない
生きてはいるけど操り人形のような日々
セフレでもいい
自分が求められたら生きているって実感できるような気がしてた
でも実感できるはずがなかった
だって私もセフレも相手は誰でもよかったんだから――
「自分を大事にしてください。お願いです…」
そう懇願する葵君の瞳にはうっすら涙が浮かんでいて
私はその涙が自分のために流されたものだと思ってた
だけどその涙は私のためじゃない
葵君が今でも愛おしいと思っている人への涙
その涙の訳を知るのはまだ先のことーー
「葵君は傷つくの怖くないの?」
「俺は生きている実感がないほうが怖いですよ...」
他の人から見れば傷の舐め合いの関係
恋したいけど怖くてできない私と
恋したいけどできない葵君
「俺も少しだけ...甘えていいですか?」
そういって私の左肩に頭を寄りかかってくる葵君が愛おしかった
「え?」
「好きにしてくれていいよ。」
快感を感じるより痛みを感じたほうが少しでも嫌なこと忘れられそう・・・
“ザッ……”
自分にはあたらなかったけど、カッターが自分の顔の真横に刺さったのが音でわかる。
それと同時に目隠しを外されて手錠も外された。
“ハラハラ…”
起き上がるとカッターで刺されて髪の毛が少し切れたようで30センチぐらいの髪の毛が春のベッドに落ちた。
「俺はさ、美咲ちゃんみたいに恐怖を感じてない子には何も感じないんだよね。」
「ごめんなさい…」
何やっているんだろう私
人形になっておけばいいって思っていたけど
私も相手のこと人形って思っていたんだ
感情のない人形に抱かれればその場限りの関係になれるって
相手だって感情のある人間なのに――
春に借りた上着を着てふらふらと外に出てみたけど、朝4時は誰もいない。
スカートから見える太ももの傷を誰にも見られないほうがいい
髪の毛も変な長さになっちゃったし…
「ふふッ……自業自得。」
携帯にはセフレたちからのラインで未読がたまっている。
【いつ会える?】
【今からまたホテルいかない?】
【今日泊まりにこいよ。】
「なんか…疲れちゃった。」
ペタンと路上にお尻をついて座るとヒヤッと冷たさが脚から一気に心まで突き刺さってきた。
胸が苦しくなる理由は冷たさなんかじゃない。
こんな格好になっていても「大丈夫?」って声をかけてくれる人がいないからだ
でも自分からそう望んできたことなのに――
・・・無性に寂しい。
寂しい、寂しい、寂しい――
「美咲さん!」
「え…?」
葵君の後ろから太陽の光が降り注いできてまぶしくて見れなかった。
だけど本当は太陽の光のせいじゃなくて、葵君がこのときの私にとって救世主で神様のように見えたからまぶしかったのかもしれない
「大丈夫ですか!?この傷は!?」
私のことを嘘でも心配してくれる葵君が声をかけてきてくれて
生きていてよかったって思った――
私を責める冷たい目をしながらも、こぼれた涙をすくってくれた手が温かかった
この女、龍から危ないやつの家から出てきたって連絡がきたと思ったら
血が出るような怪我して・・・
服は上は破れているけど男物の上着を着ている
ってことは無理やりされたというわけでもない
どれだけモノ好きなんだよ…
頭ではやっぱり最低なあばずれ女って思っているのに――
太陽の光に照らされてこぼれる涙は何で綺麗なんだろう
……震えている体を抱きしめてあげたくなるのは何でなんだろう?
「ちょっとだけ……甘えてもいい?」
普段なら年下にこんな風に甘えるなんて想像もしていなかった
だけどこのときは年齢とか関係なくて
ただ目の前にいる葵君に甘えたくて、頼りたくなって・・・
男性らしいゴツゴツとした太い鎖骨におでこを乗せて目を閉じた。
「美咲さん…もうこんなことやめてください。」
本当はいつも思ってた。
誰かこんな私を止めてって・・・
「こんなんじゃ、心も体が傷ついてばっかりで幸せを感じられないじゃないですか…」
「でも恋しても…また傷つくかも……」
「傷つくかもしれないです…でも恋はその人を思えば心が温かくなったり、イライラしたり…自分が生きているって実感できるじゃないですか。」
確かに裕也に恋をしていた時は
裕也のことを思えば胸が締め付けられたり、イライラしたり…
だけどまた明日、裕也に会いたくなっていた
今は誰でもいいからとフラフラして
顔や名前をいとおしく思い出す人はいない
生きてはいるけど操り人形のような日々
セフレでもいい
自分が求められたら生きているって実感できるような気がしてた
でも実感できるはずがなかった
だって私もセフレも相手は誰でもよかったんだから――
「自分を大事にしてください。お願いです…」
そう懇願する葵君の瞳にはうっすら涙が浮かんでいて
私はその涙が自分のために流されたものだと思ってた
だけどその涙は私のためじゃない
葵君が今でも愛おしいと思っている人への涙
その涙の訳を知るのはまだ先のことーー
「葵君は傷つくの怖くないの?」
「俺は生きている実感がないほうが怖いですよ...」
他の人から見れば傷の舐め合いの関係
恋したいけど怖くてできない私と
恋したいけどできない葵君
「俺も少しだけ...甘えていいですか?」
そういって私の左肩に頭を寄りかかってくる葵君が愛おしかった
0
あなたにおすすめの小説
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
冷徹社長は幼馴染の私にだけ甘い
森本イチカ
恋愛
妹じゃなくて、女として見て欲しい。
14歳年下の凛子は幼馴染の優にずっと片想いしていた。
やっと社会人になり、社長である優と少しでも近づけたと思っていた矢先、優がお見合いをしている事を知る凛子。
女としてみて欲しくて迫るが拒まれてーー
★短編ですが長編に変更可能です。
隣人はクールな同期でした。
氷萌
恋愛
それなりに有名な出版会社に入社して早6年。
30歳を前にして
未婚で恋人もいないけれど。
マンションの隣に住む同期の男と
酒を酌み交わす日々。
心許すアイツとは
”同期以上、恋人未満―――”
1度は愛した元カレと再会し心を搔き乱され
恋敵の幼馴染には刃を向けられる。
広報部所属
●七星 セツナ●-Setuna Nanase-(29歳)
編集部所属 副編集長
●煌月 ジン●-Jin Kouduki-(29歳)
本当に好きな人は…誰?
己の気持ちに向き合う最後の恋。
“ただの恋愛物語”ってだけじゃない
命と、人との
向き合うという事。
現実に、なさそうな
だけどちょっとあり得るかもしれない
複雑に絡み合う人間模様を描いた
等身大のラブストーリー。
時間を止めて ~忘れられない元カレは完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な人でした 【完結】
remo
恋愛
どんなに好きになっても、彼は絶対に私を愛さない。
佐倉ここ。
玩具メーカーで働く24歳のOL。
鬼上司・高野雅(がく)に叱責されながら仕事に奔走する中、忘れられない元カレ・常盤千晃(ちあき)に再会。
完璧な容姿と天性の才能を持つ世界一残酷な彼には、悲しい秘密があった。
【完結】ありがとうございました‼
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司
身分差婚~あなたの妻になれないはずだった~
椿蛍
恋愛
「息子と別れていただけないかしら?」
私を脅して、別れを決断させた彼の両親。
彼は高級住宅地『都久山』で王子様と呼ばれる存在。
私とは住む世界が違った……
別れを命じられ、私の恋が終わった。
叶わない身分差の恋だったはずが――
※R-15くらいなので※マークはありません。
※視点切り替えあり。
※2日間は1日3回更新、3日目から1日2回更新となります。
友達婚~5年もあいつに片想い~
日下奈緒
恋愛
求人サイトの作成の仕事をしている梨衣は
同僚の大樹に5年も片想いしている
5年前にした
「お互い30歳になっても独身だったら結婚するか」
梨衣は今30歳
その約束を大樹は覚えているのか
ホウセンカ
えむら若奈
恋愛
☆面倒な女×クセ強男の不器用で真っ直ぐな純愛ラブストーリー!
誰もが振り返る美しい容姿を持つ姫野 愛茉(ひめの えま)は、常に“本当の自分”を隠して生きていた。
そして“理想の自分”を“本当の自分”にするため地元を離れた大学に進学し、初めて参加した合コンで浅尾 桔平(あさお きっぺい)と出会う。
目つきが鋭くぶっきらぼうではあるものの、不思議な魅力を持つ桔平に惹かれていく愛茉。桔平も愛茉を気に入り2人は急接近するが、愛茉は常に「嫌われるのでは」と不安を抱えていた。
「明確な理由がないと、不安?」
桔平の言葉のひとつひとつに揺さぶられる愛茉が、不安を払拭するために取った行動とは――
※本作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。
※イラストは自作です。転載禁止。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる